育毛の塗り薬とは?塗る育毛剤・発毛剤・処方薬の区分の違い

棚に並んだラベルの無いスポイト瓶とスプレーボトルとチューブ

当サイトの記事は、編集部が公的機関・各メーカーの公式サイトで公開されている情報を調べて独自に執筆しています。

『育毛の塗り薬って、育毛剤のこと?それとも病院の薬?』と、言葉の範囲が分からなくて困っていませんか。

結論から言うと、頭皮に塗る物には、化粧品・医薬部外品の育毛剤・第2類医薬品・第1類医薬品の発毛剤・医療機関で処方される薬という5つの区分があります。「塗り薬」と呼ばれていても、区分によって表示できる効能も、買い方も、相談先も違うんです。

この記事では、育毛剤と塗り薬の区分の見分け方、形ごとの塗り方、使う前に確かめたいことを紹介します。

目次

育毛の塗り薬とは?先に答え

先に結論
  • 頭皮に塗る物は、区分で5つに分かれる
  • ドラッグストアの「薬用育毛剤」の多くは医薬部外品で、医薬品ではない
  • 医薬品の塗り薬には、第1類(ミノキシジル配合の発毛剤)と第2類の外用液がある
  • 処方の塗り薬は、医療機関で相談して出してもらう物

まずは全体を表で見てみましょう。

区分主な呼び方表示できる範囲買える場所・相談先
化粧品ヘアトニック、頭皮用美容液頭皮・毛髪をすこやかに保つ などどこでも買える
医薬部外品薬用育毛剤、育毛トニック育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進 などドラッグストア・通販
第2類医薬品頭皮用の外用液添付文書に書かれた効能薬剤師・登録販売者のいる店
第1類医薬品発毛剤壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防薬剤師から説明を受けて買う
医療機関の処方処方の外用薬医師の判断で出される皮膚科などで相談

この記事では、どの区分も「おすすめ」はしていません。まずは区分の違いを知って、自分がどこに相談すればいいかを見つけるのが目的です。

なぜ「塗り薬」という言葉で迷うの?

『塗るんだから、全部薬なんでしょ?』と思うのは自然なことです。ただ、法律では「薬」と「医薬部外品」と「化粧品」は別の物として決められています。

医薬部外品は「人体に対する作用が緩和なもの」とされ、使い道の一つに「脱毛の防止、育毛又は除毛」が書かれています。ふだん育毛剤と呼んでいる物の多くは、ここに入るんです。

「薬用」「発毛」と書いてあれば医薬品?呼び方と区分のずれ

売り場の言葉と、法律上の区分は一致しないことがあります。よく見かける言葉を、区分で読み直してみましょう。

よく見る言葉実際の区分見分けるところ
薬用育毛剤医薬部外品のことが多い箱の「医薬部外品」の表示
発毛促進医薬部外品の効能の範囲にも入る言葉区分の表示とセットで読む
発毛剤ミノキシジル配合の第1類医薬品が多い「第1類医薬品」の表示
頭皮用医薬品第2類・第1類など「第2類医薬品」などの表示
スカルプエッセンス化粧品のことが多い区分の表示が無ければ化粧品

例えば「発毛促進」は、医薬部外品の育毛剤に表示できる効能の範囲にも入っています。この言葉があるだけで医薬品とは限らないんです。

箱で区分を見分ける順番
  • 箱に第1類・第2類などの医薬品の表示が見当たるか
  • 無ければ「医薬部外品」の表示があるか
  • どちらも無ければ化粧品として読む
  • 有効成分の欄があるか(医薬品・医薬部外品に書かれる)

区分の基本は医薬品・医薬部外品・化粧品の違いの記事、発毛剤の区分の見方は発毛剤のリスク区分の記事でもくわしく紹介しています。

飲む物とはどう違う?

「塗り薬」と並んで気になるのが、飲む物ですよね。育毛向けのサプリメントは食品の扱いで、効能を表示できる物ではありません。

飲む医薬品で薄毛の治療をするのは、医療機関で相談する領域です。塗る物と飲む物では、区分も相談先も違うと覚えておきましょう。飲む育毛ケアの話は飲む育毛剤・サプリの記事にまとめています。

塗る育毛剤(医薬部外品)はどんな物?

ドラッグストアの育毛剤の棚に並ぶ物の多くは、医薬部外品の塗る育毛剤です。いわゆる「塗る育毛剤」と言えば、まずここを思い浮かべてください。

医薬部外品の育毛剤に表示できる効能の範囲は、「育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛。」です。商品ごとに、この範囲から承認された文言が箱に書かれています。

医薬品との一番の違い

医薬部外品は、作用が緩和なものとして決められた区分です。そのため、特定の脱毛の型に効くといった表示はできず、それは医薬品の効能の領域とされています。

『じゃあ、医薬部外品は意味がないの?』と感じる方もいるかもしれません。そうではなく、頭皮のかゆみやふけ、抜け毛の予防といった日々のケアを受け持つ物だと考えると分かりやすいですよ。

医薬部外品の塗る育毛剤が向く場面
  • 抜け毛の予防や頭皮のかゆみ・ふけが気になる
  • 自分のペースで、日々のケアとして続けたい
  • 店頭で箱の表示を見ながら選びたい
先に相談したほうがいい場面
  • 丸く抜けた部分を見つけた、抜け毛がいきなり増えた
  • 頭皮に赤みや湿疹、強いかゆみがある
  • すでに医療機関で頭皮の薬を使っている

医薬部外品を選ぶ時に見る表示

医薬部外品の育毛剤を選ぶ時は、箱の「効能・効果」と「有効成分」の欄を見比べてみてください。同じ区分でも、商品ごとに承認された文言や成分の組み合わせが違います。

アルコールやメントールで頭皮がしみやすい人は、その他の成分の欄も見ておくと安心ですよ。

育毛剤そのものの基本は、育毛剤とは何かをまとめた記事で紹介しています。

医薬品の塗り薬は「第1類」と「第2類」で何が違う?

市販の医薬品で頭皮に塗る物には、大きく2つのグループがあります。どちらも医薬品なので、添付文書の用法・用量を守って使う物です。

比べる点第1類医薬品(発毛剤)第2類医薬品の外用液
主な有効成分の例ミノキシジルカルプロニウム塩化物 など
用法の例1日2回、1回1mLを脱毛している頭皮に塗布1日2~3回、適量を頭皮にすりこむ・ふりかける
対象の例成人男性(20歳以上)。女性用は別製品製品ごとに添付文書で確かめる
売る人薬剤師が書面で説明して販売薬剤師または登録販売者
使えない時の例女性(男性用の製品)、20歳未満、壮年性脱毛症以外の脱毛症きず・湿疹・炎症のある頭皮、頭皮以外

第2類医薬品の例には、千萬之素やニューZ、ハツモールSP無香料などがあり、いずれも有効成分にカルプロニウム塩化物が表示されています。医薬部外品のニューモとニューZのように、販売元が同じでも区分が違う物もあるので、名前が似ている時ほど箱の表示を見てください。

第1類の発毛剤は「ほかの外用剤」と重ねない

ミノキシジル配合の発毛剤の添付文書には、ほかの育毛剤や外用剤(軟膏、液剤等)の頭皮への使用を避けるよう書かれています。『育毛剤と両方塗ったほうが良さそう』と思っても、自分で重ねるのはやめておきましょう。

発毛剤とはどんな医薬品かは、発毛剤とは何かの記事で紹介しています。この記事では、発毛剤も第2類の外用液もおすすめはしていません。

気をつけたいこと

医薬品の塗り薬は、量や回数を増やしても早く効くわけではありません。用法・用量を守り、迷ったら買ったお店の薬剤師に相談してください。

添付文書はどこで読める?

市販の医薬品の添付文書は、箱の中の説明書のほか、PMDAのホームページでも検索して読めます。買う前に「してはいけないこと」を読んでおきたい時に便利ですよ。

読む時は、販売名・リスク区分・有効成分・用法・用量・使用上の注意の順に見ていくと迷いません。分からない言葉があれば、お店の薬剤師に聞いてみてください。

医療機関で処方される塗り薬との関係

『病院でもらう塗り薬のほうが強いのでは?』と気になる方もいますよね。処方の薬は、医師が頭皮や体の状態を見て判断して出す物です。

日本皮膚科学会のQ&Aでは、男性型脱毛症の治療として外用療法・内服療法・自家植毛術が挙げられ、有効な治療法の多くは保険診療で受けられないと説明されています。どの薬が合うかは、受診して相談する領域です。

状況気をつけたいこと話を聞いてもらう先
抜け毛の原因が気になる自己判断で薬を選ばない皮膚科
頭皮の湿疹やかゆみで塗り薬をもらっている育毛剤を足す前に確かめる処方した医師・薬剤師
治療中で、市販の育毛剤も使いたい併用してよいかを聞く処方した医師
海外の塗り薬が気になる国内の確認を受けていない個人輸入は避ける

処方の塗り薬を使っている時の注意

頭皮に処方の塗り薬を使っている時は、自己判断でやめたり、市販の育毛剤を重ねたりしないでください。まずは処方した医師か薬剤師に、今使っている物の名前を伝えて相談しましょう。

例えば、こんなふうに聞いてみると伝わりやすいですよ。

「頭皮の塗り薬をもらっているんですが、市販の育毛剤も使っていいですか」
「どのくらい時間をあければいいか、教えてもらえますか」

皮膚科での相談の流れは、皮膚科で育毛の相談をする記事でも紹介しています。

受診する時に持っていきたい物

皮膚科で相談する時は、今使っている頭皮用の物を持っていくか、箱の写真を撮っておくと話が早いです。医師は、区分や有効成分を見て判断しやすくなります。

  • 今使っている育毛剤・シャンプー・塗り薬(箱や写真)
  • 抜け毛が気になり始めた時期のメモ
  • 同じ場所・同じ明るさで撮った頭の写真
  • 飲んでいる薬やお薬手帳

海外の塗り薬を取り寄せない

厚生労働省は、個人輸入される医薬品は国内の法律に基づく確認がされておらず、偽造製品の可能性もあると注意を呼びかけています。個人で輸入した物で体をこわしても、医薬品副作用被害救済制度は使えません。

形で見る塗り薬:液・スプレー・ジェル・ふりかけ

区分とは別に、塗る物には形の違いもあります。形によって塗り方のコツが変わるので、使う前に知っておくと失敗が減りますよ。

形主な使い方気をつけたいこと
液(ノズル・スポイト)分け目に沿って頭皮に直接たらす髪の上に乗せない
スプレー・エアゾール頭皮に近づけて吹きつける目に入らないようにする・火気に注意
ジェル・ゲル気になる部分に塗ってなじませる液だれしにくいぶん、薄く広げる
ふりかけ地肌に少しずつふりかける一度に出しすぎない
計量タイプ決まった量を頭皮に軽くタップする決まった量を守る

医薬部外品の育毛剤の主な剤型は「液剤、エアゾール剤」とされています。ゲルローションのように、とろみのある物も出ていますよ。

どの形でも「頭皮に届けて、なじませる」が基本

形は違っても、髪ではなく頭皮につけて、指の腹でなじませるのが基本です。強くこすると頭皮を傷めることがあるので、やさしく押すように動かしましょう。

くわしい塗り方は育毛剤の正しい塗り方の記事で紹介しています。

髪の長さで塗りやすい形は変わる

髪が短い人は、液やスプレーでも頭皮に届きやすいです。髪が長い人は、髪の上に液が乗りやすいので、くしで分け目を作ってから塗るのがコツです。

女性向けの育毛剤には、髪を押し広げて頭皮に直接つけるよう案内している物もあります。分け目を少しずつずらしながら塗ると、全体に行き渡りやすくなりますよ。

塗り薬を使う前に確かめたいこと

区分を問わず、頭皮に塗る物を使い始める前に確かめたいことがあります。とくに医薬品は、添付文書の「してはいけないこと」「相談すること」を先に読んでおきましょう。

使う前のチェックリスト
  • 頭皮にきず・湿疹・赤みがないか
  • 頭皮以外(顔・まつ毛など)に使わない物か
  • 妊娠中・授乳中、持病で治療中ではないか(なら事前に相談)
  • 薬や化粧品でかぶれたことがないか
  • 年齢や性別の条件が書かれていないか
  • 今使っている塗り薬や育毛剤と重ねて使わないか

医薬部外品の育毛剤にも、皮膚が弱い人は腕の内側で試してから使うよう案内している物があります。新しい物を使う時は、1つずつ始めると、合わなかった時に原因が分かりやすいですよ。

持病で治療中の人は

ミノキシジル配合の発毛剤の添付文書では、高血圧・低血圧の人や心臓・腎臓に障害のある人は、使う前に相談するよう書かれています。治療中の病気がある人は、かかりつけの医師にも一言伝えておくと安心です。

医薬部外品の育毛剤でも、治療中の頭皮や肌の病気がある時は、先に主治医に確かめておきましょう。

子どもや10代が使う時は

ミノキシジル配合の発毛剤の添付文書では、20歳未満は使用しない人に入っています。10代で髪が気になる時は、大人用を自己判断で使わず、保護者と一緒に皮膚科へ相談してみてください。

育毛剤えらび

買う前に、育毛剤の選び方を確認

医薬部外品の育毛剤・医薬品の発毛剤・頭皮用化粧品の違いと、成分・使い心地・続けやすさ・買い方から自分に合う1本を選ぶ時に見ておきたいポイントをまとめました。

無料育毛剤の選び方を見る

肌に合わない時と、相談できる窓口

塗り薬で困った時に、どこへ相談すればいいかを知っておくと安心です。

困った時まずすること相談先
塗った所が赤い・かゆい・かぶれた使うのをやめる皮膚科・薬剤師
頭痛・めまい・胸の痛みなどがある発毛剤ならすぐ中止医師・薬剤師(説明書を持って)
医薬品で重い健康被害が出た治療を受けるPMDAの救済制度相談窓口
定期購入の解約でもめた最終確認画面の記録を探す消費者ホットライン188

医薬品を正しく使っても重い副作用が出た時は、医薬品副作用被害救済制度という公的な制度があります。相談窓口は、PMDAの救済制度相談窓口(0120-149-931)です。

お店で買った市販薬で副作用が出た時は、使った本人がPMDAへ報告する仕組みもあります。困った時は一人で抱えず、まず薬剤師に声をかけてみてください。

「効かない」と感じた時は

『塗り続けているのに変化が分からない』という時もありますよね。発毛剤の添付文書には、6か月使っても改善が見られない時は使用を中止して医師か薬剤師に相談するよう書かれています。

医薬部外品の育毛剤でも、変化を感じにくい時は使い方を見直したうえで、皮膚科で相談するのが近道です。

塗り薬の話で出てくる言葉

言葉意味
外用薬・外用剤皮膚に塗ったり貼ったりして使う薬
添付文書医薬品に付いている説明書。用法・用量や使用上の注意が書かれている
用法・用量1日に何回、1回にどのくらい使うかの決まり
リスク区分市販の医薬品を、注意の度合いで第1類〜第3類に分けたもの
有効成分医薬品・医薬部外品の効能のもとになる成分
登録販売者第1類を除く一般用医薬品を売ることができる資格を持つ人

よくある質問

育毛剤は塗り薬(医薬品)ですか?

ドラッグストアの薬用育毛剤の多くは医薬部外品で、医薬品ではありません。箱に「第1類医薬品」「第2類医薬品」の表示があれば医薬品です。

育毛の塗り薬は市販で買えますか?

第1類医薬品の発毛剤や第2類医薬品の外用液は、薬剤師や登録販売者のいるお店で買えます。第1類は薬剤師から書面で説明を受けて買います。

皮膚科でもらった頭皮の塗り薬と、市販の育毛剤を一緒に使ってもいいですか?

自己判断では重ねないでください。処方した医師か薬剤師に、今使っている物の名前を伝えて相談しましょう。

発毛剤と育毛剤を両方塗ってもいいですか?

ミノキシジル配合の発毛剤の添付文書には、ほかの育毛剤や外用剤の頭皮への使用を避けるよう書かれています。併用したい時は薬剤師に相談してください。

女性が使える塗り薬はありますか?

男性用の発毛剤は女性は使わないと書かれていて、女性用の発毛剤は別製品です。医薬部外品の育毛剤には女性向けの物もあるので、区分と対象の表示を見て選び、迷ったら薬剤師に相談してください。

塗り薬を塗ってかゆくなったらどうすればいいですか?

使うのをやめて、皮膚科か薬剤師に相談してください。医薬品なら、説明書を持っていくと話が早いですよ。

まとめ

この記事の要点
  • 頭皮に塗る物は、化粧品・医薬部外品・第2類・第1類・処方の5つの区分に分かれる
  • 薬用育毛剤の多くは医薬部外品で、塗り薬(医薬品)とは区分が違う
  • 医薬品の塗り薬は用法・用量を守り、ほかの外用剤と自己判断で重ねない
  • 処方の塗り薬を使っている時は、育毛剤を足す前に医師・薬剤師に相談
  • 肌に合わない時は中止して皮膚科・薬剤師へ
育毛剤えらび

育毛剤えらび 編集部

抜け毛や髪のボリュームが気になり始めた方に向けて、育毛剤(医薬部外品)・発毛剤(医薬品)・頭皮用化粧品の違い、成分と選び方、正しい使い方と続け方、市販と通販の買い方、定期購入の確かめ方をまとめている情報サイトです。 公式サイト

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