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「ヘパリン類似物質を頭皮に塗ると育毛にいいらしい」という話を見かけて、気になっている方もいるはずです。保湿剤として家にあると、なおさら試したくなりますよね。
結論から言うと、ヘパリン類似物質は主に保湿剤の有効成分として、医薬品や医薬部外品に使われている成分です。育毛剤(医薬部外品)で表示が認められている効能とは、目的が違うんです。
この記事を読むと、ヘパリン類似物質と育毛剤の関係を、区分と成分表示の見方から整理できます。頭皮の保湿ケアと、使う前に相談したいことも分かります。
ヘパリン類似物質と育毛剤の関係は?先に答え
『保湿にいい成分なら、頭皮にもいいはず』と考えるのは自然なことです。まずは答えを短くまとめておきます。
- ヘパリン類似物質は、乾燥した肌などに使う保湿剤の有効成分として使われている
- 一般用医薬品(第2類医薬品)にも、医薬部外品の化粧水などにも使われている
- 一般用医薬品の保湿剤の効能は、乾皮症や手指のあれなど肌の乾燥に関わるもの
- 育毛剤(医薬部外品)の効能の範囲は、育毛や脱毛の予防などで、目的が別
- 頭皮に使いたい時は、まず薬剤師や登録販売者に相談する
この記事では、ヘパリン類似物質が育毛に効くかどうかは扱いません。区分ごとに何が表示されているか、という事実から見ていきますね。
ヘパリン類似物質はどんな区分で使われている?
実は、ヘパリン類似物質は1つの区分だけで使われている成分ではありません。同じ名前の成分でも、商品の区分によって、目的や表示できることが変わります。
| 区分 | 主な商品のタイプ | 買い方 |
|---|---|---|
| 医療用医薬品 | 病院で処方される保湿剤 | 医師の処方が必要 |
| 一般用医薬品(第2類医薬品) | ドラッグストアの保湿剤(クリーム・ローション等) | 薬剤師や登録販売者がいる売り場で買える |
| 医薬部外品 | 薬用の化粧水など | ドラッグストアや通販で買える |
健栄製薬の公式のQ&Aでは、同じヘパリン類似物質を有効成分にした商品でも、医薬品の物は「肌が乾燥している方に」、医薬部外品の物は「美容や毎日のスキンケアに」と分けて案内されています。区分によって、使う目的がはっきり違うことが分かりますね。
病院で処方される物は、その人の肌を診たうえで出される医薬品です。家族に処方された物を自分の頭皮に使うのは、やめておきましょう。
子どもや妊娠中・授乳中の方は
保湿剤は家族みんなで使うこともありますよね。ただ、子どもの頭皮に使う時や、妊娠中・授乳中の方が使う時は、使う前に医師か薬剤師に相談しておくと安心です。
一般用医薬品の添付文書には、小児に使わせる時は保護者の指導監督のもとで、という注意も書かれています。家族で使う時ほど、箱の注意書きを一度読んでおきましょう。
頭皮用として案内されている医薬品もある
一般用医薬品の中には、乾燥した頭皮のかゆみ向けとして案内されている、ヘパリン類似物質を含む第2類医薬品もあります。この場合も、表示されている効能は「かゆみを伴う乾燥性皮膚」などの肌の乾燥に関わる内容です。
頭皮に使えると案内されていても、育毛の効能が表示されているわけではありません。ここは混同しないようにしておきたいところです。
成分表示のどこを見る?見方の手順
『手元の商品にヘパリン類似物質が入っているか知りたい』という時は、成分表示の欄を見ます。どの欄に書かれているかで、その商品での扱いが分かるんです。
- 箱や容器の表の面で、区分(第2類医薬品・医薬部外品など)の表示を見る
- 医薬品なら「成分・分量」の欄、医薬部外品なら「有効成分」の欄を見る
- 有効成分の欄に無い時は、「その他の成分」や全成分の欄を見る
- 「効能・効果」の欄で、何のための商品として表示されているかを見る
- 「使用上の注意」の欄で、使えない人や使えない部位を確かめる
| 書かれている欄 | 意味 | 読み方 |
|---|---|---|
| 成分・分量(医薬品) | 効き目のもとになる成分と量 | 効能・効果の欄とセットで読む |
| 有効成分(医薬部外品) | 表示された効能のもとになる成分 | その商品の効能の範囲だけで考える |
| その他の成分 | 有効成分以外の成分 | 配合の目的は商品ごとに違う |
| 効能・効果 | 何のための商品か | 書かれていない効能を足して考えない |
育毛剤の場合は、有効成分の欄にセンブリエキスやグリチルリチン酸ジカリウムなどが並ぶことが多いです。手元の育毛剤にヘパリン類似物質が書かれているかどうかは、この欄で確かめてみてください。
育毛剤の成分の見方は、育毛剤の成分はどう作用する?でも紹介しています。
「ヘパリン」と「ヘパリン類似物質」は別の名前
検索すると「ヘパリン」とだけ書かれていることもありますよね。成分表示では「ヘパリン類似物質」という名前で書かれているので、箱を見る時はこの名前で探してみてください。
名前の一部だけで判断せず、表示されている名前をそのまま確かめるのが、取り違えないコツです。
保管のしかたも箱で確かめる
一般用医薬品の保湿剤の添付文書には、直射日光の当たらない涼しい所に密栓して保管する、ほかの容器に入れ替えない、といった注意も書かれています。使用期限を過ぎた物は使わないことも、案内の一つです。
洗面所に育毛剤と並べて置いている方は、取り違えないように置き場所を分けておくと安心ですよ。
表示されている効能の違いを知っておこう
ヘパリン類似物質を含む保湿剤と、育毛剤では、箱に書かれる効能がまったく違います。並べてみると、目的の違いがよく分かりますよ。
| 項目 | 一般用医薬品の保湿剤の例 | 医薬部外品の育毛剤 |
|---|---|---|
| 区分 | 第2類医薬品 | 医薬部外品 |
| 効能・効果 | 手指のあれ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症、乾皮症、小児の乾燥性皮膚 など | 育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛 の範囲 |
| 使い方 | 1日1〜数回、適量を患部にすりこむ など | 商品ごとの使用方法に従って頭皮に |
| 使えない部位の例 | 目や目の周囲、粘膜 | 頭皮に傷や湿疹がある時は使わない など |
左の保湿剤の効能は、PMDAに載っている一般用医薬品の添付文書の一例です。「育毛」や「脱毛の予防」は、この中に入っていません。
医薬品・医薬部外品の区分の違いは、育毛剤は医薬品・医薬部外品のどちら?で詳しく紹介しています。
書かれていない効能を足して考えない
成分が同じでも、効能は商品ごとに承認された範囲で決まっています。保湿剤に書かれていない「育毛」を、自分で足して考えないようにしましょう。
反対に、育毛剤の箱に「保湿」と書かれていなくても、その他の成分に保湿の成分が入っていることはあります。どちらも、表示の欄をそのまま読むのがいちばん確かです。
頭皮の乾燥が気になる時の保湿ケア
『頭皮がカサカサして、フケのような白い粉が出る』と悩んでいる方もいますよね。まずは、毎日の洗い方と乾かし方を見直してみてください。
皮膚科Q&A(日本皮膚科学会)にも、乾燥しすぎず、油っぽくもならない頻度で頭皮を洗うよう書かれています。
- 熱すぎるお湯で洗っていないか
- 1日に何度も洗っていないか
- 爪を立ててゴシゴシ洗っていないか
- すすぎ残しがないか
- 洗った後、ドライヤーの熱を同じ所に当て続けていないか
洗い方を見直しても乾燥やかゆみが続く時は、皮膚科で相談しましょう。乾燥に見えても、湿疹やかぶれなど別の理由のこともあるからです。
乾かし方も頭皮の乾燥に関わる
ドライヤーを頭皮の近くで長く当てると、乾かしすぎてしまうことがあります。少し離して、根元から全体に風を当てるようにしてみてください。
濡れたまま寝てしまうのも、頭皮にとってうれしくない習慣です。洗ったら早めに乾かす、を毎日の流れにしておくと続けやすいですよ。
頭皮に使う物を選ぶ時の目安
頭皮の乾燥やかゆみが気になる時は、頭皮用と案内されている物を選ぶのが基本です。顔や体用の保湿剤を頭皮に使いたい時は、頭皮に使えるかを薬剤師さんに聞いてから使いましょう。
育毛剤の中には、ふけ・かゆみの効能が表示されている物もあります。乾燥とあわせて抜け毛も気になる時は、こうした表示も見比べてみてください。
頭皮に使う前に薬剤師に相談したいこと
ヘパリン類似物質を含む一般用医薬品には、使ってはいけない人や部位が決められています。PMDAに載っている添付文書の一例から、主な注意をまとめました。
| 注意の内容 | 添付文書の例 |
|---|---|
| 使用しない人 | 血友病・血小板減少症・紫斑病などの出血性血液疾患の人、わずかな出血でも重大な結果をきたすことが予想される人 |
| 使用しない部位 | 目や目の周囲、粘膜 |
| 使う前に相談する人 | 医師の治療を受けている人、薬などでアレルギー症状を起こしたことがある人、湿潤やただれのひどい人 |
| 使った後に相談する時 | 発疹・発赤、かゆみ、はれ、紫斑が出た時は、直ちに中止して外箱を持って相談 |
| 続けても良くならない時 | 5〜6日間使っても症状がよくならない時は中止して相談 |
出血しやすい人が使えないのは、血液が固まるのを抑える働きがあり、出血を助長するおそれがあるためと説明されています。持病がある方や、血をさらさらにする薬を飲んでいる方は、使う前に相談してください。
「肌に塗る保湿剤だから大丈夫」と、注意書きを読まずに頭皮や顔に広く使ってしまう。生え際から額に流れると、目の周りに付くこともあるので気をつけましょう。
相談する時はこう聞いてみよう
ドラッグストアでは、薬剤師さんや登録販売者さんに相談できます。聞き方に迷ったら、こんな言い方で大丈夫です。
「頭皮が乾燥してかゆいです。ヘパリン類似物質の保湿剤を頭に使ってもいいですか? 血液の病気はありません。」
飲んでいる薬がある時は、お薬手帳を見せると話が早いですよ。
病院で治療を受けている方は、「通っている病院で塗り薬が出ています」と一言添えておきましょう。同じ場所に重ねて使ってよいかも、その場で確かめられます。
「ヘパリンで育毛」という話との付き合い方
ネットでは、ヘパリン類似物質を頭皮に塗ると育毛にいい、という話を見かけることがあります。『それなら育毛剤の代わりに使えるかも』と思ってしまいますよね。
ただ、医薬品医療機器等法では、医薬品や医薬部外品の効能について、虚偽や誇大な広告をすることが禁じられています。承認された効能の範囲を超えて「育毛に効く」とうたう広告は、認められていないんです。
| 見かける話 | 考え方 |
|---|---|
| 保湿剤を頭皮に塗ると育毛にいい | 保湿剤の効能に育毛は表示されていない |
| 病院でもらった保湿剤を頭に使えばいい | 処方された本人の症状のための物。自己判断で使わない |
| 研究で髪にいいと分かった | 研究の話は、商品の効能とは別に考える |
| 育毛剤より安く済む | 目的の違う商品で、育毛剤の代わりにはならない |
抜け毛や薄毛が気になる時は、医薬部外品の育毛剤の効能の範囲を知って選ぶのが近道です。治療を考えたい時は、医療機関で相談しましょう。
SNSで「塗ってみた」という投稿を見た時は
SNSには、保湿剤を頭に塗ってみたという投稿もあります。でも、医薬品や医薬部外品の体験談は、効き目の裏付けにはならないと考えられています。
投稿に「PR」や「広告」の表示がないかも見てみてください。気になった話は、自分で試す前に薬剤師さんに聞いてみるのがいちばん安全です。
育毛剤えらび
買う前に、育毛剤の選び方を確認
医薬部外品の育毛剤・医薬品の発毛剤・頭皮用化粧品の違いと、成分・使い心地・続けやすさ・買い方から自分に合う1本を選ぶ時に見ておきたいポイントをまとめました。
無料育毛剤の選び方を見る育毛剤と保湿剤を両方使いたい時は
頭皮の乾燥は保湿剤で、抜け毛は育毛剤で、と考える方もいるはずです。両方を同じ頭皮に使いたい時は、順番や間隔を薬剤師さんに確かめてからにしましょう。
2つを同時に始めると、合わなかった時にどちらが原因か分からなくなります。始める時期をずらしておくのも、一つの方法です。
状況別:頭皮が気になる時の相談先
頭皮の悩みは、乾燥なのか、かゆみなのか、抜け毛なのかで相談先が変わります。迷った時の目安を表にしました。
| 気になること | まずすること | 相談先 |
|---|---|---|
| 頭皮がカサカサする | 洗い方と乾かし方を見直す | ドラッグストアの薬剤師・登録販売者 |
| かゆみや赤みが続く | 新しい物を足さずに様子を見る | 皮膚科 |
| フケが急に増えた | 使っている物を記録する | 皮膚科 |
| 抜け毛やボリュームも気になる | 育毛剤の効能の範囲を知る | 薬剤師・皮膚科 |
| 持病がある・薬を飲んでいる | 保湿剤や育毛剤を使う前に相談 | 主治医・薬剤師 |
| 使った後に発疹やはれが出た | 使うのをやめる | 医師・薬剤師(外箱を持って) |
抜け毛が気になる時について、日本皮膚科学会は皮膚科などの専門の医療機関で診てもらい、対策を知るよう案内しています。自分だけで抱えこまずに、早めに相談してみてください。
よくある質問
ヘパリン類似物質は育毛剤ですか?
いいえ。ヘパリン類似物質は、主に保湿剤の有効成分として医薬品や医薬部外品に使われている成分です。育毛剤として育毛の効能が表示されている成分ではありません。
ヘパリン類似物質の保湿剤を頭皮に使ってもいいですか?
頭皮用として案内されている一般用医薬品もありますが、使えない人や部位の決まりがあります。使う前に、薬剤師や登録販売者に相談してください。
病院でもらった保湿剤を頭に使ってもいいですか?
処方された保湿剤は、診察を受けた本人の症状のための医薬品です。頭皮に使いたい時は、処方した医師に相談しましょう。
育毛剤にヘパリン類似物質は入っていますか?
商品によって違うので、手元の育毛剤の有効成分とその他の成分の欄を見てください。入っていても、その育毛剤で表示されている効能の範囲で考えます。
医薬部外品のヘパリン類似物質入りの化粧水は頭皮に使えますか?
顔や体用として販売されている物は、頭皮に使う前提で作られていないこともあります。頭皮に使えるかは、販売元の窓口で確かめてから使いましょう。
ヘパリン類似物質の保湿剤と育毛剤は一緒に使えますか?
同じ頭皮に使う時の順番や間隔は、商品によって考え方が違います。両方使いたい時は、使う前に薬剤師に確かめ、始める時期もずらしておくと安心です。
頭皮の乾燥とかゆみが続きます。どうすればいいですか?
洗い方や乾かし方を見直しても続く時は、皮膚科で相談するのがおすすめです。湿疹やかぶれなど、別の理由のこともあります。
まとめ
- ヘパリン類似物質は、保湿剤の有効成分として医薬品や医薬部外品に使われている
- 一般用医薬品の保湿剤の効能は肌の乾燥に関わる内容で、育毛は含まれない
- 成分表示は、区分・有効成分・効能・効果・使用上の注意の順に読む
- 出血しやすい人や目の周りなど、使えない人や部位の決まりがある
- 頭皮に使いたい時や持病がある時は、使う前に薬剤師や医師に相談する
育毛剤そのものの基本は、育毛剤とはどんな商品?特徴は?で紹介しています。





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