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枕やお風呂の排水口に落ちた髪を見て、『抜け毛をなくす方法はないの?』と思った方もいますよね。
結論から言うと、抜け毛を完全になくす方法はありません。髪には生えかわりの周期があり、毎日ある程度の毛が抜けるのは自然なことなんです。
大切なのは、その抜け毛が「自然な抜け毛」なのか「気になる抜け毛」なのかを見分けることです。この記事を読むと、見分け方と記録のつけ方、相談したいサインが分かります。
抜け毛をなくす方法はある?先に結論
- 抜け毛をゼロにする方法はない。髪は生えかわるもの
- 日本皮膚科学会は、1日の抜け毛はおおよそ100本程度までといわれると紹介している
- 目指すのは「なくす」ことではなく、気になる抜け毛を早めに見分けること
- 見分けるには、量・場所・頭皮の様子・続いている期間を記録する
- 急に増えた、円形に抜けた、頭皮に赤みがある時は皮膚科へ
『毎日こんなに抜けて大丈夫?』と不安になるのは自然なことです。ただ、抜けた毛の数だけを見て落ち込むのは、少しもったいないんです。
抜け毛には、新しい毛に場所をゆずるための「自然な抜け毛」がふくまれています。まずはこの仕組みを知っておくと、必要以上に心配しなくて済みますよ。
「なくしたい」の中身を言葉にしてみる
『抜け毛をなくしたい』という気持ちの中身は、人によって違います。床に落ちる毛を減らしたいのか、髪の分け目が目立つのが気になるのかで、やることが変わってくるんです。
| 気になっていること | 本当に知りたいこと | 先に読みたい節 |
|---|---|---|
| 落ちている毛の多さ | この量は普通の範囲か | 100本の目安の使い方 |
| 分け目や生え際の見え方 | 髪のボリュームが変わっていないか | 見分け表と記録のつけ方 |
| 頭皮のかゆみ・赤み | 頭皮に何か起きていないか | 皮膚科に相談したいサイン |
| 何かを始めたい | 自分でできることは何か | 市販の育毛剤でできる範囲 |
抜け毛がゼロにならないのは「毛周期」があるから
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aでは、頭髪は約10万本あるとされ、そのほとんどが「伸びる毛」だと紹介されています。髪は伸びる時期を終えると、休む時期に入って自然に抜け、また新しい毛が育ちます。
このくり返しを「毛周期」と呼びます。抜け毛は、髪が入れかわる途中で起こることなんですね。
| 時期 | どんな状態か | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 成長期 | 毛が伸びている時期 | 大体2〜6年続くと考えられている |
| 退行期 | 伸びるのが止まり、抜ける準備に入る時期 | 成長期と休止期の間にある時期 |
| 休止期 | 毛が抜けて、次の毛を待つ時期 | 2〜3ヶ月 |
同じQ&Aでは、毛は1日に約0.4mm伸びるとも書かれています。一本一本の毛が別々のタイミングで周期を回っているので、毎日少しずつ抜けていくわけです。
抜け毛は、古い毛が新しい毛に入れかわる時にも起こります。もし抜け毛を完全に止められたとしても、それは髪の入れかわりを止めることになってしまいます。だからこそ「なくす」より「見分ける」が大事なんです。
詳しい情報は、日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 脱毛症でも確かめられます。
「1日100本程度」の目安はどう使う?
日本皮膚科学会のQ&Aでは、1日に抜ける毛の量は、個人差・季節差・ヘアケアの仕方にもよるけれど、おおよそ100本程度までといわれると紹介されています。
ここが大事なところです。この100本は「数えて判定するための基準」ではなく、「毎日それくらい抜けても不思議ではない」という目安なんです。
『100本を超えたらまずいの?』と考える方も多いはずです。ただ、抜け毛を正確に数えるのは難しいですし、日によっても変わります。
抜け毛が多く見えやすい条件
同じ本数でも、多く見えたり少なく見えたりする条件があります。思い当たるものがないか見てみてください。
| 条件 | 多く見えやすい理由 | 見方のコツ |
|---|---|---|
| 前日に髪を洗っていない | 2日分の抜け毛がまとめて落ちる | 洗った間隔もメモする |
| 髪が長い | 1本が目立ち、量が多く感じる | 本数より、いつもとの差で見る |
| 排水口に溜まっている | 何日分か分からなくなる | 毎回取り除いてから見る |
| 季節の変わり目 | 抜けやすい時期と感じる人もいる | 前の年の同じ時期と比べる |
| 白い枕カバーや黒い服 | 毛の色と背景で目立つ | 場所ごとの印象で決めつけない |
例えば、洗わなかった翌日のシャンプーで『いつもの倍抜けた』と感じても、2日分がまとめて落ちただけということもあります。洗った日と洗わなかった日を分けて見てみましょう。
毎日の本数を数えることが不安のもとになってしまう方もいます。数えるのは記録期間の数日だけにして、あとは「いつもと比べてどうか」で見るくらいがちょうどいいですよ。
人と比べず「自分のいつも」と比べる
「家族より自分のほうが抜けている気がする」と比べてしまうこともありますよね。でも、髪の長さも洗う回数も違うので、人との比較はあまりあてになりません。
見るべきなのは、1か月前や去年の同じ時期の自分です。比べる相手を「自分のいつも」にしておくと、変化にも気づきやすくなります。
自然な抜け毛と気になる抜け毛の見分け表
ここからが本題です。自然な抜け毛と、少し気にかけたい抜け毛の違いを、5つの見方で表にしました。
| 見方 | 自然な抜け毛に多い様子 | 気にかけたい様子 |
|---|---|---|
| 量 | 日によって多少の差がある | 急にはっきり増えて、それが続いている |
| 場所 | 頭全体からまんべんなく抜ける | 一部分だけ抜けて、地肌が見える所がある |
| 形 | 抜けた所が目で見て分からない | 円形など、まとまって抜けた所がある |
| 頭皮 | 赤み・かゆみ・ふけは特にない | 赤み・かゆみ・ふけ・痛みが続いている |
| 期間 | 数日から数週間で落ち着く | 何週間も続いて、増える一方に感じる |
一つでも「気にかけたい様子」に当てはまったら、すぐに深刻ということではありません。ただ、記録をつけて様子を見るか、皮膚科で相談するかを考えるきっかけにしてみてください。
生活の出来事のあとに増えることも
日本皮膚科学会のQ&Aでは、大きな手術、重い感染症、妊娠、過激なダイエットなどの後に、毛の抜けかわりが影響を受けて抜け毛が増える「休止期脱毛」という現象も紹介されています。
『最近、体に大きな負担がかかったかな?』と振り返ってみるのも一つの方法です。思い当たることがあれば、記録と一緒にメモしておきましょう。
抜けた毛は「並べて」見てみる
抜けた毛を白い紙の上に何本か並べてみると、長さや太さがそろっているかが分かりやすくなります。短く細い毛が多いように見えても、それだけで原因は分かりません。
気になる様子は写真に撮っておき、皮膚科で相談する時に見せてみてください。自分で原因を決めつけないことが大切です。
分け目や生え際は「見え方」で比べる
抜け毛の量より、分け目の幅や生え際のラインのほうが気になる、という方もいますよね。見え方の変化は毎日鏡を見ていると気づきにくいので、写真で比べるのがおすすめです。
撮る時は、場所・時間帯・照明・髪の乾き具合をそろえておきましょう。窓ぎわの自然光と洗面所のライトでは、同じ頭でも地肌の見え方がかなり変わるんです。
| そろえたい条件 | 理由 |
|---|---|
| 撮る場所と照明 | 光の当たり方で地肌の見え方が変わる |
| 髪が乾いているか | 濡れた髪は束になって地肌が見えやすい |
| 分け目の位置 | 分け目が変わると比べられない |
| 撮る角度 | 真上か斜めかで印象が変わる |
見分けるための記録のつけ方
『結局、自分の抜け毛は自然なほう?』と迷った時に頼りになるのが、記録です。日本皮膚科学会のQ&Aにも、ふだんの抜け毛の量や頭皮の様子を把握しておくことの大切さが書かれています。
- 記録する場所を1か所に決める(シャンプー後の排水口など)
- 毎回、排水口をきれいにしてから髪を洗う
- 抜けた毛の量を「少ない・いつもどおり・多い」の3段階でメモする
- 頭皮のかゆみ・赤み・ふけの有無を書く
- 寝た時間や体調など、気になった出来事を一言添える
- 1週間目に、頭頂部と分け目の写真を同じ明るさで撮る
記録はノートでもスマホのメモでもかまいません。続けやすい方法を選びましょう。
記録シートの例
| 日付 | 洗った間隔 | 抜け毛の量 | 頭皮の様子 | 気になった出来事 |
|---|---|---|---|---|
| 1日目 | 毎日 | いつもどおり | 特になし | 特になし |
| 2日目 | 毎日 | 多い | 少しかゆい | 寝不足 |
| 3日目 | 1日あけた | 多い | 特になし | 洗えなかった |
| 4日目 | 毎日 | いつもどおり | 特になし | 特になし |
1週間たったら、「多い」が何日あったか、その日に共通することは何かを見てみてください。洗う間隔や寝不足の日と重なっていれば、まずはその習慣から見直すと手がつけやすくなります。
- 「多い」と書いた日は何日あったか
- 「多い」の日は、洗う間隔があいていなかったか
- 頭皮のかゆみや赤みは、何日続いたか
- 写真で見て、分け目や生え際の見え方に変化はあるか
見返した結果、とくに気になる所がなければ、毎日の記録はいったんお休みしてかまいません。月に1回くらい写真を撮るだけでも、変化には気づきやすくなりますよ。
2週間たっても増える一方なら
記録を2週間ほど続けても「多い」が続く、地肌の見える所が広がる、といった時は、自分だけで判断せずに皮膚科で相談しましょう。記録と写真は、そのまま相談の材料になります。
抜け毛の量の数え方をもっと詳しく知りたい方は、抜け毛が多い時の本数の数え方の記事も参考にしてみてください。
「なくしたい」と焦った時にやりがちなこと
抜け毛が気になると、『とにかく何かしなきゃ』と焦ってしまいますよね。でも、焦って始めたことが頭皮の負担になる場合もあるんです。
- 1週間の記録をつけて、量と頭皮の様子を知る
- 洗い方や乾かし方を一つずつ見直す
- 気になるサインがあれば皮膚科で相談する
- 育毛剤を試すなら、区分の表示と使い方を読んでから使い始める
- 抜けるのが怖くて、髪を何日も洗わない
- 頭皮を強くこすったり、ブラシでたたいたりする
- いくつもの商品を同時に試して、何が合うか分からなくなる
- 「これで抜け毛がなくなる」という言葉だけで商品を選ぶ
特に「洗わないほうが抜けない」と考えて洗髪を控えるのは、おすすめできません。洗わない日があると、次に洗った時にまとめて抜けて、かえって不安になることもあります。
日本皮膚科学会のQ&Aでも、頭皮が乾燥しすぎたり油っぽくなったりしない頻度で洗うことが生活上の注意として挙げられています。
「なくなる」という広告の言葉との付き合い方
「抜け毛がなくなる」「これ一本で解決」のような言い切りの広告を見ると、つい期待してしまいますよね。医薬部外品の育毛剤で表示できる効能は、「脱毛の予防」「育毛」などの範囲です。
言い切りの言葉より、商品の区分と効能の表示を見るくせをつけておくと、選ぶ時に迷いにくくなります。
気になる抜け毛だった時、市販の育毛剤でできる範囲
見分けた結果、『やっぱり気になる』と感じたら、市販の育毛剤を考える方もいるはずです。市販の商品は区分によって、表示できる効能が違います。
| 区分 | 表示できる効能の例 | 抜け毛との関係で知っておきたいこと |
|---|---|---|
| 医薬部外品(薬用育毛剤) | 育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛 | 「脱毛の予防」が表示される区分。抜け毛をゼロにするものではない |
| 化粧品(ヘアトニック等) | 頭皮、毛髪をすこやかに保つ、フケ・カユミを抑える 等 | 育毛をうたうことはできない |
| 医薬品(発毛剤) | 製品ごとの添付文書に記載 | 対象となる人や使えない人の条件がある。買う前に薬剤師へ相談 |
医薬部外品の効能の範囲は、厚生労働省の通知(医薬品等適正広告基準の解説)に載っているものです。商品ごとの効能は、パッケージや公式サイトの表示で確かめてみてください。
育毛剤の区分や役割の基本は、育毛剤とはどんな商品かをまとめた記事で紹介しています。育毛剤で期待できることとできないことは、育毛剤の効果の記事も参考にどうぞ。
育毛剤えらび
買う前に、育毛剤の選び方を確認
医薬部外品の育毛剤・医薬品の発毛剤・頭皮用化粧品の違いと、成分・使い心地・続けやすさ・買い方から自分に合う1本を選ぶ時に見ておきたいポイントをまとめました。
無料育毛剤の選び方を見る使い始めに抜け毛が増えた気がしたら
育毛剤を使い始めてから『抜け毛が増えた気がする』と感じる方もいます。使い始めの抜け毛については、初期脱毛の記事でまとめています。
頭皮に赤みやかゆみ、痛みが出たら、いったん使うのをやめて医師か薬剤師に見てもらいましょう。
選ぶ前に見ておきたい表示
『どれを買えばいいか分からない』という時は、パッケージの表示から見てみてください。見る場所が決まっていると、売り場でも迷いにくくなります。
- 箱の「医薬部外品」や「第1類医薬品」といった区分の表示
- 有効成分の名前
- 効能・効果の欄に書かれている言葉
- 1日に使う回数と、1回の量の目安
- 使用上の注意(使えない人、相談したい人)
迷った時は、ドラッグストアの薬剤師や登録販売者に「抜け毛が気になっている」と伝えて聞いてみましょう。
皮膚科に相談したいサイン
自然な抜け毛かどうか、自分で見分けるのが難しいこともあります。日本皮膚科学会のQ&Aでは、抜け毛がある時は皮膚科など専門の医療機関を受診して対策を知ることが大切だとしています。
- 円形など、まとまって抜けた所がある
- 急に抜け毛が増えて、2週間ほど続いている
- 頭皮の赤みやかゆみ、ふけ、痛みがなかなか引かない
- 薬を飲み始めてから抜け毛が気になる
- 体調の変化や、大きな出来事のあとに抜け毛が増えた
持病の薬を飲んでいる方は、抜け毛が気になっても薬を自分の判断でやめたり減らしたりせず、まず主治医か薬剤師に話してみてください。妊娠中・授乳中の方や、お子さんの抜け毛も、まず医師に相談しましょう。
「抜け毛くらいで病院に行っていいのかな」
「記録を持っていけば、話が早いと思うよ」
こんなふうに迷うこともありますよね。相談するのは早いほど安心できます。記録と写真を持って、気軽に相談してみてください。
相談する時に伝えたいこと
診察の時間は限られています。伝えたいことを先にメモしておくと、落ち着いて話せますよ。
| 伝えること | 例 |
|---|---|
| いつから気になるか | 2週間くらい前から |
| どこが気になるか | 頭頂部、分け目、生え際など |
| 量の変化 | 記録で「多い」が続いている |
| 頭皮の様子 | かゆみ・赤み・ふけがあるか |
| 使っている物 | シャンプー、育毛剤、飲んでいる薬 |
よくある質問
抜け毛を完全になくす方法はありますか?
ありません。髪には毛周期という生えかわりのサイクルがあり、古い毛が抜けて新しい毛が育ちます。毎日いくらか抜けるのは、ごく自然なことです。
1日100本以上抜けたら異常ですか?
100本は目安で、個人差や季節、ヘアケアの仕方でも変わります。本数だけで判断せず、急に増えていないか、一部分だけ抜けていないか、頭皮に赤みがないかもあわせて見てみてください。
抜けた毛の本数は、毎日数えるべきですか?
毎日数える必要はありません。数えるのは記録期間の数日だけにして、あとは「いつもと比べてどうか」で見るくらいで十分です。数えることが不安になる場合は、量を3段階でメモする方法もあります。
自然な抜け毛かどうか、どこで見分ければいいですか?
量・場所・形・頭皮の様子・続いている期間の5つで見てみてください。円形に抜けた所がある、頭皮に赤みがある、増える一方という時は、皮膚科で相談しましょう。
育毛剤を使えば抜け毛はなくなりますか?
なくなるとは言えません。医薬部外品の育毛剤で表示できるのは「脱毛の予防」「育毛」などの効能で、効き方には個人差があります。区分と使い方を確かめてから使ってみてください。
まとめ
- 抜け毛を完全になくす方法はなく、毛周期による自然な抜け毛がある
- 1日100本程度は「数えて判定する基準」ではなく目安
- 量・場所・形・頭皮・期間の5つで、自然な抜け毛と気になる抜け毛を見分ける
- 1週間の記録と写真が、見分ける時にも相談する時にも役立つ
- まとまって抜けた所や頭皮の赤みがある時は、皮膚科で相談する





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