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発毛剤を使ってみたいけれど、『薬だから体に何か起きないか心配』と感じている方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、発毛剤を安全に使うために一番大事なのは、添付文書の使用上の注意を「使い始める前」「使っている間」「やめる時」の3つの時期に分けて読むことです。どの薬にも「これなら誰でも大丈夫」と言い切れる物はないので、時期ごとの確認を自分で続けていくことになります。
この記事では、時期ごとに見る欄と、体調が変わった時の動き方、もしもの時の公的な制度をお話ししますね。
発毛剤を安全に使うには?先に答え
- 発毛剤は第1類医薬品で、使い方に特に注意が必要な区分とされている
- 使用上の注意は「してはいけないこと」と「相談すること」に分かれている
- 使い始める前・使っている間・やめる時で、見る欄が少しずつ違う
- 体調の変化に気づいたら、使うのをやめて説明書を持って相談する
『安全な発毛剤はどれ?』と製品で探したくなりますよね。ただ、安全かどうかは製品だけで決まるものではなく、使う人の体の状態と使い方の組み合わせで変わります。
| 時期 | 主に見る欄 | ひと言でいうと |
|---|---|---|
| 使い始める前 | 使用しない人・相談すること | 自分が使ってよい人かを確かめる |
| 使っている間 | 用法・用量・用法関連注意・保管 | 決められた量と方法を守る |
| 体調が変わった時 | 副作用の可能性がある症状 | すぐにやめて相談する |
| やめる時・見直す時 | その他の注意・相談すること | 自己判断で替えずに相談する |
この表の順番どおりに読んでいくと、添付文書のどこを見ればいいか迷いにくくなりますよ。
「してはいけないこと」と「相談すること」は何が違う?
一般用医薬品の添付文書には、「使用上の注意」という欄があります。ここが大きく2つに分かれているのを知っておくと、読むのがぐっと楽になります。
- 守らないと症状が悪くなったり、副作用が起きやすくなったりすることが書かれている
- 「使用しない人」「使用しない部位」などの条件がある
- 当てはまったら、その薬は使わない
- 使い始める前や途中で、医師・薬剤師と話しておくべき場面が書かれている
- 持病・年齢・アレルギー歴などの条件がある
- 当てはまったら、自分で決めずに相談してから判断する
『相談することなら、使ってもいいってこと?』と思うかもしれません。そうではなく、相談した上で使うかどうかを決める、という意味なんです。
ミノキシジルを配合した男性向けの発毛剤では、「してはいけないこと」に、頭皮にのみ使用して内服しないことが書かれています。理由として「血圧が下がる等のおそれがあります」と添えられています。
2つの欄の後ろにある注意も読んでおく
使用上の注意には、2つの大きな欄のほかに「用法・用量に関連する注意」「その他の注意」「保管及び取扱い上の注意」が続きます。読み飛ばしやすい所ですが、毎日の使い方に関わる話が多いんです。
| 欄の名前 | 書かれていることの例 |
|---|---|
| 用法・用量に関連する注意 | 決められた量を守る、目に入らないようにする、整髪料・染毛との順番 |
| その他の注意 | 効果が分かるまでの期間、誰にでも効果があるわけではないこと、やめた後のこと |
| 保管及び取扱い上の注意 | キャップをする、置き場所、容器の入れ替えをしない、使用期限 |
一度に全部覚えなくても大丈夫です。この記事の時期ごとの話と照らし合わせながら、必要な所から読んでみてください。
使い始める前の確認
ここが大事なところです。最初の1回を付ける前に、自分が「使用しない人」に当てはまらないかを確かめておきましょう。
- 女性ではないか(男性向けの製品の場合)
- 20歳以上か
- 脱毛が急激だったり、髪が斑状に抜けていたりしないか
- 頭皮にきず・湿疹・炎症(発赤)がないか
- 成分でアレルギー症状を起こしたことがないか
- 他の育毛剤や外用剤を頭皮に使っていないか
男性向けの発毛剤の添付文書には、女性は「日本人女性における安全性が確認されていない」ため使用しないと書かれています。家族で1本を分け合うことはしないでくださいね。
相談してから決めたい人
「使用しない人」に当てはまらなくても、使う前に相談するよう書かれている人がいます。例えば、高血圧・低血圧の人、心臓や腎臓に障害のある人、むくみのある人、65歳以上の人などです。
血圧の項目には「本剤は血圧に影響を及ぼす可能性が考えられます」と理由が書かれています。持病のある方は、処方している医師にも一言伝えておくと安心です。
『こんなことまで話していいのかな』と迷う方もいますよね。例えば、こんなふうに伝えれば十分です。
「血圧の薬を飲んでいます。お薬手帳を持ってきたので、この発毛剤を使ってもいいか見てもらえますか」
使う前に一度だけしておきたい準備
使い始める日を決めたら、今の頭皮と髪の様子を写真に残しておきましょう。同じ場所・同じ明るさで撮っておくと、あとで変化を比べる時の材料になります。
説明書(添付文書)は、使い終わるまで捨てずに取っておくのがおすすめです。体調が変わった時に、それを持って相談することになるからです。
買う時の薬剤師の説明も、安全のための仕組み
第1類医薬品を売る時、薬剤師は使う人の年齢や、ほかの薬の使用状況などを確かめた上で、書面で必要な情報を伝えます。購入した人が内容を理解したかを確かめてから販売する流れです。
販売の時には、販売した薬剤師の氏名や店の名前、連絡先も伝えられることになっています。副作用が出た時の対応の説明もあるので、使い始めた後に困った時の連絡先として控えておきましょう。
『説明は前にも聞いたからいいです』と言いたくなる時もありますよね。ただ、説明を省けるかどうかは薬剤師が判断することなので、聞ける時は聞いておくほうが安心です。
使っている間の確認:量・回数・付け方・保管
使い始めたら、毎日の使い方そのものが安全につながります。ここでは、添付文書に書かれていることを、場面ごとに並べました。
| 場面 | 添付文書に書かれていること |
|---|---|
| 量と回数 | 成人男性(20歳以上)が、1日2回、1回1mLを脱毛している頭皮に塗布する |
| 多く使いたくなった時 | 決められた以上に多く使用しても、効果の増加はほとんどなく、副作用の発現する可能性が高くなる |
| 付ける時 | 目に入らないようにする |
| メガネや服 | アルコール等に溶けるおそれのある物(メガネわく・化学繊維等)につかないようにする |
| 整髪料・毛染め | 整髪料は本剤を使った後、染毛は完全に終えた後に本剤を使う |
『早く結果を見たいから、1日3回にしようかな』という気持ちになることもありますよね。でも、量や回数を増やしても効果はほとんど増えないと、はっきり書かれているんです。
保管で気をつけたいこと
保管の方法も、添付文書の大事な項目です。うっかりしやすい所なので、置き場所を決める時に確かめておきましょう。
- 使った後はキャップをしているか
- 直射日光・高温・寒冷を避けた所に置いているか
- 小児の手の届かない所に置いているか
- 他の容器に入れ替えていないか
- 火気に近づけていないか
- 使用期限をすぎた製品を使っていないか
製品によっては、消防法上の危険物に当たることや、個人の航空機での輸送はすすめられないことが書かれている物もあります。旅行に持って行く前には、販売会社の案内を見ておいてください。
毎日の頭皮チェックは30秒で十分
使っている間は、付ける前に頭皮をさっと見る習慣をつけておくと、変化に早く気づけます。鏡と手鏡を使えば、頭頂部も見やすいですよ。
| 見るところ | 気にしたいサイン |
|---|---|
| 付けている場所の色 | 赤み、ぽつぽつした発疹 |
| 触った感じ | ひりひりする、熱っぽい |
| かゆみ | 付けた後にかゆみが強くなる |
| ふけ | 急に増えた、かさかさする |
| 頭皮以外 | 顔や首に赤みが出ていないか |
どれか1つでも当てはまったら、次の章の手順で動いてください。手帳やスマホのメモに「赤み:なし」のように一言残すだけでも、相談の時に役立ちます。
体調の変化に気づいた時の手順
使っている間に、いつもと違う症状が出ることもあります。添付文書には、副作用の可能性がある症状として、次のようなものが挙げられています。
| 関係する部位 | 書かれている症状の例 |
|---|---|
| 皮膚 | 頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、ふけ、使用部位の熱感 |
| 精神神経系 | 頭痛、気が遠くなる、めまい |
| 循環器 | 胸の痛み、心拍が速くなる |
| 代謝系 | 原因の分からない急激な体重増加、手足のむくみ |
発疹や発赤は、頭皮以外にあらわれることもあると書かれています。顔や首に気になる症状が出た時も、同じように考えてください。
- その時点で使うのをやめる
- いつから・どこに・どんな症状かをメモする
- 説明書(添付文書)と外箱を手元にそろえる
- 医師か薬剤師に、説明書を見せながら相談する
- 症状が強い時や急な時は、ためらわずに医療機関へ
『もう少し様子を見てからでいいかな』と使い続けるのは避けましょう。添付文書には「直ちに使用を中止し」と書かれているので、まずやめることが先なんです。
副作用そのものをもっと詳しく知りたい方は、発毛剤の副作用と添付文書の読み方で扱っています。
やめる時・見直す時に知っておくこと
発毛剤をやめるかどうか迷う場面は、思っているより多いものです。ここでは、やめる時・見直す時に添付文書のどこを読めばいいかをまとめます。
| こんな時 | 添付文書に書かれていること | すること |
|---|---|---|
| 4か月たっても変化が分からない | 効果がわかるようになるまで少なくとも4ヵ月間、毎日使用する | 使い方が合っているかを見直す |
| 6か月使って改善が見られない | 脱毛の程度・抜け毛の程度などに改善がない時は中止して相談 | 説明書を持って医師・薬剤師へ |
| 6か月以内でも悪くなった | 脱毛の悪化や、頭髪以外の脱毛・斑状の脱毛・急激な脱毛が見られたら中止して相談 | すぐに相談する |
| 自分の都合でやめたい | 使用を中止すると徐々に元に戻る | やめる前に、そのことを知った上で決める |
6か月で見る目安について、添付文書には「太い毛だけでなく細く短い抜け毛の減少も改善の目安となります」と添えられています。写真と一緒に、抜け毛の様子もメモしておくと判断しやすいですね。
「本剤は誰にでも効果があるわけではありません」という一文も、その他の注意に書かれています。合わなかったからといって、自分を責める必要はありません。
別の製品に替える前に
『同じ成分の別の発毛剤なら合うかも』と考えたくなりますよね。替える前に一度、薬剤師に今までの経過を伝えてみてください。
替えた後も、量と回数の決まりは同じです。前の製品と新しい製品を一緒に使わないよう、手元に残った物の扱いも決めておきましょう。
もしもの時の医薬品副作用被害救済制度
医薬品を正しく使っていても、副作用で重い健康被害が出ることがあります。その時に医療費などを給付する公的な制度が、PMDAの「医薬品副作用被害救済制度」です。
| 項目 | あらまし |
|---|---|
| 対象になる薬 | 承認・許可を受けた医薬品。薬局などで買った一般用医薬品も含む |
| 対象になる健康被害 | 入院して治療するほどの病気や、日常生活に大きな支障が出る程度の障害など |
| 給付の種類 | 医療費・医療手当・障害年金など7種類 |
| 対象にならない例 | 使い方が適正と認められない場合、入院治療を要する程度でない場合など |
| 個人輸入した薬 | 救済制度の対象外 |
ここで大事なのは「適正に使っていたか」が問われる点です。用法・用量を守ること、使用しない人の条件を守ることは、もしもの時の備えにもなるんです。
制度の相談は、PMDAの救済制度の案内ページで窓口の連絡先と受付時間を確かめられます。買ったお店のレシートや外箱、説明書も取っておくと、相談の時に役立ちますよ。
副作用を自分で報告することもできる
店で買った一般用医薬品で副作用が出た時、PMDAへの報告は使った本人からもできる仕組みです。医師や薬剤師に相談したうえで、こうした仕組みがあることも覚えておいてください。
医薬部外品の育毛剤で肌に合わなかった時は
PMDAの給付の対象の説明は、医薬品と再生医療等製品について書かれていて、医薬部外品や化粧品には触れていません。医薬部外品の育毛剤で頭皮に合わない症状が出た時は、まず使うのをやめて皮膚科で相談しましょう。
あわせて、外箱に書かれた販売元のお客様窓口に、商品名と症状を伝えておくと安心です。
育毛剤えらび
買う前に、育毛剤の選び方を確認
医薬部外品の育毛剤・医薬品の発毛剤・頭皮用化粧品の違いと、成分・使い心地・続けやすさ・買い方から自分に合う1本を選ぶ時に見ておきたいポイントをまとめました。
無料育毛剤の選び方を見る安全に使うつもりでやりがちな失敗
『気をつけているつもり』でも、思わぬ所でつまずくことがあります。よくある失敗を先に知っておきましょう。
| やりがちな失敗 | どうして起こる? | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 「医薬品だから安全」と思い込む | 国の承認があると聞いて安心する | 承認は使い方を守る前提だと知っておく |
| 育毛剤も一緒に塗る | 頭皮ケアを足したくなる | 他の育毛剤や外用剤の頭皮への使用はさける |
| 頭皮に赤みがあるのに付ける | もったいなくて休めない | きず・湿疹・炎症がある所には使わない |
| 家族の発毛剤を借りる | 同じ悩みで勧められる | 使う人ごとに条件を確かめる |
| 説明書を捨ててしまう | 読んだから大丈夫と思う | 使い終わるまで外箱と一緒に保管する |
| 海外の安い製品に替える | 同じ成分なら同じと思う | 個人輸入は国内の確認がされていない |
厚生労働省は、個人輸入される医薬品は国内の法律に基づく確認がされておらず、偽造品のおそれもあると注意を呼びかけています。安さだけで替えないようにしてくださいね。
「安全」をうたう広告を見かけたら
医薬品の広告では、安全性を確実だと保証するような表現は認められていません。医薬品等適正広告基準の解説では、例として「安全性は確認済み」「副作用の心配はない」が挙げられています。
「副作用が少ない」「比較的安心して」「刺激が少ない」といった言い方も、安全性を誤解させるおそれがあるので使わないこととされています。こうした言葉が目立つ広告を見たら、添付文書の中身で確かめ直してみてください。
発毛剤そのものがどんな薬かは、発毛剤とはどんな商品かで基本から読めます。
よくある質問
安全な発毛剤はありますか?
どの発毛剤も、使い方を守る前提で承認されています。安全かどうかは使う人の体の状態にもよるので、添付文書を読み、薬剤師に相談してから使ってください。
発毛剤を使い始める前に、病院に行ったほうがいいですか?
持病がある方、薬を飲んでいる方、抜け方が急だったり斑状だったりする方は、先に医師に相談するのがおすすめです。そうでない場合も、買う時に薬剤師の説明を受けられます。
使っている途中で頭皮がかゆくなったら?
その日から使うのを休み、説明書を手に医師か薬剤師へ相談しましょう。かゆみは、添付文書で副作用の可能性がある症状に挙げられています。
発毛剤を急にやめても大丈夫ですか?
やめると徐々に元に戻る、と添付文書のその他の注意に書かれています。やめるかどうかは、このことを知った上で、迷う時は薬剤師に相談して決めてください。
医薬部外品の育毛剤なら、気にせず使っていいですか?
医薬部外品にも使用上の注意があります。頭皮に合わない時はやめて、皮膚科か薬剤師に相談しましょう。
救済制度は誰でも使えますか?
医薬品を適正に使っていて、重い健康被害が出た場合などが対象です。個人輸入した薬は対象外とされています。
まとめ
- 発毛剤を安全に使うには、使用上の注意を時期ごとに分けて読む
- 「してはいけないこと」に当てはまれば使わず、「相談すること」なら相談して決める
- 使っている間は、1日2回・1回量を守り、保管の注意も読む
- 体調が変わったら、すぐにやめて説明書を持って相談する
- 適正に使うことは、医薬品副作用被害救済制度の前提にもなる
迷った時は、一人で決めずに薬剤師に聞いてみてください。育毛剤と発毛剤の基本は、育毛剤とはどんな商品かで確かめられます。





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