当サイトの記事は、編集部が公的機関・各メーカーの公式サイトで公開されている情報を調べて独自に執筆しています。
『育毛剤って、髪伸びるのかな』と気になって調べてみると、「育毛」「発毛促進」「伸びる」など似た言葉がたくさん出てきますよね。どれも同じ意味に見えて、余計に迷ってしまう方も多いはずです。
結論から言うと、育毛剤で髪は伸びるのかという疑問には、「表示の効能に『伸びる』という言葉はない」が答えになります。医薬部外品の育毛剤に表示できるのは育毛や脱毛の予防、発毛促進などの言葉で、毛が長くなる速さや長さを約束する言葉ではないんです。
この記事では、日常で使う「伸びる」と表示の効能の言葉の違い、区分ごとに言える範囲、広告で見た時のチェックをお話しします。
育毛剤で髪は伸びるのか?先に答え
- 「伸びる」は毛が長くなることを指す日常の言葉で、育毛剤の効能の表示には出てこない
- 医薬部外品の育毛剤で表示できるのは、通知にある「育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛」の範囲
- 化粧品は育毛をうたえず、頭皮や毛髪をすこやかに保つなどの範囲まで
- 広告で「伸びる」と見たら、その言葉が表示か宣伝かを分けて読む
髪そのものは、育毛剤を使っても使わなくても伸びています。日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aでは、毛は1日に約0.4mm伸びるとされていて、育毛剤の表示はこの速さについて何も言っていないんですね。
| よくある疑問 | 答え |
|---|---|
| 育毛剤の箱に「伸びる」と書いてある? | 効能・効果の欄には出てこない言葉 |
| 「育毛」と「伸びる」は同じ意味? | 違う。育毛は表示できる効能の言葉 |
| 「発毛促進」なら長くなる? | 長さや速さを約束する言葉ではない |
| 化粧品のトニックで伸びる? | 化粧品は育毛そのものをうたえない |
「伸びる」と表示の言葉は何が違う?
「伸びる」は、ふだんの会話で使う言葉です。「前髪が伸びた」「伸ばしている途中」のように、毛の長さが長くなることを指していますよね。
一方、育毛剤の箱に書かれている「育毛」「発毛促進」などは、法律と通知で決められた範囲の中から選ばれた効能の言葉です。言葉の出どころが違うので、意味もぴったりとは重なりません。
| 言葉 | ふだんの意味 | 表示での位置づけ | 「伸びる」との違い |
|---|---|---|---|
| 伸びる | 毛が長くなる | 効能の表示にはない言葉 | 長さの変化を言う日常の言葉 |
| 育毛 | 髪を育てる | 医薬部外品の育毛剤の効能の範囲 | 長さや速さの約束ではない |
| 発毛促進・毛生促進 | 毛が生えるのを促す | 医薬部外品の育毛剤の効能の範囲 | 何mm伸びるかは言っていない |
| 養毛 | 髪を養う | 医薬部外品の育毛剤の効能の範囲 | 髪の長さの話ではない |
| 脱毛の予防 | 抜け毛を防ぐ | 医薬部外品の育毛剤の効能の範囲 | 抜けるのを防ぐ話で、伸びる話ではない |
| はり・こしを与える | 髪の手ざわりや見た目 | 化粧品の効能の範囲 | 育毛の話でもない |
『じゃあ「発毛促進」は、伸びることと同じでは?』と思う方もいますよね。ただ、発毛促進は表示できる効能の範囲の言葉で、どれだけの長さになるか、どれだけ速くなるかまでは何も言っていないんです。
「伸びる」に近い言葉は商品のどこに出てくる?
箱の表のキャッチコピーや、販売ページの説明文に「伸び」という字が入っていることはあります。でも、それは効能・効果の欄ではなく、メーカーの宣伝の言葉です。
医薬品等適正広告基準の解説では、医薬部外品について、その効能効果が承認を受けたものであるかのような誤認を与えないこととされています。宣伝の言葉と、効能の欄の言葉は分けて読むようにしましょう。
「生える」「増える」も表示とは別の言葉
「伸びる」と同じように、「生える」「増える」もふだんの言葉です。医薬部外品の育毛剤で、これらの言葉を効能として言い切ることはできません。
育毛剤そのものが何をする商品かは、育毛剤の全体像をまとめた記事から読むと分かりやすいですよ。
「太くなる」「黒くなる」も同じように考える
「伸びる」と並んでよく見かけるのが、「髪が太くなる」「黒くなる」という言葉です。これらも、医薬部外品の育毛剤の効能の範囲には入っていない、ふだんの言葉です。
化粧品の効能には「毛髪にはり、こしを与える」がありますが、これは手ざわりや見た目を整える範囲の話です。髪そのものが太くなると約束する言葉ではないので、読み分けておきましょう。
「販売名」と「商品名」が違うこともある
医薬部外品の箱には、ふだん呼んでいる商品名とは別に、「販売名」が書かれていることがあります。効能・効果は、この販売名ごとに表示されているんです。
例えば、花王のブローネ 薬用育毛エッセンスは、販売名が「薬用毛髪活性エッセンスK」と案内されています。同じシリーズの別の商品と効能を取り違えないよう、手に取った物の欄で確かめてみてください。
区分ごとに、頭髪について言える範囲の違い
同じ「育毛」の棚に並んでいても、商品の区分によって言える範囲はまったく違います。医薬品医療機器等法では、3つの区分が次のように決められています。
| 区分 | 法律での位置づけ(要約) | 頭髪について言える範囲 | 言えないこと |
|---|---|---|---|
| 医薬品(発毛剤など) | 病気の治療や予防、体の構造・機能に影響を与えることが目的の物 | 承認された効能。ミノキシジル配合の物は「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防。」 | 承認された範囲を超えること |
| 医薬部外品(薬用育毛剤) | 人体への作用が緩和な物。使用目的に「脱毛の防止、育毛又は除毛」がある | 育毛・薄毛・脱毛の予防・発毛促進といった範囲 | 特定の症状への効果など医薬品の効能 |
| 化粧品(ヘアトニック・頭皮用美容液) | 皮膚や毛髪を健やかに保つためなどの物で、作用が緩和な物 | 頭皮・毛髪をすこやかに保つ、はり・こしを与えるなど56項目の範囲 | 育毛をうたうこと |
東京都の広告講習会の資料にも、「化粧品では、育毛の標ぼうは一切不可。」とはっきり書かれています。化粧品のトニックで「育毛」「伸びる」と言い切っていたら、立ち止まって区分を確かめたいところです。
医薬品でも「伸びる」とは書かれていない
医薬品の発毛剤の添付文書を見ても、効能は壮年性脱毛症における発毛・育毛・脱毛の進行予防です。「髪が長く伸びる」という書き方ではありません。
また、女性や20歳未満の人は使わないこと、効果がわかるようになるまで少なくとも4ヵ月間毎日使うことなども書かれています。発毛剤が気になる時は、買う前に薬剤師に相談しましょう。箱で3つの区分を見分けるコツは薬用育毛剤と医薬品・化粧品の違いの記事で確かめられます。
箱のどこを見れば区分が分かる?
- 箱の表や横に「医薬部外品」「第1類医薬品」などの文字があるかを見る
- 区分の文字がなければ、化粧品の可能性を考える
- 箱の裏で「効能・効果」の欄を探す
- 効能・効果の欄にある言葉と、表のキャッチコピーを見比べる
- 分からない時は、店頭の薬剤師・登録販売者に箱を見せて聞く
同じ意味に見えて違う、言い方の例
広告や販売ページの言い方は、少し変わるだけで意味が大きく変わります。よく見かける言い方を、表示の範囲に入っているかどうかで並べてみました。
| よく見る言い方 | 表示の範囲か | 読む時のポイント |
|---|---|---|
| 育毛・養毛 | 医薬部外品なら範囲内 | 長さや本数の約束ではない |
| 発毛促進 | 医薬部外品なら範囲内 | 「発毛する」と言い切る言葉とは別物 |
| 髪がどんどん長くなる | 表示の範囲にない | 効能ではなく宣伝の言葉として読む |
| 抜け毛が止まる | 保証の表現になりうる | 「脱毛の予防」とは意味が違う |
| 早く効く・すぐ実感 | 速効性の表現は原則として認められない | 期間の約束と受け取らない |
| 毛髪にはり・こしを与える | 化粧品の範囲内 | 育毛の話ではない |
| 頭皮にやさしい使い心地 | 使用感の説明 | 効き目の話と混ぜない |
『表示の範囲かどうかなんて、自分で見分けられるかな』と不安になる方もいますよね。迷った時は、その言葉が箱の「効能・効果」の欄にあるかどうかだけを見れば十分です。
- 箱の「効能・効果」の欄に書かれた言葉
- 添付文書や説明書の効能の記載
- 区分の文字と一緒に書かれた有効成分の名前
- 箱の表の大きなキャッチコピー
- 「伸びた」「変わった」という体験談
- 使用前と使用後を並べた写真
広告で「伸びる」を見た時のチェック
ネットの広告やSNSで「髪が伸びる育毛剤」のような言葉を見かけることもありますよね。そんな時は、次のチェックで落ち着いて読んでみてください。
- 商品の区分(医薬部外品・化粧品・医薬品)が書かれているか
- 「伸びる」が効能の欄の言葉か、宣伝の言葉か
- 「すぐ」「早く」と効き目の速さを言い切っていないか
- 使用前と使用後の写真で、効き目や期間を印象づけていないか
- 医師などがすすめていることを、選ぶ理由として押し出していないか
- 「PR」「広告」の表示があるか、広告であることを隠していないか
基準ではどう考えられている?
医薬品等適正広告基準では、効能効果が確実であると保証するような表現は認められないとされています。「すぐ効く」のような速効性の表現も、原則として認められません。
医師などの医薬関係者がすすめているという広告も、たとえ事実であっても不適当とされています。『お医者さんがすすめているなら安心』と感じても、それだけで選ばないようにしましょう。
例えばこんな会話
「この広告、髪が伸びるって大きく書いてあるよ」
「箱の効能の欄には、何て書いてあるか見てみた?」
「育毛、脱毛の予防…。伸びるとは書いてないね」
こんなふうに、広告の言葉と効能の欄を見比べるだけで、言葉の違いに気づけます。広告表現の読み方は『髪が早く伸びる育毛剤』の広告表現の記事でもくわしく紹介しています。
育毛剤えらび
買う前に、育毛剤の選び方を確認
医薬部外品の育毛剤・医薬品の発毛剤・頭皮用化粧品の違いと、成分・使い心地・続けやすさ・買い方から自分に合う1本を選ぶ時に見ておきたいポイントをまとめました。
無料育毛剤の選び方を見る言葉の意味で迷ったら、誰に聞く?
箱を読んでもよく分からない時は、ひとりで悩まずに聞いてしまうのがいちばんです。聞く先によって、答えてもらえることが少しずつ違います。
| 迷っていること | 聞く先 | 伝えると話が早いこと |
|---|---|---|
| この商品の効能の言葉の意味 | メーカーのお客様窓口 | 商品名と販売名、知りたい言葉 |
| 2つの商品の区分や有効成分の違い | ドラッグストアの薬剤師・登録販売者 | 両方の箱か、表示の写真 |
| 発毛剤を自分が使えるか | 薬剤師 | 年齢・持病・飲んでいる薬 |
| 広告から申し込んだ定期購入で困った | 消費者ホットライン188 | 申し込んだ日と、注文前の画面の控え |
聞く時は「この言葉は、髪が長くなるという意味ですか」のように、そのまま質問してしまって大丈夫ですよ。
専門家は、言葉の意味を聞かれることに慣れています。『こんなことを聞いたら恥ずかしいかな』と思わなくて大丈夫です。分からないまま買うより、ずっと安心して使い始められますよ。
目的に合う物を選ぶには
「伸びるのか」が気になる方は、何のために髪を伸ばしたいのか、何が気になっているのかを一度言葉にしてみてください。目的がはっきりすると、育毛剤が合うのかどうかも見えてきます。
| 気になっていること | 合いやすい物・行き先 | ひと言 |
|---|---|---|
| 髪をもっと長くしたい | 毛先の手入れ・美容室での相談 | 育毛剤の効能の範囲とは別の話 |
| 抜け毛を予防したい | 医薬部外品の育毛剤 | 「脱毛の予防」の表示を見る |
| 頭皮のふけ・かゆみが気になる | 表示に「ふけ」「かゆみ」がある物 | 赤みが続く時は皮膚科へ |
| 髪のはり・こしが気になる | 化粧品の範囲の物も含めて検討 | 育毛の話ではないと知っておく |
| 抜け毛が急に増えた・丸く抜けた | 皮膚科 | 商品を選ぶ前に相談したい |
使う時は説明書のとおりに
育毛剤を使うと決めたら、量や回数は説明書のとおりにしましょう。『多めに付けたらもっと伸びるかも』と考えたくなりますが、量を増やしてよいという案内は見当たりません。
付ける量やタイミングは使い方・塗り方の記事で確かめておきましょう。妊娠中や授乳中、持病があって薬を飲んでいる方は、使う前に医師か薬剤師に相談しておきましょう。
よくある誤解と、正しい受け止め方
言葉の違いを知らないままだと、思わぬ期待や不安につながることがあります。よくある誤解をまとめておきますね。
| よくある誤解 | 正しい受け止め方 |
|---|---|
| 「育毛」と書いてあれば髪が長く伸びる | 育毛は効能の範囲の言葉で、長さの約束ではない |
| 「発毛促進」なら毛が生えると約束されている | 効能の範囲の言葉で、効き方には個人差がある |
| 「薬用」と書いてあれば医薬品 | 薬用は医薬部外品のことが多い。区分の文字で見る |
| トニックならどれも育毛剤 | 化粧品のトニックは育毛をうたえない |
| 広告に「伸びる」とあれば効能として認められている | 効能の欄にない言葉は宣伝の言葉 |
海外の商品の中には、日本の表示のルールとは違う言葉で効き目をうたう物もあります。個人輸入される医薬品は、品質や安全性などが日本の法律に基づいて確かめられていないと、厚生労働省が注意を出しています。
よくある質問
育毛剤で髪は伸びるのか、結局どう考えればいいですか?
髪は育毛剤を使わなくても1日に約0.4mm伸びるとされています。育毛剤は表示された効能(育毛・脱毛の予防など)の範囲で頭皮と髪をケアする物で、伸びる速さや長さを約束する物ではない、と考えておきましょう。
「発毛促進」と「発毛する」は同じ意味ですか?
違います。発毛促進は医薬部外品の育毛剤に表示できる効能の範囲の言葉です。「発毛する」と言い切るのは、効き目を保証する表現になりうるので、医薬部外品では使えない言い方です。
化粧品のヘアトニックと育毛剤は、何が違いますか?
化粧品は育毛をうたえず、頭皮や毛髪をすこやかに保つなど決められた範囲の効能まで言えます。育毛剤(医薬部外品)は育毛や脱毛の予防などを効能として表示できます。箱の区分の文字で見分けてください。
箱に「伸び」という字があるのですが、効能として認められているのですか?
箱の表の言葉は宣伝のことが多いので、裏の「効能・効果」の欄を見てみてください。効能・効果の欄に書かれた言葉だけが、その商品の表示できる効能です。
医師が開発したと書かれた育毛剤なら、伸びると考えていいですか?
医薬関係者がすすめているという広告は、事実であっても不適当とされています。開発した人や推せんする人ではなく、区分と効能・効果の表示で判断しましょう。
伸びるかどうかを自分で確かめる方法はありますか?
カラーの根元の境目など、決まった場所の長さを月1回測って、日数で割ると1日あたりの伸びが分かります。測り方は髪の伸びるスピードの記事で手順を紹介しています。
まとめ
- 「伸びる」は日常の言葉で、育毛剤の効能・効果の表示には出てこない
- 医薬部外品の育毛剤に表示できるのは、育毛・脱毛の予防・発毛促進などの範囲
- 化粧品は育毛をうたえず、医薬品も「伸びる」とは書かれていない
- 広告の「伸びる」は、効能の欄にあるかどうかで表示か宣伝かを見分ける
- 自分の目的と表示の効能が合うかを確かめてから選ぶ
言葉の違いが分かると、広告や販売ページを見た時にも振り回されにくくなります。表示の効能を手がかりに、自分の目的に合う物を落ち着いて選んでいきましょう。





コメント