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育毛剤の広告で「毛母細胞を活性化」という言葉を見て、どういう意味なのか、本当にそう書いていいのか気になった。そんな方も多いはずです。
結論から言うと、毛母細胞は毛のもとになる細胞で、「活性化」のような細胞の話は、商品の区分によって書ける範囲が違います。医薬部外品なら承認された効能の範囲での作用の説明として、化粧品なら細胞の話そのものを避けるのが決まりなんです。
この記事では、毛母細胞と毛周期の基本と、表示の意味の読み方、区分の確かめ方が分かります。
毛母細胞の活性化をうたう育毛剤とは?先に答え
- 毛母細胞は、毛包の下の方にある毛のもとになる細胞
- 「毛母細胞の活性化」は、商品の効能・効果そのものではなく、作用の説明として出てくることが多い
- 医薬部外品の作用の説明は、承認された効能の範囲を超えないことが求められる
- 化粧品では、細胞レベルの表現は行わないとされている
- 区分の表示と、効能・効果の欄を分けて読むのがコツ
育毛剤の区分や表示できる効能の範囲の全体像は、育毛剤とはどんな商品かにまとめています。ここでは「毛母細胞」「活性化」という言葉の読み方に絞りますね。
『細胞に働くと書いてあるなら、すごく効きそう』と感じますよね。ただ、どんな言葉で説明されていても、表示できる効能の範囲は区分で決まっているんです。
毛母細胞とは?髪が伸びる仕組み
まずは、毛母細胞がどこにあって何をしているのかを見ておきましょう。日本皮膚科学会の一般向けの解説をもとにまとめます。
毛は「毛包」という、毛穴を中心に皮膚に埋め込まれたような小さな円筒形の構造から作られます。毛包の下端のふくらんだ部分が毛球部で、ここに毛乳頭と毛母細胞があります。
| 部分 | どこにあるか | どんな役割か |
|---|---|---|
| 毛包 | 毛穴を中心に皮膚の中にある | 毛を作る小さな構造 |
| 毛球部 | 毛包の下端のふくらんだ部分 | 毛乳頭と毛母細胞がある |
| 毛乳頭 | 毛球部の中 | 細胞の塊。毛母細胞に働きかける |
| 毛母細胞 | 毛球部の中 | 毛のもとになる細胞。増えることで毛が伸びる |
日本皮膚科学会の解説では、「毛母細胞が毛乳頭からの働きかけによって増える(細胞分裂)することで毛が伸びていきます」と説明されています。毛が伸びる仕組みの中心にあるのが、毛母細胞なんです。
髪の色にも毛母細胞が関わる
花王の髪の解説では、メラニン色素を作るメラノサイトは毛球部にあり、毛母細胞が分裂して髪が作られる時にメラニン色素が受け渡されると説明されています。髪の色も、毛球部の働きと関わっているんですね。
『毛母細胞って、そんなに大事な所なんだ』と分かると、広告でこの言葉がよく使われる理由も見えてきますよね。
毛周期と毛母細胞の関係
髪の毛は、一生同じペースで伸び続けるわけではないんです。伸びる時期、止まる時期、抜ける準備の時期をくり返していて、これを「毛周期」と呼びます。
| 時期 | 日本皮膚科学会の解説 | 毛の様子 |
|---|---|---|
| 成長期 | 大体2〜6年続くと考えられている。頭髪のほとんどが成長期の「伸びる毛」 | 毛母細胞が増えて、毛が伸びる |
| 退行期 | 成長期の後に来る時期 | 毛の成長が止まっていく |
| 休止期 | 2〜3か月 | 毛が抜け落ちる準備の時期 |
頭髪は1日に約0.4mm伸び、抜ける毛の量はおおよそ1日100本程度までといわれています。抜け毛があること自体は、毛周期の中の自然なことなんです。
毛周期が短くなると何が起きる?
日本皮膚科学会の解説では、男性型脱毛症は成長期が短くなり、毛が短く細く変化する(ミニチュア化)ことで薄毛になると説明されています。
ただ、薄毛や抜け毛の原因は人によって違います。原因を自分で決めつけず、気になる時は皮膚科で相談してみてください。毛周期の考え方は、育毛剤の効果が出るまでの期間でも紹介しています。
抜けた毛の多くは休止期の毛
持田ヘルスケアの皮膚科医による解説では、シャンプーの刺激で痛みなく抜ける毛は休止期の毛で、シャンプーを控えても近いうちに自然に抜けると説明されています。1日中髪を束ねていた日などは、シャンプーの時の抜け毛が多く感じやすいそうです。
『洗うたびに抜けるのが怖い』と感じる方もいますよね。いつもより多いと感じた時は、抜けた毛の様子を見て、皮膚科に相談するのがよいとされています。
- 抜け毛が急に増えたか、少しずつか
- 円い形で抜けている所がないか
- 頭皮にかゆみ・赤み・ふけがないか
- 最近、体調や生活の大きな変化がなかったか
「毛母細胞の活性化」はどの区分なら書ける?
ここがこの記事の一番大事なところです。同じ「毛母細胞」という言葉でも、医薬部外品と化粧品では扱いがまったく違います。
| 区分 | 細胞の話の扱い | 表示できる効能の範囲 |
|---|---|---|
| 医薬品(発毛剤など) | 作用の説明は、医学・薬学上認められ、承認された効能の範囲を超えない場合に限る | 製品ごとに承認された効能・効果 |
| 医薬部外品(薬用育毛剤) | 作用の説明は、医学・薬学上認められ、承認された効能の範囲を超えないこと | 育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛 |
| 化粧品(頭皮用美容液・トニックなど) | 細胞レベルの表現は、効能の範囲を逸脱するので行わない | 頭皮・毛髪をすこやかに保つ、フケ・カユミを抑えるなど |
日本化粧品工業連合会の「化粧品等の適正広告ガイドライン」では、医薬部外品の作用の仕組みを説明する時は、医学・薬学上認められていて、承認された効能の範囲を超えないこととされています。
同じガイドラインでは、化粧品等で「細胞」などの細胞レベルの表現をすることは、効能の範囲を逸脱するので行わないとされています。認められない例として「幹細胞コスメ」「〇〇細胞に着目した化粧品」「細胞由来の力」が挙げられています。
化粧品でも、配合成分の名前や由来の説明として「細胞」という言葉が出てくることはあります。例えば「〇〇細胞培養エキス」のような成分表示名です。ただ、特別な効能があるかのように誤解させない書き方が求められています。
『じゃあ、化粧品に「毛母細胞を活性化」と書いてあったら?』と思いますよね。その時は、区分の表示を確かめ、気になる点をメーカーに問い合わせてみるのがおすすめです。
化粧品で使える頭皮と髪の言葉
化粧品でうたえる効能は、国の通知で範囲が決められています。頭皮と毛髪に関わる言葉には、次のような物があります。
- 頭皮、毛髪を清浄にする
- 頭皮、毛髪をすこやかに保つ
- 頭皮、毛髪にうるおいを与える
- 毛髪にはり、こしを与える
- フケ、カユミを抑える
- 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ
化粧品の頭皮用品を選ぶ時は、こうした言葉の範囲で何をうたっているかを見ると、区分に合った読み方ができます。
メーカーの説明は「作用」と「効能・効果」を分けて読む
医薬部外品の育毛剤のメーカー説明では、有効成分の働きを説明する文章と、効能・効果の欄が別々に書かれていることが多いです。この2つを分けて読むのがコツなんです。
例えば、花王は薬用育毛トニックの説明で、有効成分のt-フラバノンについて「毛球に作用する」と紹介しています。クオレの美容室専売の薬用育毛剤「薬用サイトプラインRX」(医薬部外品)では、有効成分の6-ベンジルアミノプリンについて「毛母細胞の活性をサポート」と説明されています。
| 読む所 | 書かれていること | 読み方 |
|---|---|---|
| 商品説明・特徴 | 有効成分がどこに、どう働くかの説明 | メーカーによる作用の説明。効き目を約束するものではない |
| 効能・効果の欄 | 育毛、脱毛の予防、発毛促進などの決まった言葉 | 承認された効能の範囲。ここが表示の中心 |
| 有効成分の欄 | 承認を受けた有効成分の名前 | どの成分が有効成分かを見分ける |
| その他の成分の欄 | 保湿成分・清涼成分など | 有効成分とは別の役割 |
- 「毛球に作用」「毛母細胞の活性をサポート」などは、成分の働きの説明
- 効能・効果の欄の言葉と合わせて読む
- 効き方には個人差があると考える
- 「細胞に働くから変わるはず」と読み替える
- 効能・効果の欄を見ずに、説明の言葉だけで選ぶ
- 説明の言葉が強い商品ほど効くと思い込む
同じ成分でも名前の書き方が違うことがある
有効成分は、商品ページによって書き方が違うことがあります。例えば、花王の商品ページでは、t-フラバノンが「トランス-3,4′-ジメチル-3-ヒドロキシフラバノン」とも書かれています。
6-ベンジルアミノプリンも、「CTP」という呼び名で紹介されていることがあります。広告の呼び名と成分表示名を見比べる時は、両方の書き方をメモしておくと迷いにくいですよ。
国立科学博物館の資料に残る例もある
国立科学博物館の産業技術史資料データベースには、1986年のライオンの「薬用ペンタデカン」が載っています。そこでは、毛髪を形成する細胞のエネルギー不足が脱毛症の原因の一つであることを明らかにし、細胞にエネルギーを供給する物質として「ペンタデカン酸グリセリド」を見出したと紹介されています。
毛を作る細胞に注目した研究は、昔から育毛剤の開発に関わってきたんですね。ただ、こうした紹介は研究や開発の話で、使う人の効き目を約束するものではありません。
区分はどう確かめる?手順とチェック
「毛母細胞の活性化」をうたう育毛剤が気になったら、まず区分と表示を確かめましょう。手順は難しくありません。
- 箱や商品ページで「医薬部外品」「医薬品」などの区分の表示を探す
- 区分の表示がなく、全成分だけが並んでいれば化粧品の可能性が高い
- 医薬部外品なら、有効成分の欄と効能・効果の欄を書き写す
- 「毛母細胞」の説明が、どの成分についての話かを確かめる
- 説明の言葉と、効能・効果の欄の言葉を見比べる
- 分からない時は、メーカーの問い合わせ窓口や薬剤師に聞く
- 区分の表示(医薬部外品・医薬品・化粧品)を確かめたか
- 効能・効果の欄の言葉を読んだか
- 有効成分と、その他の成分を分けて見たか
- 使い方(1日の回数・量・塗る場所)を確かめたか
- 定期の条件と解約方法を、最終確認画面で読んだか
成分表示の読み方を詳しく知りたい時は、育毛剤の成分と成分表示の読み方も参考になります。区分の違いは医薬品・医薬部外品・化粧品の違いで確かめられます。
広告の呼び名と箱の販売名がずれていたら
医薬部外品の広告で愛称を使う時は、承認を受けた販売名を付記することが業界の自主基準で求められています。広告の名前と箱の名前が違う時は、販売名で区分と有効成分を確かめてみてください。
ネット広告に「毛母細胞」の言葉があっても、箱や商品ページの表示に書かれていない時は、どちらが正しい情報なのかをメーカーに聞いておくと安心です。
問い合わせる時の聞き方
メーカーに問い合わせる時は、短く具体的に聞くと答えてもらいやすくなります。
「商品ページに毛母細胞の活性化とありますが、これはどの成分の説明ですか。この商品の区分と効能・効果も教えてください」
このように聞けば、作用の説明と効能・効果を分けて答えてもらえます。
「活性化」に期待しすぎないために
『毛母細胞が活性化すれば、髪が増えるはず』と考えたくなりますよね。ただ、薄毛や抜け毛の原因は一つではありません。日本皮膚科学会は、脱毛症の原因には内科的な病気や薬の影響などもあると説明しています。
医薬部外品の育毛剤に表示できるのは、育毛・脱毛の予防・発毛促進などの決められた効能です。日本皮膚科学会も、これをすれば髪が抜けなくなるという特別な予防法があるわけではないとしています。
急に抜け毛が増えた、円い形で抜けている、頭皮に赤みやかゆみがある時は、育毛剤を選ぶ前に皮膚科で相談してみてください。日本皮膚科学会は、抜け毛がある時は専門の医療機関を受診し対策を知ることが大切としています。
表示を確かめたうえで、区分と選ぶ基準から自分に合う育毛剤を考えたい方は参考にしてみてください。
育毛剤えらび
買う前に、育毛剤の選び方を確認
医薬部外品の育毛剤・医薬品の発毛剤・頭皮用化粧品の違いと、成分・使い心地・続けやすさ・買い方から自分に合う1本を選ぶ時に見ておきたいポイントをまとめました。
無料育毛剤の選び方を見る言葉より先に、使い方を守る
どんな作用の説明がある育毛剤でも、まずは箱に書かれた使い方どおりに使うことが基本です。多くの医薬部外品の育毛剤は、1日の回数や1回の量、塗った後に指の腹でなじませることなどを案内しています。
量を増やしたり回数を増やしたりしても、早く結果が出るわけではありません。塗り方の基本は育毛剤の使い方・正しい塗り方で確かめてみてください。
使い始めたら記録で見る
育毛剤を使い始めたら、説明の言葉よりも自分の記録で様子を見るのがおすすめです。同じ場所・同じ明るさで月に1回写真を撮り、頭皮の様子をメモしておきましょう。
よくある誤解と確かめ方
毛母細胞の話題で、よくある誤解をまとめました。
| よくある誤解 | 実際のところ | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 「毛母細胞を活性化」は効能・効果のこと | 多くは成分の作用の説明。効能・効果は決まった言葉で書かれる | 効能・効果の欄を読む |
| 細胞の話が書かれていれば医薬部外品 | 区分は表示で決まる。化粧品の広告に書かれていることもあり得る | 「医薬部外品」の表示を探す |
| 毛母細胞に働く成分は全部同じ | 有効成分は商品ごとに違う | 有効成分の欄を書き写して比べる |
| 活性化すれば抜け毛はなくなる | 抜け毛は毛周期の中で毎日ある | 1日の抜け毛の目安と、急な変化を見る |
| 説明が詳しい商品ほど効く | 説明の量と効き方は別 | 区分と効能・効果、使い心地で考える |
会話にすると、こんな場面がよくあります。
「この育毛剤、毛母細胞を活性化って書いてあるから効きそうだよ」
「それはどの成分の説明なんだろう。効能・効果の欄も一緒に見てみようか」
よくある質問
毛母細胞とは何ですか?
毛包の下端の毛球部にある、毛のもとになる細胞です。日本皮膚科学会の解説では、毛乳頭からの働きかけで増えることで毛が伸びると説明されています。
「毛母細胞の活性化」と書かれた育毛剤は効果がありますか?
その言葉は、多くの場合、成分の作用の説明です。表示できる効能は区分で決まっているので、効能・効果の欄と区分を確かめてみてください。効き方には個人差があります。
化粧品に「毛母細胞を活性化」と書いてあるのは問題ないのですか?
業界の自主基準では、化粧品等で細胞レベルの表現は行わないとされています。箱や商品ページで区分を見たうえで、引っかかる所はメーカーに聞いてみてください。
毛母細胞に働く有効成分にはどんな物がありますか?
メーカーの説明では、t-フラバノンや6-ベンジルアミノプリンなどの有効成分について、毛球や毛母細胞への働きが紹介されている例があります。成分ごとの説明は各メーカーの公式ページで確かめてください。
毛周期の休止期の毛が抜けるのは心配ですか?
日本皮膚科学会によると、抜ける毛の量はおおよそ1日100本程度までといわれています。急に増えた、円い形で抜けたなどの時は、皮膚科で相談してください。
女性も毛母細胞の活性化をうたう育毛剤を使えますか?
男女兼用か、男性用か女性用かは商品ごとに違います。妊娠中・授乳中や持病がある時は、使う前に医師や薬剤師に相談してください。
まとめ
- 毛母細胞は毛球部にある毛のもとになる細胞で、増えることで毛が伸びる
- 毛は成長期・退行期・休止期の毛周期をくり返し、抜け毛は毎日ある
- 医薬部外品の作用の説明は、承認された効能の範囲を超えないことが求められる
- 化粧品では、細胞レベルの表現は行わないとされている
- 「作用の説明」と「効能・効果の欄」を分けて読み、区分を確かめて選ぶ





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