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ネットや知り合いとの会話で、『発毛剤なんて存在しない』という話を聞いたことはありませんか。それなら何を信じて選べばいいのか、分からなくなってしまいますよね。
結論から言うと、「発毛」の効能を表示できる医薬品は、日本で実際に売られています。ただし、すべての人に効く物ではなく、使える人や買い方にも決まりがあります。
ここでは、発毛の効能が認められた区分と、育毛剤との違い、誤解が生まれる理由をお話ししますね。
「発毛剤は存在しない」は本当?先に答え
- 発毛の効能を表示できる一般用医薬品(第1類医薬品)は、日本で承認されて売られている
- 医薬部外品の育毛剤は「発毛促進」などの範囲で効能を表示でき、「発毛剤」とは区分が違う
- 化粧品は、育毛も発毛もうたえない
- どの区分にも全員に効く物はなく、効き方には個人差がある
『存在しない』という言葉は、話す人によって指している中身が違うことが多いんです。何を指して「ない」と言っているのかを分けて考えると、すっきりしますよ。
| よく聞く言い方 | 実際のところ |
|---|---|
| 発毛剤なんて存在しない | 発毛の効能を表示できる医薬品はある |
| 塗れば生える薬はない | すべての人に効く物はない、という意味なら近い |
| 育毛剤で髪は生えない | 育毛剤は医薬部外品で、効能の表示は決められた範囲 |
| 化粧品で発毛は無理 | 化粧品は育毛も発毛もうたえない |
「存在しない」と聞いて不安になった時は
『今使っている育毛剤も、意味がないのかな』と不安になった方もいるかもしれませんね。まずは、手元の商品の箱を見て、区分の表示を確かめてみてください。
医薬部外品と書かれていれば、それは育毛剤です。効能の欄に書かれた範囲のことを目的にした商品で、発毛剤とは役割が違う、と考えると気持ちの整理がつきやすいですよ。
「発毛」の効能が認められているのはどの区分?
頭皮に使う物は、医薬品・医薬部外品・化粧品の3つの区分に分かれます。区分によって、表示できる効能の範囲がはっきり決まっているんです。
| 区分 | 表示できる効能の例 | 買う時の決まり |
|---|---|---|
| 医薬品(第1類の発毛剤) | 壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防(製品の例) | 薬剤師から書面で説明を受けて買う |
| 医薬部外品(育毛剤) | 育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛 | 特別な手続きはない |
| 化粧品(ヘアトニックなど) | 頭皮・毛髪をすこやかに保つ、フケ・カユミを抑える など | 育毛も発毛もうたえない |
医薬品の効能は、製品ごとに承認された内容です。表の医薬品の欄は、ミノキシジルを有効成分とする外用液(一般用医薬品)の添付文書に書かれた効能・効果の例になります。
育毛剤(医薬部外品)がうたえる効能のおおよその範囲は、厚生労働省の通知に載っています。化粧品については、東京都の講習会の資料に「化粧品では、育毛の標ぼうは一切不可」と書かれています。
医薬品・医薬部外品・化粧品の線引きは、医薬品と医薬部外品の違いで詳しく説明しています。
医薬品の発毛剤はどこで売られている?
第1類医薬品は、薬局や店舗販売業の許可を受けたお店で、薬剤師が売る決まりです。店頭では、薬剤師がいない時間には買えない、と案内しているメーカーもあります。
インターネットでも、許可を受けた実店舗が決まりにそって売ることができます。販売サイトには、許可の区分や薬剤師の氏名、相談できる時間などを表示することになっています。
| 買う場所 | 確かめたいこと |
|---|---|
| 薬局・ドラッグストアの店頭 | 薬剤師がいる時間か |
| 通販の販売サイト | 許可の区分・薬剤師の表示・厚生労働省の販売サイト一覧 |
皮膚科の解説でも名前が挙がる
日本皮膚科学会の一般向けQ&Aでは、男性型脱毛症の治療として外用療法・内服療法・自家植毛術が挙げられています。外用では、ミノキシジルがもっとも薦められる薬剤とされています。
つまり、医療の場でも、塗る薬として扱われている成分があるということです。ただ、自分に合うかどうかは、医師や薬剤師と相談して決めることになります。
「発毛剤」と「発毛促進」はどう違う?
ここが一番まぎらわしいところです。医薬部外品の育毛剤の効能にも、「発毛促進」という言葉が入っているんですね。
法律では、医薬部外品は人の体への作用が緩和な物と定められています。同じ「発毛」という文字が入っていても、医薬品の「発毛」と医薬部外品の「発毛促進」は、区分も重みも違うと考えてください。
例えば、こんな会話になることがあります。
「この育毛剤、箱に発毛促進って書いてあるから発毛剤だよね?」
「医薬部外品って書いてあるから、発毛剤とは別の区分の育毛剤ですよ」
箱の「医薬部外品」か「第1類医薬品」かの表示を見れば、すぐに見分けられます。
区分の表示は箱のどこにある?
区分の表示は、箱の正面の隅や、裏面の成分の近くに書かれていることが多いです。第1類医薬品の箱には、リスク区分の表示があります。
通販で買う時は、商品ページの名前の近くや、商品情報の欄を見てみてください。見つからない時は、注文の前に販売元に「区分は何ですか」と聞いてしまうのがいちばん早いですよ。発毛剤と育毛剤の違いをもっと知りたい方は、育毛剤と発毛剤の違いをどうぞ。
どうして「発毛剤は存在しない」と言われるの?
発毛剤があるのに、「存在しない」という話が広がるのには、いくつかの理由があります。
| 誤解が生まれる理由 | 中身 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 効き方に個人差がある | 添付文書にも、すべての人に効果があるわけではないと書かれている | 添付文書の「相談すること」を読む |
| 使えない人がいる | 女性や20歳未満などを、使用しない人とする製品がある | 添付文書の「してはいけないこと」 |
| やめると元に戻ると書かれている | 使用を中止すると徐々に元に戻る、とする添付文書がある | 続ける前提で考えられるか |
| 育毛剤と混同している | 医薬部外品の育毛剤に「発毛」と思って期待した | 箱の区分の表示 |
| 化粧品の広告と混同している | 化粧品は育毛をうたえないのに、そう読める広告を見た | 区分と効能の欄 |
| 個人輸入品の話と混ざる | 国内で承認されていない海外品の話 | PMDAの添付文書検索 |
『使ったけど変わらなかったから、発毛剤なんて嘘』という声には、効き方の個人差や、使える期間・使い方の話が含まれていることもあります。存在するかどうかと、自分に効くかどうかは、分けて考えるのがコツです。
広告の言葉が誤解を広げることも
「これを塗れば解決」のような広告を見て期待しすぎた結果、『発毛剤なんて存在しない』と感じてしまうこともあります。医薬品や医薬部外品の広告では、効き目を保証するような言い方は、厚生労働省の適正広告基準で認められていません。
例えば、東京都の講習会の資料では、育毛剤の広告で「約90%の方に育毛効果が現れました!」のような表現が、保証にあたる例として挙げられています。効き目を約束する広告を見かけたら、一歩引いて区分と効能の欄を読み直してみてください。
「止めると戻る」の意味
ミノキシジルの外用液の添付文書には、効果がわかるようになるまで少なくとも4か月間、毎日使用すること、使用を中止すると徐々に元に戻ることが書かれています。発毛剤は、使い続けることを前提にした医薬品なんですね。
この点を知らずに始めると、『やめたら戻ったから意味がなかった』と感じやすくなります。始める前に、続けられるかどうかも考えておきましょう。
本当に医薬品の発毛剤かを確かめる手順
「発毛」とうたう商品を見かけた時、それが医薬品として承認された物かどうかは、自分で確かめられます。
- 箱や商品ページで「第1類医薬品」の表示があるかを見る
- 販売名と、製造販売元の会社名を確かめる
- PMDAの一般用医薬品の添付文書の検索で、販売名や成分名を入れて調べる
- 添付文書の効能・効果、使用しない人、用法・用量を読む
- 通販なら、厚生労働省の一般用医薬品の販売サイト一覧で販売サイトを確かめる
PMDA(医薬品医療機器総合機構)の検索では、販売名・成分名・効能効果・メーカー名・リスク区分などで調べられます。検索してみて見つからない商品は、国内で承認された一般用医薬品かどうかを、販売元に確かめたほうが安心です。
- 区分の表示が見当たらない
- 海外の言葉だけの説明で、日本語の添付文書がない
- 「誰にでも」「すぐに」のように効き目を保証する言い方
- 個人輸入や代行での購入をすすめている
個人輸入の発毛剤は別の話
海外の発毛剤を個人輸入で手に入れる話を見かけることもあります。厚生労働省は、個人輸入される医薬品は国内の法律に基づく品質・有効性・安全性の確認がされていないこと、偽造品かもしれないことを注意しています。
さらに、個人輸入品で健康被害が出ても、医薬品副作用被害救済制度は使えないとされています。国内で承認された物かどうかを確かめずに使うのはやめておきましょう。
発毛剤が気になったら、先に確かめること
発毛剤が存在すると分かると、『じゃあ発毛剤を買えばいい』と考えるかもしれませんね。ただ、発毛剤は第1類医薬品で、使う前に確かめることがいくつもあります。
| 確かめること | 確かめる場所 |
|---|---|
| 自分が使用しない人に当てはまらないか | 添付文書の「してはいけないこと」 |
| 持病や飲んでいる薬との関係 | 添付文書の「相談すること」・薬剤師 |
| 用法・用量 | 添付文書と薬剤師の説明 |
| 体調の変化が出た時の相談先 | 添付文書に書かれた相談窓口・医師・薬剤師 |
第1類医薬品は、薬剤師が年齢やほかの薬の使用状況などを確かめたうえで、書面で説明してから売る決まりです。用法・用量や使用上の注意は、添付文書と薬剤師の説明に従ってください。
使っていて体調に変化があった時は、使用を中止して、添付文書の相談先や医師・薬剤師に相談しましょう。抜け毛が急に増えた時や、丸く抜けている所がある時は、発毛剤を選ぶより先に皮膚科へ行ってください。
発毛剤そのものの説明は、発毛剤とはで詳しく紹介しています。
薬剤師に相談する時のメモ
発毛剤が気になって薬剤師に相談する時は、次のことをメモしておくと話がスムーズです。お薬手帳があれば一緒に持っていきましょう。
- 年齢と性別
- 持病と、今飲んでいる薬・使っている薬
- いつごろから、頭のどのあたりの抜け毛が気になっているか
- かゆみ・赤み・丸く抜けた所があるか
- 今使っている育毛剤やシャンプーの名前
「発毛剤を考えているんですが、私は使える側ですか?」と聞くだけでも、添付文書のどこを見ればいいか教えてもらえますよ。
育毛剤(医薬部外品)を選ぶ場合の見方
発毛剤の条件に当てはまらない方や、まず頭皮のケアから始めたい方は、医薬部外品の育毛剤を選ぶ形になります。育毛剤を選ぶ時に見たいのは、次のような点です。
| 見る所 | 見方 |
|---|---|
| 区分の表示 | 箱やページに「医薬部外品」の文字があるか |
| 有効成分 | 何が有効成分として入っているか |
| 効能・効果 | 育毛・脱毛の予防・発毛促進などの範囲のどれが書かれているか |
| 使い方 | 1日の回数と付け方を続けられるか |
| 使い心地 | 香り・アルコールの刺激・容器の形 |
| 買い方 | 単品か定期か、解約の条件 |
育毛剤の効果の考え方は、育毛剤の効果でまとめています。
育毛剤えらび
買う前に、育毛剤の選び方を確認
医薬部外品の育毛剤・医薬品の発毛剤・頭皮用化粧品の違いと、成分・使い心地・続けやすさ・買い方から自分に合う1本を選ぶ時に見ておきたいポイントをまとめました。
無料育毛剤の選び方を見るメーカーが続ける期間の目安を案内していることも
医薬部外品の育毛剤の中には、メーカーが続ける期間の目安を案内している商品があります。例えば、概ね6か月を目安に毎日続けて効果を確かめるよう書かれている物もあります。
使い始めたら、使った日や頭皮の様子を簡単に記録しておくと、続けるか見直すかを決める時の材料になりますよ。
発毛剤と育毛剤の用語集
発毛剤の話でよく出てくる言葉を、表にして並べておきますね。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 発毛剤 | 発毛の効能が承認された医薬品。一般用医薬品では第1類医薬品のものがある |
| 育毛剤 | 脱毛の防止や育毛を目的とした医薬部外品(薬用育毛剤) |
| 発毛促進 | 薬用育毛剤の効能の範囲に入っている言葉の一つ |
| 第1類医薬品 | 薬剤師が年齢などを確かめ、書面で説明してから売る一般用医薬品 |
| 添付文書 | 医薬品の効能・用法・使用上の注意が書かれた文書 |
| 壮年性脱毛症 | 発毛剤の効能の文言に出てくる脱毛の種類の言葉 |
| 有効成分 | 医薬品・医薬部外品で、効能のもとになる成分として表示される成分 |
| PMDA | 医薬品医療機器総合機構。添付文書を検索できるページを公開している |
| 個人輸入 | 海外の医薬品などを自分で使うために取り寄せること |
言葉の意味を押さえておくと、広告や会話の中の「発毛」を落ち着いて読めるようになります。
よくある質問
発毛剤は本当に存在しないのですか?
発毛の効能を表示できる一般用医薬品(第1類医薬品)は、日本で承認されて売られています。ただし、すべての人に効果があるわけではなく、使えない人の条件もあります。
育毛剤の箱に「発毛促進」とありました。発毛剤と同じですか?
同じではありません。「発毛促進」は医薬部外品の育毛剤が表示できる効能の一つで、区分は医薬部外品です。発毛剤は第1類医薬品です。
化粧品のスカルプエッセンスで発毛は期待できますか?
化粧品は育毛も発毛もうたえません。頭皮や髪をすこやかに保つなどの範囲のアイテムとして考えてください。
発毛剤を使えば、誰でも効果がありますか?
そうとは言えません。添付文書にも、すべての人に効果があるわけではないと書かれています。使う前に薬剤師に相談し、添付文書を読んでください。
女性も発毛剤を使えますか?
製品によって使える人が違い、女性を使用しない人とする製品もあります。女性向けとして案内されている製品もあるので、添付文書と薬剤師の説明で確かめてください。
海外の発毛剤なら国内の物より効きますか?
個人輸入の医薬品は、国内で品質や安全性の確認がされていません。健康被害が出ても救済制度の対象外とされているので、すすめられません。
今使っている育毛剤は、発毛剤ではないので意味がないのですか?
そうではありません。医薬部外品の育毛剤は、育毛や脱毛の予防などの範囲で効能を表示できる商品です。目的が合っているかを、効能の欄と使い方で確かめてください。
まとめ
- 発毛の効能を表示できる一般用医薬品(第1類医薬品)は日本で売られている
- 医薬部外品の育毛剤の「発毛促進」は、発毛剤とは区分が違う効能の表示
- 化粧品は育毛も発毛もうたえない
- 「存在しない」と言われる背景には、個人差・使えない人・やめると戻る・区分の混同がある
- 医薬品かどうかは、区分の表示とPMDAの添付文書の検索で確かめられる
「発毛剤は存在しない」という言葉は、半分は誤解で、半分は「全員に効く物はない」という意味を含んでいます。区分の違いを知ったうえで、迷った時は薬剤師や皮膚科に相談しながら、自分に合う方法を選んでみてくださいね。育毛剤の役割をあらためて知りたい方は、育毛剤の基本もどうぞ。





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