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発毛剤は続けると費用がかかるし、成分が分かっているなら自分で混ぜられないのかな。『手作りできたら安く済むのに』と考えたことがある方もいるかもしれません。
結論から言うと、発毛剤を手作りすることはできません。発毛剤は、国の審査を受けて承認された医薬品のことで、自分で混ぜた液は、どれだけ材料をそろえても「発毛剤」にはならないからです。
この記事では、医薬品の決まりがどうなっているのかと、手作りの代わりにできる頭皮ケアをお伝えします。
発毛剤は手作りできる?先に答え
- 発毛剤は、品目ごとに国の承認を受けた医薬品のこと
- 承認では、成分・分量・用法・効能・副作用などが審査される
- 自分で混ぜた液は、この審査を通っていないので発毛剤とは呼べない
- 作った物を人に売ったり、効き目をうたったりするのは法律の決まりにふれる
- 代わりに、市販の発毛剤を薬剤師に相談して使うか、頭皮ケアを見直す
『材料が同じなら、中身も同じじゃないの?』と思いますよね。ここが大事なところなんです。
医薬品は、成分の名前だけで決まる物ではありません。どれだけの量を、どんな品質で作り、どう使えば安全か、という所までまとめて審査されて、はじめて医薬品として世に出ます。
手作りの化粧水やハーブの液については育毛剤は手作りできるかで紹介しています。この記事は、医薬品である「発毛剤」にしぼってお話ししますね。
発毛剤と呼べるのはどんな物?承認の仕組み
医薬品医療機器等法の14条には、医薬品の製造販売をしようとする者は、品目ごとに厚生労働大臣の承認を受けなければならない、と書かれています。発毛剤も、この承認を受けた医薬品です。
承認の審査では、名称・成分・分量・用法・用量・効能・効果・副作用など、品質と有効性と安全性に関わることが見られます。申請した効能があると認められない時や、効能にくらべて有害な作用が強すぎる時は、承認されません。
| 審査で見られること | どういう意味か | 手作りの液では |
|---|---|---|
| 成分と分量 | 何がどれだけ入っているか | 量を正しく量れているか確かめようがない |
| 品質 | いつ作っても同じ物になるか | 作るたびに中身がぶれやすい |
| 用法・用量 | 1日何回、1回どれだけ使うか | 安全に使える量の根拠がない |
| 効能・効果 | 何に効くと書いてよいか | 効き目を書ける根拠がない |
| 副作用 | どんな体の変化に気をつけるか | 起きた時の目安が分からない |
PMDA(医薬品医療機器総合機構)では、薬学や医学などの専門の審査員がチームを作って審査し、最終的な承認は厚生労働大臣が行います。つまり発毛剤は、たくさんの人の目で確かめられた物なんです。
「発毛剤」は承認された効能の言葉
ミノキシジル5%の外用液(一般用医薬品)の効能・効果は「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防。」です。この言葉は、承認を受けた医薬品だから書ける表示です。
手作りの液に、この効能を当てはめて考えることはできません。同じ成分の名前が入っていても、審査を受けていない物には、効き目の根拠がないからです。
発毛剤という医薬品のあらましは発毛剤とはで紹介しています。
作る・売る・広める時の決まり
医薬品には、作ることにも、売ることにも、広告することにも決まりがあります。法律の言葉はかたいので、場面ごとに表にしました。
| 場面 | 法律の決まり(要約) | 条文 |
|---|---|---|
| 業として作る | 製造業の許可を受けた者でなければ、医薬品を製造してはならない。許可は製造所ごと | 13条 |
| 業として世に出す | 製造販売業の許可を受けた者でなければ、製造販売をしてはならない | 12条 |
| 品目を出す | 品目ごとに厚生労働大臣の承認を受ける | 14条 |
| 売る・渡す | 薬局や医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として販売・授与してはならない | 24条 |
| 承認のない物を扱う | 承認に反して製造販売された医薬品は、販売・授与・陳列してはならない | 55条 |
| 広める | 承認前の医薬品の効能などを広告してはならない。虚偽・誇大な広告もしてはならない | 68条・66条 |
表のとおり、法律の許可や承認は「業として」作る・売る時の決まりが中心です。自分で混ぜて自分の頭皮に塗ることまで、この表で細かく書かれているわけではありません。
ただ、決まりにふれないことと、安心して使えることは別の話なんです。自分用であっても、品質や量の確かめようがない物を、毎日頭皮に塗ることになります。
- 作った液を「発毛剤」として友人に分けたり、フリマで売ったりする
- SNSやブログで「これで髪が増える」と効き目を書いて作り方を広める
- 家族の分をまとめて作って渡す
手作りの化粧品でも、人へのプレゼントや販売は許可が必要な扱いになると、岡山県や三重県が案内しています。効き目をうたう物なら、なおさら気をつけたいところです。
ネットで「手作り発毛剤」の作り方を見かけた時
動画やブログで、作り方を紹介しているのを見かけることがあるかもしれません。読む時は、次の点を気にしてみてください。
- 「発毛」「髪が増える」など、医薬品の効能のような言葉を使っていないか
- 材料の入手先として、海外の医薬品や成分を案内していないか
- 肌に合わなかった時の対処や、相談先が書かれているか
医薬品等適正広告基準では、効き目を確実だと保証するような表現は認められていません。強い言葉が多い情報ほど、一歩引いて読むくらいがちょうどいいですよ。
手作りの液に足りないもの
手作りの液と、承認された発毛剤を並べてみると、違いは成分よりも「その周り」にあることが分かります。
- 審査を通った成分・分量・品質
- 用法・用量と使用上の注意が書かれた説明書
- 買う時の薬剤師からの説明
- 副作用が出た時の相談先と公的な救済制度
- 中身が毎回同じだと確かめる方法
- 安全に使える量の目安
- 使う前に説明してくれる人
- 重い副作用が出た時の公的な救済の枠
医薬品副作用被害救済制度という公的な仕組みがあり、医薬品を適正に使っても重い健康被害が出た時に、医療費などが給付されます。対象は、製造販売の承認・許可を受けた医薬品とされています。
自分で混ぜた液は、承認を受けた医薬品ではありません。万が一の時に頼れる仕組みが、手作りにはないんです。
説明書に書かれていることも大きい
発毛剤の説明書には、使えない人、使えない頭皮の状態、やめて相談する目安などが細かく書かれています。例えば、きずや湿疹、赤みがある頭皮には使わないことや、頭痛やめまいなどが出たら使うのをやめて相談することです。
こうした注意は、審査と販売後の情報を重ねてできた物です。手作りでは、この「やめどき」の目安を自分で決めなければならなくなります。
| 説明書の欄 | 書かれていることの例 | 手作りで困ること |
|---|---|---|
| 使用しない人 | 女性(男性用の製品)、20歳未満の人、壮年性脱毛症ではない脱毛症の人など | 自分が使ってよい人かが分からない |
| 使用しない部位 | きず、湿疹あるいは炎症(発赤)等がある頭皮 | 頭皮の状態で止める判断が難しい |
| 相談すること | 6ヵ月使って改善が認められない時、脱毛状態の悪化 | 何を目安に見直すかが決まらない |
| 保管 | 小児の手の届かない所、他の容器に入れ替えない、火気に近づけない | 容器や置き場所の注意が抜けやすい |
作り置きの保存も心配になる
市販の医薬品には、保管の仕方や使用期限が決められています。手作りの液は、どのくらいの期間なら品質が変わらないのかが分かりません。
容器や手から雑菌が入ることもあります。『見た目が変わっていないから大丈夫』と思っても、中身が変わっていないとは言えないんです。
発毛剤の成分を取り寄せて混ぜるのは?
『成分だけ海外から買って、薄めればいいのでは』と考える方もいるかもしれません。これはおすすめできません。
厚生労働省は、医薬品の個人輸入には健康被害などの危険があり、通常はメリットよりも危険性のほうが大きい場合が多い、と注意を呼びかけています。個人輸入される医薬品は、日本の法律にもとづく品質や安全性の確認がされておらず、偽造品のおそれもあるとしています。
- 表示が外国語で、正しく読み取りにくい
- 品質や中身が表示どおりか分からない
- 個人輸入の品で体に害が出た時は、医薬品副作用被害救済制度の枠に入らない
- 取り寄せた物を他の人に売る・譲ることは認められていない
成分の粉や原液を自分で量って薄めるとなると、量の誤りがそのまま体への負担につながります。ミノキシジルが第1類医薬品に区分された理由として、審議会の資料には循環器系の副作用に最も注意すべきとの記載が引用されています。
海外の医薬品や個人輸入の注意は育毛剤の海外品・個人輸入でも紹介しています。
「海外では普通に売っている」と言われたら
厚生労働省の情報サイトでは、海外で食品として売られている製品でも、医薬品の成分が入っていたり、医薬品のような効き目をうたっていたりする物は、日本では医薬品に当たる場合があると説明しています。
海外で手軽に買えることと、日本で安心して使えることは同じではありません。迷った時は、成分表の写真を持って薬剤師に聞いてみてください。
本物の発毛剤を見分ける手順
手作りをやめて市販の発毛剤を考えるなら、次は「承認された物かどうか」を見分ける番です。ネットで買う時は特に、ひと手間かけて確かめてみてください。
- 箱や商品ページに「第1類医薬品」の表示があるかを見る
- 販売名と製造販売元の会社名を控える
- PMDAの一般用医薬品の添付文書検索で、販売名を入れて調べる
- 通販なら、厚生労働省の「一般用医薬品の販売サイト一覧」で届け出のあるサイトか確かめる
- 買う時に薬剤師から説明を受け、書面を受け取る
第1類医薬品は、薬剤師が販売し、使う人の年齢や他の薬の使用状況を確かめてから、書面で説明することになっています。説明を受けられない売り方をしている所は、立ち止まって考えたいですね。
「発毛」と書かれた物がすべて発毛剤とは限らない
育毛剤(医薬部外品)の効能の範囲にも「発毛促進」という言葉があります。言葉が似ていても、こちらは医薬部外品の範囲の表示です。
区分は、箱の「第1類医薬品」「医薬部外品」の表示で見分けられます。名前の雰囲気ではなく、表示の欄を見る習慣をつけておくと迷いにくくなりますよ。
| 箱の表示 | どんな物か | 買う時 |
|---|---|---|
| 第1類医薬品 | 承認された発毛剤など | 薬剤師から説明を受ける |
| 医薬部外品 | 育毛剤(薬用育毛剤)など | 一般の棚で買える物が多い |
| 表示なし(化粧品) | ヘアトニックやスカルプエッセンスなど | 一般の棚で買える |
育毛剤えらび
買う前に、育毛剤の選び方を確認
医薬部外品の育毛剤・医薬品の発毛剤・頭皮用化粧品の違いと、成分・使い心地・続けやすさ・買い方から自分に合う1本を選ぶ時に見ておきたいポイントをまとめました。
無料育毛剤の選び方を見る薬剤師への聞き方の例
いきなり「発毛剤をください」と言いにくい方は、相談から入っても大丈夫です。例えばこんな言い方です。
「抜け毛が気になっていて、発毛剤を使うか迷っています。自分が使える物かどうか、聞いてもいいですか」
薬剤師からは、年齢や飲んでいる薬、頭皮の状態などを聞かれます。答えにくいことがあれば、その場で無理に決めなくてかまいません。
手作りの代わりにできる頭皮ケア
手作りを考えた背景には、『少しでも自分で何かしたい』という気持ちがあるのではないでしょうか。その気持ちは、毎日の頭皮ケアに向けることもできます。
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aでは、これをすれば髪が抜けなくなるという特別な予防法があるわけではない、としたうえで、毎日の注意を挙げています。
- 頭皮がかさつきすぎず、べたつきすぎない間隔で洗う
- 髪を強く引っぱる髪型を続けない
- 極端に頻繁なカラーリングは避ける
- 偏りの少ない食事と、毎日同じリズムの生活を心がける
- 抜け毛が気になる時は、皮膚科で相談する
市販の物を使いたい時は、育毛剤(医薬部外品)を選ぶか、発毛剤を薬剤師に相談して選ぶ、の2つの道があります。どちらも、箱の区分と使用上の注意を読むところから始めてみてください。
育毛剤の基本は育毛剤とはにまとめています。
頭皮を洗う時の手順
手作りの液を塗る代わりに、まずは毎日の洗い方を整えてみるのも一つの方法です。特別な道具はいりません。
- 洗う前に、ブラシで髪のからまりをほどく
- ぬるめのお湯で、頭皮まで十分にぬらす
- シャンプーは手のひらで泡にしてから、指の腹で地肌をなでるように洗う
- 生え際や耳のうしろも、泡が残らないようによくすすぐ
- タオルで押さえるように水気をとり、ドライヤーで乾かす
爪を立ててこすると、頭皮に小さな傷ができることもあります。指の腹でやさしく、を意識してみてくださいね。
費用が理由で手作りを考えていた時
費用が気になって手作りを考えた方は、1か月あたりにかかる費用で比べ直してみるのがおすすめです。内容量と1日の使用量から、1本で何日もつかを出せば、1か月あたりの費用が分かります。
金額は時期や買い方で変わるので、公式の価格ページで最新の値段を確かめてくださいね。
手作りの話で出てくる言葉
締めくくりに、手作りの話で出てきた言葉を表にしました。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 医薬品医療機器等法 | 医薬品・医薬部外品・化粧品などの品質や安全を守るための法律 |
| 承認 | 品目ごとに、品質・有効性・安全性を審査して国が認めること |
| 製造販売 | 作った物や輸入した物を、責任をもって世に出すこと |
| 製造業の許可 | 医薬品などを作る所ごとに受ける許可 |
| 第1類医薬品 | 薬剤師だけが売ることができ、書面での説明がいる一般用医薬品 |
| 添付文書 | 医薬品の説明書。用法・用量や使用上の注意が書かれている |
| 個人輸入 | 自分で使うために海外から取り寄せること |
よくある質問
発毛剤と同じ成分を使えば、手作りでも同じ物になりますか?
なりません。医薬品は成分だけでなく、分量・品質・用法・副作用まで審査されて承認されます。自分で混ぜた液は、その審査を通っていません。
自分で作って自分で使うだけなら問題ないですか?
法律の許可や承認は、業として作る・売る場合の決まりが中心です。ただ、品質や安全な量を確かめられない物を頭皮に塗ることになるので、おすすめはできません。
手作りの液を「発毛剤」として友人にあげてもいいですか?
避けてください。医薬品の販売・授与や効き目をうたうことには、法律の決まりがあります。手作りの化粧品でも、人へのプレゼントは許可が必要な扱いと案内されています。
手作りの育毛ローションなら大丈夫ですか?
手作りの液には、承認された効能がありません。肌トラブルや保存の注意もあるので、手作りの化粧水の話は別の記事で詳しく紹介しています。
市販の発毛剤を薄めて量を増やしてもいいですか?
しないでください。発毛剤は説明書の用法・用量どおりに使う物です。量や使い方を変えたい時は、買った店の薬剤師に相談しましょう。
発毛剤が高いので、代わりに育毛剤を手作りするのはどうですか?
手作りの液には、育毛剤(医薬部外品)としての効能もありません。費用が気になる時は、1か月あたりの費用で市販品を比べ直すか、薬剤師に続け方を相談してみてください。
手作りの液を塗って頭皮が赤くなりました。どうすればいいですか?
使うのをやめて、頭皮を洗い流してください。赤みやかゆみが続く時は、使った材料のメモを持って皮膚科で相談しましょう。
まとめ
- 発毛剤は、品目ごとに国の承認を受けた医薬品で、手作りはできない
- 承認では成分・分量・用法・効能・副作用などが審査される
- 作った物を人に渡す・売る・効き目を書いて広めるのは避ける
- 成分の個人輸入は、品質や安全性の確認がなく救済制度の対象外
- 市販の発毛剤は第1類の表示と販売名で、承認された物か確かめる
- 手作りの代わりに、毎日の頭皮ケアを見直してみる





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