抜け毛を治す方法はある?皮膚科に相談する目安と市販品でできる範囲

待合室のテーブルに置かれたメモ用紙と手帳、観葉植物のイメージ

当サイトの記事は、編集部が公的機関・各メーカーの公式サイトで公開されている情報を調べて独自に執筆しています。

抜け毛が増えてきて、『どうにかして治す方法はないの?』と調べている方もいますよね。

結論から言うと、抜け毛の原因を調べて治すのは、皮膚科など医療機関の役割です。まずは皮膚科で相談してみてください。

抜け毛には、生えかわりによる自然なものもあれば、病気や薬が関わるものもあります。この記事を読むと、相談する目安と受診の準備、市販品でできることの範囲が分かります。

目次

抜け毛を治す方法はある?先に答え

先に答え
  • 抜け毛の原因を調べて治療するのは、皮膚科など医療機関の役割
  • 抜け毛には毛周期による自然なものがあり、すべてが治療の対象ではない
  • 市販の育毛剤・頭皮用化粧品で表示できるのは決められた効能の範囲
  • 発毛剤(医薬品)は、使う前に添付文書を読み、薬剤師に相談する
  • 迷ったら、記録と写真を持って皮膚科へ

『病院に行くほどのことかな』とためらう気持ちも分かります。ただ、自分で原因を決めつけて市販品を選ぶより、一度相談したほうが遠回りにならないことが多いんです。

日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aでは、抜け毛がある時は皮膚科など専門の医療機関を受診し対策を知ることが大切だとしています。

抜け毛の原因は一つではない

同じQ&Aでは、脱毛症は一つの病気ではなく、感染症、甲状腺の病気や膠原病などの内科的な病気、薬や放射線治療の副作用などでも起こると紹介されています。

原因によって相談先や対処が変わるので、見た目だけで『原因はこれだ』と決めつけないことが大切です。

「治す」は医療機関、「整える」は市販品:役割の表

抜け毛について、医療機関と市販品でできることを表にしました。どちらが良い悪いではなく、役割が違うと考えてみてください。

やりたいこと担当するところ内容
抜け毛の原因を知りたい皮膚科など医療機関頭皮や毛の状態を見て、原因を調べる
病気が関わっていないか知りたい皮膚科など医療機関必要に応じて検査やほかの科への紹介を受ける
治療を受けたい皮膚科など医療機関医師が状態に合わせて方法を考える
頭皮と髪を毎日ケアしたい自宅(市販品)医薬部外品の育毛剤や頭皮用の化粧品を使う
市販の発毛剤を考えたい薬局・ドラッグストア薬剤師から説明を受け、使えるかを確かめる
使い方を相談したい薬剤師・登録販売者区分や使い方、使用上の注意を聞く

ここが大事なところです。市販品は毎日のケアを担うもので、原因を調べたり治療したりするものではないんです。

男性型脱毛症の治療は保険がきかないことが多い

日本皮膚科学会のQ&Aでは、男性型脱毛症について「有効な治療法の多くは保険診療で受けることができません」と紹介されています。受診する前に、どんな相談をしたいかを決めておくと安心です。

費用やどんな治療があるかは、受診する医療機関で確かめてみてください。処方される薬の名前や効き目は、医師から説明を受ける内容です。

皮膚科に相談する目安

『どんな時に皮膚科に行けばいいの?』と迷う方は多いはずです。次のようなサインがある時は、相談を考えてみてください。

皮膚科に相談したいサイン
  • 円形など、まとまって抜けた所がある
  • 抜け毛が急に増えて、しばらくたっても減らない
  • 頭皮の赤み・かゆみ・ふけ・痛みが長引いている
  • 薬を飲み始めてから抜け毛が気になる
  • 大きな病気や手術、出産、急なダイエットのあとに抜け毛が増えた
  • 市販の育毛剤を使って、赤みやかゆみが出た

日本皮膚科学会のQ&Aでは、円形の脱毛について、小さなものは自然に良くなることもある一方、くり返す・広がる・数が増える時は早めの受診がすすめられています。急に頭全体の毛が抜ける時も、早めに相談したいところです。

サインごとの相談先

サインまず相談したいところ
円形に抜けた・地肌が見える所がある皮膚科
頭皮の赤み・かゆみ・ふけが続く皮膚科
薬を飲み始めてから抜け毛が増えた薬を処方した医師・薬剤師
治療中の病気がある主治医
産後の抜け毛が長く続く皮膚科(授乳中なら産婦人科にも伝える)
お子さんの抜け毛小児科や皮膚科

持病の治療中で薬を飲んでいる方は、抜け毛が気になっても薬をやめたり量を変えたりは自分で決めず、主治医か薬剤師に相談しましょう。治療中の薬と抜け毛の相談の仕方は、治療中の薬で抜け毛が気になる時の記事でも紹介しています。

どこの医療機関に行けばいい?

抜け毛の相談は、まず皮膚科が窓口になります。持病で通っている病院がある方は、その主治医に先に話してみるのもいい方法です。

『近くの皮膚科で抜け毛を見てもらえるか分からない』という時は、予約の電話で「抜け毛の相談をしたい」と伝えて確かめてみてください。受付で聞いておくと、当日の流れもイメージしやすくなります。

毛は二度と生えないの?という不安

『もう手遅れなのでは』と不安になる方もいますよね。日本皮膚科学会のQ&Aでは、脱毛症はいろいろな原因で起こり、すべての脱毛症で毛が生えなくなるわけではないと紹介されています。

同じQ&Aでは、毛が抜ける理由を見きわめて毛包の状態を評価することが大切で、心配な時はできるだけ早く医療機関を受診するとよいとされています。不安を一人で抱えず、早めに相談してみてください。

受診の準備メモ

皮膚科の診察は、限られた時間で話すことになります。『何を話せばいいか分からない』とならないように、準備しておくと安心です。

受診までの準備
  1. いつから抜け毛が気になるか、カレンダーで振り返る
  2. 気になる場所の写真を、同じ明るさで撮っておく
  3. 抜け毛の量の変化を、1週間ほどメモしておく
  4. 飲んでいる薬やサプリメントを書き出す(お薬手帳があれば持っていく)
  5. 使っているシャンプー・育毛剤の名前を控える
  6. 聞きたいことを3つまでにしぼって書いておく

そのまま使える準備メモの例

項目書いておくこと
気になり始めた時期例:1か月くらい前から
気になる場所頭頂部、分け目、生え際、全体など
抜け方全体的に増えた、一部分だけ抜けた、など
頭皮の様子かゆみ・赤み・ふけ・痛みの有無
体や生活の出来事病気・手術・出産・急な体重の変化・強い疲れ
飲んでいる薬お薬手帳の内容
使っている物シャンプー、育毛剤、整髪料、カラーの頻度
聞きたいこと原因は何が考えられるか、家でできること、など

『こんなことまで話していいの?』と思うようなことでも、メモしておけば医師が判断の手がかりにできます。恥ずかしがらずに書いておきましょう。

受診の前日にしておきたいこと

頭皮を見てもらうので、前日はいつもどおりに髪を洗っておくと安心です。整髪料はなるべくつけずに行くと、頭皮の様子が見えやすくなります。

市販の育毛剤を使っている方は、使っている物をそのまま持っていくか、パッケージの写真を撮っておくと話が早いですよ。

皮膚科ではどう伝える?会話の例

診察室に入ると、緊張して言いたいことを忘れてしまうこともありますよね。最初の一言を決めておくと、話し始めやすくなります。

「1か月くらい前から抜け毛が増えた気がして、頭頂部が気になっています」
「かゆみや赤みはありますか?」
「かゆみは少しあります。メモを持ってきたので見てもらえますか」

こんなふうに、メモを渡しながら話すと伝え漏れが減ります。気になる所の写真を見せるのもいい方法です。

聞いておきたいこと
  • 原因として何が考えられるか
  • 家でのシャンプーや育毛剤の使い方で、気をつけること
  • 次に来たほうがいい時期や、すぐ来たほうがいいサイン

説明を聞いて分からなかった言葉は、その場で聞き返してかまいません。メモを取りながら聞くと、家に帰ってから見返せます。

家族と一緒に受診する時

お子さんや高齢の家族の抜け毛で付き添う時は、本人が話しにくいことを代わりにメモしておくと助かります。いつから気になり始めたか、家で気づいたことなどを、付き添う人の目線で書いておきましょう。

ただ、話すのはできるだけ本人に任せるのがおすすめです。本人の言葉で困っていることを伝えると、医師も様子をつかみやすくなります。

説明で出てくることがある言葉

言葉意味
毛周期髪が伸びる・休む・抜けるをくり返すサイクル
休止期毛が抜け落ちて、次の毛が育つのを待つ時期
休止期脱毛大きな手術や出産、過激なダイエットなどの後に抜け毛が増える現象
壮年性脱毛症市販の発毛剤の効能・効果に書かれている言葉
添付文書医薬品の箱に入っている文書で、使い方や使えない人が載っている

言葉の意味が分かると、医師の説明が頭に入りやすくなります。分からない言葉は、遠慮なく聞き返してみてください。

市販品でできる範囲:育毛剤・発毛剤・頭皮用化粧品

医療機関で相談したうえで、『家でも何かケアをしたい』という方もいますよね。市販品は区分によって、表示できる効能や使い方の決まりが違います。

区分主な商品表示できる効能の範囲使う前に確かめたいこと
医薬部外品薬用育毛剤・養毛剤育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛使用上の注意と使い方
医薬品発毛剤(第1類医薬品など)製品の添付文書に書かれた効能・効果対象となる人・使えない人の条件、薬剤師の説明
化粧品ヘアトニック・頭皮用美容液など頭皮、毛髪をすこやかに保つ、フケ・カユミを抑える 等育毛をうたえない区分であること

医薬部外品の効能の範囲は、厚生労働省の通知(医薬品等適正広告基準の解説)に「育毛剤(養毛剤)」として載っているものです。商品ごとの効能は、パッケージや公式サイトで確かめてください。

市販品でできること
  • 表示された効能の範囲で、毎日の頭皮ケアをする
  • 薬剤師や登録販売者に、区分や使い方を相談する
  • 皮膚科で聞いた注意を守りながら使う
市販品でできないこと
  • 抜け毛の原因を調べる
  • 病気が関わる抜け毛を治療する
  • 誰にでも同じように効くと約束する

発毛剤は「使えない人」の条件を先に読む

市販の発毛剤は医薬品で、ミノキシジルを配合した物は第1類医薬品です。購入する時は薬剤師から説明を受けることになります。

PMDAに掲載されている、ミノキシジル5%外用液のある一般用医薬品の添付文書では、使用しない人として未成年者(20歳未満)、女性、壮年性脱毛症以外の脱毛症の人などが挙げられています。この添付文書には「本剤は誰にでも効果があるわけではありません」という一文も載っています。

条件は製品ごとに違うので、購入前に添付文書へ目を通し、薬剤師に使えるかを確かめてください。育毛剤と発毛剤の違いは、育毛剤と発毛剤の違いの記事で詳しく紹介しています。

育毛剤は医療の代わりではない

医薬部外品の育毛剤は、毎日の頭皮ケアの一つです。皮膚科で相談するサインがあるのに、育毛剤だけで様子を見続けるのは避けたいところです。

育毛剤の区分や役割をおさらいしたい方は、育毛剤とはどんな商品かの記事へどうぞ。

育毛剤えらび

買う前に、育毛剤の選び方を確認

医薬部外品の育毛剤・医薬品の発毛剤・頭皮用化粧品の違いと、成分・使い心地・続けやすさ・買い方から自分に合う1本を選ぶ時に見ておきたいポイントをまとめました。

無料育毛剤の選び方を見る

「抜け毛を治す方法」を調べる時に気をつけたい情報

ネットで抜け毛を治す方法を調べると、いろいろな情報が出てきますよね。中には、言い切りの言葉で期待をあおるものもあるので、見分け方を知っておくと安心です。

厚生労働省の通知(医薬品等適正広告基準の解説)では、効能効果が確実であると保証するような表現は認められないとされ、例として「根治」「全快する」などが挙げられています。体験談のような広告も、原則として行ってはならないとされています。

こんな言葉を見かけたら一度立ち止まって考えたいこと
「根本から改善」「全快」効能を保証する言い方になっていないか
「これだけで解決」区分と効能の表示はどうなっているか
使用前後の写真効果の出る時間や安全を約束していないか
海外の薬を安く買える個人輸入の危険性を知ったうえでの話か

海外の薬の個人輸入は慎重に

厚生労働省は、医薬品の個人輸入には健康被害などの危険性があり、通常はメリットより危険性のほうが大きい場合が多いと注意を呼びかけています。偽造品の可能性や、品質・有効性・安全性が国内の法律で確かめられていないことも挙げられています。

さらに、個人輸入した医薬品による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。『早く治したい』という気持ちは分かりますが、まずは国内の医療機関で相談してみてください。

受診の後、自宅で続けたいこと

皮膚科で相談した後も、毎日の頭皮と髪のケアは自宅が中心です。医師から受けた説明を優先しながら、次のことを続けてみてください。

続けたいことポイント
医師の説明を守る使う薬や塗り方は、説明どおりに
頭皮をやさしく洗う指の腹で洗い、すすぎを丁寧に
根元まで乾かす濡れたまま寝ない
記録を続ける次の受診で変化を伝えやすくなる
新しい市販品は相談してから治療中の物と一緒に使ってよいかを確かめる

日本皮膚科学会のQ&Aでは、生活上の注意として、髪に負担のかかる髪型や極端に頻繁なカラーリングを避けること、バランスのとれた食事と規則正しい生活を心がけることが挙げられています。

治療中にやりがちなこと
  • 早く良くしたくて、市販品を自己判断で重ねて使う
  • 変化が分からないからと、言われた期間の前にやめてしまう
  • 次の受診の予約を取らずに、そのままにしてしまう

治療中に気になることが出てきたら、次の受診を待たずに医療機関へ問い合わせてみてください。

次の受診までの記録

次の受診で「どうでしたか?」と聞かれた時に、すぐ答えられるようにしておきましょう。抜け毛の量、頭皮の様子、使った薬やケア用品を、週に1回くらいメモしておくだけで十分です。

写真は、最初に撮った時と同じ場所・同じ明るさで撮ると比べやすくなります。

気持ちの負担が大きい時は

抜け毛が気になって、気持ちが落ち込んでしまうこともありますよね。そんな時は、一人で抱えずに家族や身近な人に話してみるのも一つの方法です。

働く人向けには、厚生労働省が運営する「こころの耳」に電話・SNS・メールの相談窓口があります。気持ちのつらさが続く時は、こうした窓口も頼ってみてください。

よくある質問

抜け毛を自分で治す方法はありますか?

抜け毛の原因を調べて治療するのは、皮膚科など医療機関の役割です。自分でできるのは、毎日の頭皮と髪のケアです。気になるサインがある時は、皮膚科で相談してみてください。

抜け毛で皮膚科に行ってもいいのでしょうか?

大丈夫です。日本皮膚科学会のQ&Aでも、抜け毛がある時は皮膚科など専門の医療機関を受診し対策を知ることが大切だとしています。記録や写真を持っていくと話がスムーズです。

市販の育毛剤で抜け毛を治すことはできますか?

医薬部外品の育毛剤で表示できるのは「脱毛の予防」「育毛」などの効能で、治療するものではありません。原因を知りたい時は、皮膚科で相談しましょう。

市販の発毛剤は誰でも使えますか?

使えない人の条件があります。例えばあるミノキシジル外用液の添付文書では、未成年者や女性、壮年性脱毛症以外の脱毛症の人は使わないこととされています。購入前に添付文書へ目を通し、薬剤師に使えるかを確かめてください。

薬を飲み始めてから抜け毛が増えました。薬をやめたほうがいいですか?

薬は、自分の判断でやめたり量を変えたりしないでください。薬を処方した医師や薬剤師に、抜け毛が気になることを伝えて相談しましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 抜け毛の原因を調べて治療するのは、皮膚科など医療機関の役割
  • 市販品は区分ごとに表示できる効能が決まっていて、毎日のケアを担うもの
  • 円形に抜けた、急に増えた、頭皮に赤みがある時は皮膚科へ
  • 受診の前に、時期・場所・量・薬・使っている物をメモしておく
  • 発毛剤は使えない人の条件があるので、添付文書と薬剤師の説明を確かめる
育毛剤えらび

育毛剤えらび 編集部

抜け毛や髪のボリュームが気になり始めた方に向けて、育毛剤(医薬部外品)・発毛剤(医薬品)・頭皮用化粧品の違い、成分と選び方、正しい使い方と続け方、市販と通販の買い方、定期購入の確かめ方をまとめている情報サイトです。 公式サイト

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