薄毛対策に栄養素は関係ある?食事で整えたい栄養と育毛剤との役割分担

薄毛対策と栄養素の関係、栄養素ごとの役割と育毛剤との役割分担を紹介するアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が公的機関・各メーカーの公式サイトで公開されている情報を調べて独自に執筆しています。

抜け毛が気になり始めると、『髪にいい栄養素をとれば何とかなるかも』と考えますよね。亜鉛やビタミンのサプリを手に取ったことがある方も多いはずです。

結論から言うと、栄養素は髪や頭皮をつくる体の土台として関係しますが、特定の栄養素をとれば髪が増えるとは言えません。薄毛対策では、食事で栄養素の偏りを減らすことと、育毛剤や皮膚科での相談を、役割を分けて考えるのが近道です。

この記事では、栄養素ごとの役割を公的な表示の言葉で並べた表と、とりすぎの注意、育毛剤との役割分担をお話しします。

目次

薄毛対策に栄養素は関係ある?先に答え

先に答え
  • 髪の毛はたんぱく質からできていて、新陳代謝には各種のビタミン・ミネラルが関係するとされている
  • ただし「この栄養素で髪が増える」と示した公的な情報はない
  • 栄養素は一つに絞らず、主食・主菜・副菜がそろった食事でまんべんなくとる
  • サプリの栄養素は、とりすぎにも注意が必要
  • 抜け毛が急に増えた時は、食事の見直しより先に皮膚科で相談する

日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aでは、髪の毛の新陳代謝には各種のビタミン、ミネラルが関係しているため、バランスのとれた食生活を心がけるよう書かれています。

同じQ&Aには、これをすれば髪が抜けなくなるという特別な予防法があるわけではない、とも書かれています。栄養素は「頼みの綱」ではなく「土台」と考えておくと、期待しすぎずにすみますよ。

よくある期待実際のところ
亜鉛をとれば抜け毛防止になる亜鉛は大切な栄養素だが、それだけで抜け毛が減るとは言えない
ビタミンのサプリで薄毛対策になる食事で足りない分を補う物で、髪への効き目は表示できない
食事を変えれば育毛剤はいらない食事と育毛剤は役割が違う
たくさんとるほど良いとりすぎで体に負担がかかる栄養素もある

髪と栄養素のつながりで、公的に言われていること

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、たんぱく質は筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの体を構成する成分であり、ホルモン・酵素・抗体など体の調子を整える成分でもあると説明されています。

日本皮膚科学会のQ&Aでも、髪の毛はいくつかの種類のたんぱく質からできていると書かれています。髪の材料という意味で、たんぱく質はいちばん身近な栄養素なんです。

ビタミンとミネラルは「体の働き」を支える

e-ヘルスネットでは、ビタミンは体内でほとんど合成できないのに、正常な体の働きを保つのに欠かせない微量の有機化合物で、食事からとる必要があると説明されています。種類は13あります。

ミネラルは、体をつくる主な4つの元素以外の元素の総まとめで、亜鉛や鉄は微量ミネラルとして日本人の食事摂取基準に含まれています。

無理なダイエットのあとに抜け毛が増えることも

日本皮膚科学会のQ&Aでは、大きな手術や重い感染症、妊娠、過激なダイエットなどのあとに、毛の抜けかわりが影響を受けて抜け毛が増える「休止期脱毛」という現象も知られている、と紹介されています。

『食事を減らしてから抜け毛が増えた気がする』という方は、食事を元に戻すことを考えつつ、皮膚科で相談してみてください。抜け毛の理由を自分で決めつけないことが大切です。

この記事で出てくる言葉

言葉意味
たんぱく質体を構成し、体の調子を整える成分にもなる栄養素。毛髪の材料にもなる
ビタミン体内でほとんど作れず、食事からとる必要がある微量の有機化合物。13種類
ミネラル体をつくる主な4元素以外の元素。亜鉛や鉄など
栄養機能食品決められた栄養成分の機能を、定められた量の範囲で表示できる食品
休止期脱毛手術やダイエットなどのあとに、毛の抜けかわりが影響を受けて抜け毛が増える現象

栄養素ごとの役割を表で見る

ここが一番大事なところです。

栄養素の役割を、消費者庁の「栄養機能食品」で表示が認められている言葉で並べてみました。国が決めた言葉なので、言いすぎも言い足りなさもない物差しになります。

栄養素栄養機能食品で認められている表示
たんぱく質(栄養機能食品の対象外)体の構成成分。毛髪の材料にもなる
亜鉛皮膚や粘膜の健康維持を助ける/味覚を正常に保つのに必要/たんぱく質・核酸の代謝に関与
鉄赤血球を作るのに必要
銅赤血球の形成を助ける/多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成を助ける
ビタミンA夜間の視力の維持を助ける/皮膚や粘膜の健康維持を助ける
ビタミンB1炭水化物からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける
ビタミンB2皮膚や粘膜の健康維持を助ける
ビタミンB6たんぱく質からのエネルギーの産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける
ナイアシン・パントテン酸・ビオチン皮膚や粘膜の健康維持を助ける
ビタミンC皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ
ビタミンE抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける

表を見ると、「皮膚や粘膜の健康維持を助ける」という言葉がたくさん並んでいますよね。頭皮も皮膚の一部なので、こうした栄養素が体の土台として関係している、と受け止められます。

一方で、「髪」「育毛」「抜け毛」という言葉は、どの栄養素の表示にも出てきません。栄養素で育毛をうたう広告を見かけたら、一度立ち止まって考えてみてください。

表示の一覧は、消費者庁の栄養機能食品の資料で確かめられます。

どの食品からとる?

栄養素ごとに、公的な解説で例として挙げられている食品をまとめました。

栄養素公的な解説で挙げられている食品の例
たんぱく質卵類・肉類・豆類など(良質なたんぱく質食品として)
鉄赤身の肉や魚、ほうれん草などの緑葉野菜
ビタミンC果物など(鉄の吸収を高めるものとして)
亜鉛牡蠣、食肉、魚、鶏肉、カニなどの海産物

ここにない栄養素がどの食品に多いかは、文部科学省の食品成分データベースで調べられます。食品名を入れるだけで成分の量が見られるので、気になる食材があれば一度のぞいてみてください。

栄養素だけを足す時に気をつけたいこと

『体にいいなら、多めにとっておこう』と思いがちですよね。ただ、栄養素はとりすぎると体に負担になるものもあるんです。

栄養機能食品には、「本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。」という注意を表示することになっています。

栄養素とりすぎについての公的な注意
亜鉛摂り過ぎは銅の吸収を阻害するおそれ。大量の継続的な摂取で銅欠乏や貧血などの報告がある
ビタミンA妊娠3か月以内または妊娠を希望する女性は過剰摂取にならないよう注意
銅・亜鉛など乳幼児・小児は栄養機能食品の摂取を避けるよう表示
ビタミンK血液凝固阻止薬を服用している方は栄養機能食品の摂取を避けるよう表示

厚生労働省の食事摂取基準では、亜鉛について、日本人の成人がサプリで多めに補うと、食事と合わせた量がとりすぎの目安に近づくことがあると書かれています。亜鉛について詳しくは育毛剤と亜鉛の関係を紹介した記事で扱っています。

複数のサプリを重ねる時

髪のためのサプリ、マルチビタミン、栄養ドリンクなどを重ねると、同じ栄養素を知らないうちに多くとっていることがあります。薬を飲んでいる方、妊娠中・授乳中の方は、始める前に医師や薬剤師に相談しましょう。

育毛剤と栄養の役割分担

食事と育毛剤は、どちらか一方を選ぶものではありません。届け方も、表示できることも違うんです。

手段区分表示できること・役割
食事食品体の材料と働きを支える。髪への効き目は表示できない
栄養機能食品のサプリ食品決められた栄養素の機能だけを表示できる
育毛剤(薬用)医薬部外品育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛の範囲
発毛剤医薬品(第1類)製品ごとに承認された効能。薬剤師が販売
食事で整えること
  • 体全体の土台を整えられる
  • 頭皮だけでなく、体調全体の見直しにもなる
  • 続けるほど生活のリズムが整いやすい
食事だけで考えた時の限界
  • 頭皮に直接ケアするものではない
  • 抜け毛の理由が病気の場合は見落としやすい
  • 効果を実感できる時期の目安がない

『食事を整えたら、育毛剤はやめていい?』と迷う方もいるかもしれません。育毛剤は頭皮に使うもの、食事は体の土台、と役割が違うので、片方を理由にもう片方をやめる必要はありません。

育毛剤がどんな商品かは、育毛剤とはどんな商品かを紹介した記事でまとめています。

育毛剤の成分表示に出てくる「ビタミン」の名前

育毛剤の有効成分の欄に、ビタミンの仲間の名前を見かけることがあります。メーカーの公式ページでは、次のように説明されている例があります。

成分表示の名前メーカーの説明の例
酢酸DL-α-トコフェロールビタミンE、ビタミンE誘導体
D-パントテニルアルコールプロビタミンB5
ピリドキシン塩酸塩・HClピリドキシンビタミンB6

ただ、これらは頭皮に塗る育毛剤の有効成分としての話です。食べ物からとる栄養素とは使い方も目的も違うので、『育毛剤にビタミンが入っているから、食事のビタミンは足りている』とは考えないでくださいね。

育毛剤えらび

買う前に、育毛剤の選び方を確認

医薬部外品の育毛剤・医薬品の発毛剤・頭皮用化粧品の違いと、成分・使い心地・続けやすさ・買い方から自分に合う1本を選ぶ時に見ておきたいポイントをまとめました。

無料育毛剤の選び方を見る

サプリの表示はどう読む?

「髪のための栄養」をうたうサプリを見かけたら、まずパッケージの表示を見てみましょう。

消費者庁の説明では、栄養機能食品は特定の栄養成分の補給のために使う食品で、決められた栄養成分について、定められた量の範囲で機能を表示できます。国の個別の許可はいらない仕組みで、「本品は、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。」と表示することになっています。

サプリを選ぶ前のチェック
  • 「栄養機能食品」の表示がある時は、どの栄養素の機能を表示しているか見る
  • 1日あたりの摂取目安量と、注意の表示を読む
  • 今飲んでいる別のサプリと、同じ栄養素が重なっていないか見る
  • 「髪が増える」「抜け毛が止まる」とうたっていないか見る
  • 飲んでいる薬がある時は、薬剤師に相談してから決める

広告の言葉を読む時のコツ

サプリは食品なので、育毛や抜け毛防止の効き目を表示することはできません。もし広告でそうした言葉を見かけたら、表示が認められた範囲を超えていないか、一歩引いて読んでみてください。

飲む育毛サプリや飲み薬との違いは、育毛剤と飲み薬・サプリの併用を紹介した記事で扱っています。

自分の食事を栄養素の目で見直す

栄養素の名前を覚えるより、毎日の食事にそろっているかを見るほうが簡単です。消費者庁の栄養機能食品の表示例にも、「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」という一文が入っています。

3日間でできる見直し
  1. 3日分の食事を、スマートフォンで写真に残す
  2. 写真を見て、主食・主菜・副菜がそろった食事の回数を数える
  3. 主菜(肉・魚・卵・豆)が少ない日がないか見る
  4. 野菜や果物がほとんどない日がないか見る
  5. 少なかった物を、次の3日で1品だけ足してみる

一度に全部を変えようとすると続きません。足りない物を1品ずつ足していく方が、無理なく続けられますよ。

食事の様子気をつけたい栄養素足しやすい工夫
麺類やパンだけで済ませがちたんぱく質卵や豆腐を一つ添える
肉や魚をあまり食べない鉄・亜鉛主菜を1日1回は入れる
野菜や果物が少ないビタミン類果物や野菜の小鉢を足す
食事を抜く日が多い全体まず1日3回に近づける

忙しい日に1品足すなら

仕事や家事で忙しい日は、献立を考える時間もありませんよね。そんな日は、次のような「足すだけ」の工夫から始めてみてください。

  • 主食だけの食事に、ゆで卵や納豆、豆腐を足す
  • 弁当や丼に、野菜の小鉢やカット野菜を足す
  • 間食をお菓子から、果物やヨーグルトに替える
  • 夕食で肉か魚を1品は入れる

若い女性の「やせ」にも注意

e-ヘルスネットでは、若い女性の誤ったダイエットは鉄欠乏など潜在的な栄養不良のリスクを高めるおそれがあるとしています。対策として、赤身の肉や魚、緑葉野菜に、ビタミンCを含む果物を組み合わせてバランスよく食べることをすすめています。

食事の量を減らす時ほど、主菜と副菜を削らないことを意識してみてください。

抜け毛が気になる時の相談先

食事を見直しても抜け毛が気になる時や、急に抜け毛が増えた時は、皮膚科に相談しましょう。日本皮膚科学会のQ&Aでは、抜け毛が出てきたら皮膚科などの専門の医療機関を受診するようすすめています。

こんな時相談先
急に抜け毛が増えた・まだらに抜けた皮膚科
頭皮のかゆみ・赤み・ふけが続く皮膚科
無理なダイエットのあとに抜け毛が増えた皮膚科・かかりつけ医
持病や飲んでいる薬がある主治医・薬剤師
サプリを始めたい薬剤師・かかりつけ医

受診の時は、こんなふうに伝えるとスムーズです。

「2か月くらい前から食事を減らしていて、最近抜け毛が増えた気がします」

「亜鉛とマルチビタミンのサプリを飲んでいます。続けていいか相談したいです」

食事の写真や、飲んでいるサプリのパッケージを持っていくと、話がぐっと早くなります。食事を見直すことと、皮膚科で抜け毛の理由を確かめることは、同時に進めて大丈夫ですよ。

食事と髪の関係は、食べ物と髪の関係を紹介した記事でも、献立の考え方から扱っています。

よくある質問

薄毛対策にいちばん大事な栄養素はどれですか?

一つに絞ることはできません。髪の材料になるたんぱく質のほか、各種のビタミン・ミネラルが関係するとされているので、主食・主菜・副菜のそろった食事でまんべんなくとるのが基本です。

亜鉛のサプリを飲めば抜け毛防止になりますか?

亜鉛は皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素ですが、サプリで抜け毛が減るとは言えません。とりすぎると銅の吸収を妨げるおそれもあるので、量と注意の表示を守りましょう。

食事を整えれば、育毛剤は使わなくていいですか?

食事は体の土台、育毛剤は頭皮に使うもので、役割が違います。片方を理由にもう片方をやめる必要はありません。

プロテインを飲むと髪にいいですか?

たんぱく質は毛髪の材料ですが、プロテインで髪が増えるとは言えません。食事で足りない時に補う物として考え、量は商品の目安を守ってください。

栄養素の効果はいつ頃から分かりますか?

栄養素と髪の変化の時期を示した公的な目安はありません。食事は効果を待つものではなく、毎日の土台として続けるものと考えておきましょう。

子どもや高校生の薄毛対策にも栄養素は関係しますか?

成長期は体が多くの栄養を使うので、食事を抜かないことが大切です。サプリは子どもが避けるよう表示されている物もあるので、気になる時は保護者や医師に相談してください。

髪にいいと聞いた食べ物を毎日食べれば十分ですか?

一つの食べ物に頼ると、ほかの栄養素が足りなくなることがあります。いろいろな食品を組み合わせて、主食・主菜・副菜をそろえることを意識してみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 髪はたんぱく質からでき、新陳代謝には各種のビタミン・ミネラルが関係するとされる
  • 栄養機能食品の表示には「皮膚や粘膜の健康維持を助ける」が多いが、育毛の言葉はない
  • 栄養素は一つに絞らず、主食・主菜・副菜のそろった食事でとる
  • サプリの重ねすぎ・とりすぎに注意し、薬がある人は薬剤師に相談する
  • 食事は体の土台、育毛剤は頭皮のケアと役割を分ける
  • 急な抜け毛や頭皮のトラブルは皮膚科へ

栄養素のことを知ると、つい一つの栄養素に期待したくなりますよね。まずは今日の食事に主菜と副菜がそろっているかを見るところから、気軽に始めてみてください。

育毛剤えらび

育毛剤えらび 編集部

抜け毛や髪のボリュームが気になり始めた方に向けて、育毛剤(医薬部外品)・発毛剤(医薬品)・頭皮用化粧品の違い、成分と選び方、正しい使い方と続け方、市販と通販の買い方、定期購入の確かめ方をまとめている情報サイトです。 公式サイト

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