育毛剤の血行促進とは?効能の表示との違いと有効成分の見方

スポイト瓶と緑の葉と虫めがねが置かれた机

当サイトの記事は、編集部が公的機関・各メーカーの公式サイトで公開されている情報を調べて独自に執筆しています。

育毛剤の売り場や公式ページで「血行促進」という言葉を見かけて、『血行がよくなると髪にいいの?』『どの成分がそうなの?』と気になっている方も多いですよね。

結論から言うと、育毛剤の「血行促進」は、成分のはたらきや仕組みを説明する時に使われる言葉です。医薬部外品の育毛剤に表示できる効能・効果の一覧の中には、「血行促進」という言葉そのものは入っていません。

この記事では、効能の表示との違いと、血行促進の説明が付く有効成分の表示名、箱での確かめ方をお話ししますね。

目次

育毛剤の血行促進とは?先に答え

先に答え
  • 育毛剤(医薬部外品)の効能・効果の範囲は「育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛」
  • 「血行促進」は、この範囲の中で成分の役割や仕組みを説明する時に出てくる言葉
  • 血行促進の説明が付く有効成分には、センブリエキスや酢酸トコフェロールなどがある
  • 血行促進と書いてあっても、髪が増えることを約束する意味ではない

『血行促進って書いてあるほうが効きそう』と感じるかもしれません。でも実は、育毛剤を選ぶ時に大事なのは、言葉の印象より箱の区分と効能・効果の欄なんです。

書かれている場所書かれる言葉の例読み方
箱の「効能・効果」の欄育毛、薄毛、脱毛の予防、発毛促進 など承認された効能。ここが基本
商品説明・キャッチコピー地肌の血行を促進し、抜け毛を防いで…効能の範囲の中での説明
有効成分の紹介地肌の血行を促す成分 などその成分の役割の説明
全成分の欄センブリエキス、酢酸トコフェロール など実際に入っている成分の名前

育毛剤の区分や基本は育毛剤とはどんな商品かでくわしく紹介しています。この記事では「血行促進」という言葉の読み方に絞ってお話しします。

「血行促進」と効能・効果の表示はどう違う?

医薬部外品の育毛剤に表示できる効能・効果の範囲は、厚生労働省の通知の表で示されています。そこに並ぶのは「育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛。」の9つです。

一方、同じ通知の解説には、成分の効能や作用の仕組み(作用機序)を説明する時のルールも書かれています。医学・薬学上認められていて、かつ承認された効能効果の範囲をこえない場合に限り、説明してもよいとされているんです。

効能・効果の表示
  • 承認を受けた言葉として箱に書かれる
  • 育毛剤なら9つの範囲の中から
  • 商品を選ぶ時の基本になる
仕組みの説明(血行促進など)
  • 効能の範囲の中でのはたらきの説明
  • 言葉だけが一人歩きしやすい
  • これ単体で効き目の強さは比べられない

つまり「血行を促進して抜け毛を防ぐ」という説明は、「脱毛の予防」などの承認された効能の中で、仕組みを言い換えている形です。血行促進が独立した効能として認められている、という意味ではないんですね。

「発毛促進」と「血行促進」は別の言葉

育毛剤の効能・効果の欄には「発毛促進」「毛生促進」という言葉があります。どちらも「促進」で終わるので、『血行促進も同じ仲間の効能かな』と思ってしまいがちですよね。

ただ、発毛促進は承認された効能の範囲に入っている言葉で、血行促進はそこに入っていない言葉です。似た言葉が並んでいても、箱の「効能・効果」の欄に書かれているかどうかで区別してみてください。

広告で気をつけたい言い方

厚労省の通知の解説では、承認された効能効果以外の効能効果は、たとえ実際に持っていたとしても広告してはならないとされています。アニメーションや写真で仕組みを説明する場合も、効能や安全性の保証的な表現にならないよう注意するよう書かれています。

『血行がよくなって、どんどん育つ』のような言い方を見かけたら、少し立ち止まって箱の効能・効果の欄を見てみてください。広告と箱の言葉の違いに気づくはずです。

血行促進の説明が付く有効成分の表示名

ここからは、メーカーが公式ページで「血行」という言葉を使って説明している有効成分を見ていきます。商品と説明の言葉を並べました。

商品(区分)有効成分の欄公式ページの説明
セグレタ 育毛エッセンス(医薬部外品)t-フラバノン、センブリエキス ほかセンブリエキスを地肌の血行を促す成分として紹介
ブローネ 薬用育毛ローション(医薬部外品)スエルチアマリンKI、グリチルリチン酸2K、酢酸トコフェロール商品説明に「地肌の血行を促進し」とある
コラージュフルフル 育毛シリーズ(医薬部外品)エチニルエストラジオール、センブリエキス、酢酸トコフェロール、サリチル酸センブリエキス・酢酸トコフェロールを頭皮の血行を促進する成分と説明
山田養蜂場 薬用RJ地肌ケア エッセンス(医薬部外品)グリチルリチン酸ジカリウム、タマサキツヅラフジエキス ほかタマサキツヅラフジエキスを血行促進作用の成分と説明

並べてみると、センブリ由来の成分と、ビタミンE誘導体の酢酸トコフェロールがよく出てくることが分かります。大正製薬のHOGSPAの紹介でも、酢酸DL-α-トコフェロールは「ビタミンE誘導体」と書かれています。

同じ成分でも、説明の言葉は商品で違う

センブリエキスは、ニューモ・チャップアップ・マイナチュレなど多くの育毛剤の有効成分の欄に並んでいます。ただ、どの商品も同じ説明をしているわけではありません。

説明の言葉は、それぞれのメーカーが自社の商品に合わせて書いています。同じ成分名を見つけても、説明は商品ごとに読むのがおすすめです。

「その他の成分」の植物エキスと区別する

全成分の欄には、有効成分のほかに植物エキスなどがたくさん並んでいることがあります。例えばチャップアップ育毛ローションでは、ショウガエキスは湿潤剤で、有効成分ではないと案内されています。

広告で植物の名前が大きく紹介されていても、それが有効成分とは限りません。「有効成分」の欄に名前があるかどうかを先に見ておくと、説明の言葉に振り回されにくくなりますよ。

血行促進以外の役目の成分も一緒に入っている

育毛剤には、役割の違う有効成分が組み合わされていることが多いです。例えばグリチルリチン酸ジカリウムは、山田養蜂場の商品ページで抗炎症作用の成分として説明されています。

『血行促進の成分だけ入っていればいい』と考えず、何の役目の成分が組み合わさっているかを全体で見てみてください。成分の基本は育毛剤の成分はどう作用する?でも紹介しています。

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成分名の表記ゆれと、箱での確かめ方

成分の名前は、商品によって少しずつ書き方が違います。気づかないと『この商品には入っていない』と思い込んでしまうこともあります。

見かける書き方の例気をつけたいこと
センブリエキス/センブリ抽出液/センブリ抽出エキス/センブリエキスM似た名前でも同じ物か、販売元に確かめると確実
酢酸トコフェロール/酢酸DL-α-トコフェロール/トコフェロール酢酸エステル書き方が商品で違う。ビタミンE誘導体と紹介されることがある
タマサキツヅラフジアルカロイド/タマサキツヅラフジエキス商品によって名前の書き方が違う
グリチルリチン酸ジカリウム/グリチルリチン酸2Kどちらの書き方も成分の欄でよく見かける

表記ゆれは、どちらが正しいという話ではありません。迷った時は、箱に書かれた販売元のお客様相談窓口に問い合わせてみてください。

箱で「血行促進」の意味を確かめる手順
  1. まず箱かボトルで「医薬部外品」の文字を探す
  2. 「効能・効果」の欄を読み、どの効能が書かれているかを確かめる
  3. 「有効成分」の欄で、成分の名前を書き写す
  4. 公式ページで、その成分がどう説明されているかを読む
  5. 説明の言葉が、効能・効果の欄の範囲に収まっているかを見る
  6. 分からないことは販売元か、ドラッグストアの薬剤師・登録販売者に聞く

手順2と手順5を比べるのがコツです。説明の言葉に引っ張られず、効能・効果の欄に戻って読むと、商品の中身が見えやすくなりますよ。

化粧品のヘアトニックで「血行」と書いてあったら

頭皮用の商品には、医薬部外品の育毛剤のほかに、化粧品として売られているヘアトニックやスカルプローションもあります。化粧品の効能は56項目に限られていて、頭皮・毛髪の項目は「頭皮、毛髪をすこやかに保つ」「フケ、カユミを抑える」などです。

区分表示できることの例「血行」の言葉
医薬部外品(育毛剤)育毛、薄毛、脱毛の予防、発毛促進 など効能の範囲の中で成分の仕組みとして説明されることがある
化粧品(ヘアトニック等)頭皮、毛髪をすこやかに保つ、フケ、カユミを抑える など56項目に血行の言葉は無い。清涼感などの使用感は事実に反しない限り表示できる
医薬品(発毛剤)壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防添付文書で効能・効果と使用上の注意を確かめる

厚労省の通知の解説では、化粧品の配合成分を表現する時は、その成分が有効成分であるかのような誤解を与えないようにすることとされています。薬理効果を明示または暗示する成分が入っている旨の広告も行わないこととされているんです。

化粧品で成分名が目立って書かれている時

化粧品で特定の成分を目立たせて書く場合は、配合目的を一緒に書くなど、有効成分だと誤解されない書き方にすることとされています。「保湿成分」「うるおい成分」と添えられているのは、そのためなんです。

成分名の横に「(保湿)」のような言葉があれば、その成分は効き目ではなく使用感や保湿の目的で入っている、と読むと分かりやすいですよ。

『スーッとして血行がよくなりそう』という感じ方は、メントールなどの使用感による部分も大きいかもしれません。化粧品か医薬部外品かは、箱の表示で見分けておきましょう。

「血行促進」に期待しすぎない方がいい理由

血行促進という言葉は分かりやすいぶん、期待が大きくなりやすい言葉です。よくある思い込みと、実際に言えることを並べました。

よくある思い込み実際に言えること
血行促進と書いてあれば髪が増える効能の範囲は決まっていて、髪が増えることを約束する意味ではない
血行促進の成分が多いほど効く成分の数だけで効き目は比べられない
マッサージで血行をよくすれば育毛剤はいらないマッサージは育毛剤をなじませる手順として案内されることが多い
スーッとするのは血行がよくなった証拠清涼感はメントールなどによる使用感のことが多い

日本皮膚科学会のQ&Aでは、「これをすれば髪の毛が抜けなくなるという、特別な予防法があるわけではありません」とされています。そのうえで、バランスのとれた食生活や規則正しい生活を心がけるようすすめています。

生活の中で見直したいこと

同じQ&Aでは、髪の毛の新陳代謝には各種のビタミンやミネラルが関係しているとされ、無理をせず適度に休息をとることも重要とされています。育毛剤の言葉に頼り切るより、睡眠や食事を少しずつ整えるほうが続けやすいかもしれません。

例えば、夜ふかしが続いている週は育毛剤の記録と一緒に寝た時間もメモしておくと、生活を見直すきっかけになります。

よくある失敗
  • 血行促進の言葉だけで選び、区分や効能・効果の欄を読まない
  • 早く変化を感じたくて、表示より多く・何度も付ける
  • マッサージを強くしすぎて、頭皮を赤くしてしまう
  • 抜け毛が急に増えたのに、育毛剤だけで様子を見続ける

育毛剤の効果の考え方は育毛剤は効果ある?でも紹介しています。抜け毛が急に増えた時や円形に抜けた時は、育毛剤より先に皮膚科で相談してください。

マッサージは「なじませる」ためと考える

多くの育毛剤の使い方には、指の腹でなじませてマッサージするよう書かれています。チャップアップの使い方ページでも、強くこすらず約1分やさしくマッサージする手順になっています。

マッサージで血行がよくなるかどうかより、育毛剤を頭皮全体に行き渡らせる手順として続けるくらいの考え方がちょうどいいですよ。

血圧の薬を飲んでいる方・持病がある方は

『血行に関係するなら、血圧に影響しない?』と心配になる方もいますよね。医薬部外品の育毛剤でも、持病がある方や薬を飲んでいる方は、使う前に医師や薬剤師に相談すると安心です。

医薬品の発毛剤では、ミノキシジル配合の外用液の添付文書に、高血圧の人・低血圧の人は相談することと書かれています。血圧との関係が気になる方は育毛剤で血圧が上がる?使用上の注意の確かめ方も読んでみてください。

ドラッグストアで相談する時は、こんなふうに聞くと話が早いです。

「血圧の薬を飲んでいるんですが、この育毛剤を使っても大丈夫でしょうか」

「有効成分の欄を見てもらえますか。それと、飲んでいる薬の名前を教えてください」

飲んでいる薬の名前が分かるお薬手帳を持っていくと、薬剤師も確かめやすくなります。

妊娠中・授乳中の方、肌が弱い方は

妊娠中や授乳中は、体質や肌の状態が変わりやすい時期です。血行促進の説明が付いた育毛剤に限らず、使う前に医師や薬剤師に相談しておくと安心ですよ。

肌が弱い方は、エタノールやメントールが入っているかも全成分の欄で確かめておきましょう。スーッとする感じが強い商品は、刺激に感じることもあります。

血行促進の話で出てくる言葉

言葉意味
効能・効果その商品が承認を受けた、表示できる効き目の言葉
作用機序成分が体の中でどうはたらくかという仕組みのこと
有効成分効能・効果のもとになる成分。医薬部外品では箱に書かれる
その他の成分有効成分以外の成分。保湿剤・湿潤剤などの役目
ビタミンE誘導体酢酸トコフェロールなどを紹介する時に使われる言葉
清涼感メントールなどによるスーッとした使用感

よくある質問

血行促進と書かれた育毛剤は、書かれていない物より効きますか?

書かれているかどうかだけでは比べられません。説明の言葉はメーカーが仕組みを伝えるために書くもので、効き目の強さを示す物ではありません。区分と効能・効果の欄を基準に選んでみてください。

センブリエキスが入っていれば血行促進の育毛剤ですか?

センブリエキスは多くの育毛剤に入っていますが、どう説明するかは商品ごとに違います。成分名だけで決めず、その商品の公式の説明を読むのがおすすめです。

化粧品のヘアトニックでも血行促進になりますか?

化粧品の効能は56項目に限られていて、血行の言葉は入っていません。清涼感などの使用感は表示できるので、スーッとする感じを効き目と取り違えないようにしましょう。

血行をよくするサプリメントと一緒に使ったほうがいいですか?

サプリメントは食品の扱いで、髪への効き目をうたえる物ではありません。薬を飲んでいる方や持病がある方は、取り入れる前に医師や薬剤師に相談してください。

血行促進のためにマッサージは長くやったほうがいいですか?

長くこするほど良いわけではありません。育毛剤の使い方に書かれている時間を目安にして、痛くない力でなじませましょう。赤みが出たら休んでください。

頭皮が温かくなる・ピリピリするのは血行がよくなった証拠ですか?

そうとは言い切れません。刺激やかぶれのこともあるので、赤み・かゆみ・ピリピリが続く時は使用をやめて皮膚科に相談してください。

まとめ

この記事の要点
  • 育毛剤の「血行促進」は、効能の範囲の中で成分の仕組みを説明する言葉
  • 効能・効果の表示は9つの範囲で、血行促進はその一覧に入っていない
  • 血行の説明が付く有効成分にはセンブリエキスや酢酸トコフェロールなどがある
  • 成分名には表記ゆれがあるので、迷ったら販売元に確かめる
  • 化粧品のトニックは効能の範囲が違う。箱の区分と効能・効果の欄で見分ける
育毛剤えらび

育毛剤えらび 編集部

抜け毛や髪のボリュームが気になり始めた方に向けて、育毛剤(医薬部外品)・発毛剤(医薬品)・頭皮用化粧品の違い、成分と選び方、正しい使い方と続け方、市販と通販の買い方、定期購入の確かめ方をまとめている情報サイトです。 公式サイト

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