ニットの抜け毛対策は?毛が抜ける理由と素材別の洗濯・保管のコツ

たたんだニットと洋服ブラシ

当サイトの記事は、編集部が公的機関・各メーカーの公式サイトで公開されている情報を調べて独自に執筆しています。

お気に入りのニットを着た日に、コートの内側やバッグに細かい毛がびっしり。そんな経験から、ニットの抜け毛対策を探している方も多いですよね。

結論から言うと、ニットの抜け毛は素材の性質によるところが大きく、ゼロにはできません。ただ、「こすらない」「素材に合った洗い方をする」「たたんでしまう」の3つで、抜ける量や毛羽立ちはぐっと減らせます。

この記事では、素材ごとの扱い方の違いを中心に、着る日・洗う日・しまう日にできることを順番にお話しします。

目次

ニットの抜け毛対策は?先に結論

先に結論
  • 毛が抜けやすいかどうかは、素材と糸の作りでかなり決まる
  • アンゴラやモヘアは、もともと毛が抜けやすい素材として知られている
  • 抜け毛を増やすのは、摩擦・洗い方・保管のしかた
  • 洗う前に洗濯表示を見て、家で洗えるか、クリーニングかを決める
  • セーターはハンガーに掛けっぱなしにせず、たたんでしまう

育毛剤えらびは、もともと人の髪と頭皮のケアを扱うサイトです。ただ「抜け毛対策」という言葉では、ニットの毛の悩みも一緒に出てくるんですよね。

ここでお話しするのは、セーターやカーディガンなど編んで作られた衣類の手入れです。人の髪の話とは分けて読んでみてください。

まず、手持ちのニットのタグを見てみよう

対策を考える前に、一度タグの素材表示を見ておくのがおすすめです。同じ「ニット」でも、ウールとアクリルでは扱い方がかなり変わるからです。

『ニットはニットでしょ』と思うかもしれません。実は、混ざっている素材の割合や名前によって、毛の抜けやすさも洗い方も違ってくるんです。

タグで見る所分かること
素材の名前(毛・カシミヤ・アンゴラ等)毛が抜けやすい素材が入っているか
洗濯表示の洗濯おけの記号家で洗えるか、洗えないか
円の記号クリーニング店でどう扱うか
付記用語(「裏返して」「ネット使用」等)洗う時に気をつけること

ニットの毛はなぜ抜ける?

『高いニットほど毛が抜ける気がする』という声もよく聞きます。これにはちゃんと理由があります。

ニットは糸をループ状に編んで作るので、織物より表面がふんわりしています。さらに、肌ざわりを柔らかくするために、糸の撚り(よじり)が甘く作られている物も多いんです。

撚りが甘いと、糸から短い繊維が外に出やすくなります。そこに摩擦が加わると、繊維が表面に浮いて抜けたり、からまって毛玉になったりするわけです。

「抜け毛」「毛羽立ち」「毛玉」の違い

ニットの悩みは、似ているようで少しずつ別ものです。どれが起きているかで、対策の向きが変わります。

起きていること見え方主なきっかけまずできること
抜け毛服やバッグに細い毛がつく長い毛の素材・摩擦こすれる物を減らす・着た後に払う
毛羽立ち表面がけば立って白っぽく見える摩擦・洗濯のもみ洗いブラシで毛並みを整える
毛玉小さな玉が表面に残る脇・袖など同じ所の摩擦引っぱらずにハサミで切る
縮み・フェルト化生地が硬く小さくなる水に濡れた状態でこする洗い方を見直す

動物の毛の素材は、性質がそれぞれ違う

東京都クリーニング生活衛生同業組合の解説では、カシミヤはカシミヤ山羊、モヘヤはアンゴラ山羊、アンゴラはアンゴラウサギの毛だと紹介されています。どれも羊毛(ウール)とは違う動物の毛なんです。

同じ解説では、モヘヤは毛が抜けやすく、アルパカは表面がなめらかで毛玉になりにくいとされています。素材によって「抜けやすさ」の出方が違うと知っておくだけでも、選び方や扱い方が変わってきますよ。

素材別、抜け毛を減らす扱い方

素材ごとの違いは、ニットの手入れの土台になる話です。素材ごとに、気をつける点と向いている手入れをまとめました。

素材毛の特徴抜け毛・毛羽で気をつけること向いている手入れ
ウール(毛)羊の毛。弾力がある濡れた状態でこすると縮みやすい洗濯表示に合わせてやさしく洗い、陰干し
カシミヤ細く柔らかい。撚りが甘い物が多い摩擦で毛羽立ちやすい着た後にブラシで整え、連日着ない
アンゴラウサギの毛。とても柔らかい毛が抜けやすい裏返して手洗い、こすらない
モヘア山羊の長い毛。光沢がある毛が抜けやすい裏返して手洗い、摩擦を減らす
アルパカ表面がなめらか比較的毛玉になりにくいとされるブラッシング中心に
アクリル化学繊維。丈夫熱に弱い。静電気で毛を集めやすいアイロンは低温。柔軟剤で静電気対策

ウールのニットは「縮ませない」が第一

花王のエマールの洗い方の案内では、ウールは濡れた状態で摩擦が加わると縮みやすいとしています。縮むと編み目が詰まって、生地が硬くなってしまうんです。

ウールの場合は、抜け毛そのものより縮みのほうが困る、という方も多いはずです。洗う時は「もまない・こすらない」を意識しておきましょう。

カシミヤは「休ませる」のがコツ

カシミヤは糸の撚りが甘い物が多く、摩擦で毛羽立ちやすい素材です。クリーニングの組合の解説でも、連日の着用を避け、着た後はブラシで毛羽を整えるよう案内されています。

『お気に入りだから毎日着たい』という気持ちは分かります。ただ、1日着たら1日休ませるくらいのつもりでいると、毛羽立ちが落ち着きやすくなりますよ。

アンゴラ・モヘアは、抜けるのも魅力のうち

アンゴラとモヘアは、毛足の長いふわふわ感が魅力ですよね。その分、毛が抜けやすい素材として知られています。

花王の案内では、モヘヤとアンゴラは毛玉・毛羽立ち・抜けを防ぐため、裏返して手洗いなどでやさしく洗うとしています。モヘアの着る前後のお手入れはモヘアニットの抜け毛対策、アンゴラについてはアンゴラニットの抜け毛対策でくわしくお話ししています。

混紡(いろいろな素材が混ざった物)の場合

タグに「毛」「アクリル」のように複数の素材の名前が並んでいたら、混紡です。扱い方は、いちばんデリケートな素材に合わせておくと安心です。

例えば、ウールとアンゴラが混ざっていれば、アンゴラに合わせてやさしく洗う、という考え方ですね。

これから買う時に見ておきたいこと

『もう毛が抜けるニットで悩みたくない』という方は、買う時の見方を少し変えてみるのも手です。お店で手に取った時に、次の点を確かめてみてください。

買う前のチェック
  • タグの素材表示に、アンゴラやモヘアなど抜けやすい素材がどのくらい入っているか
  • 洗濯表示で、家で洗えるか、クリーニングが必要か
  • 表面を手のひらで軽くなでた時に、毛が手につくか
  • 毎日着たいのか、特別な日に着たいのか

毎日の通勤や家事で着るなら、扱いやすい素材を選ぶと気が楽です。特別な日に着るふわふわのニットは、手入れの手間も込みで楽しむ、と割り切るのもいいですね。

着る日にできる抜け毛対策

ニットの抜け毛対策は、着る日の工夫でもかなり変わります。出かける前と出先で、次のことを試してみてください。

着る日のチェック
  • 出かける前に、ニットを軽く振って浮いた毛を落としたか
  • ショルダーバッグやリュックが、同じ所をこすらない持ち方か
  • 下に着る服や上に羽織る服と、色が合っているか
  • 静電気が起きやすい素材の組み合わせになっていないか
  • 着る前に香水やヘアスプレーを済ませたか

バッグとリュックは、こすれる場所に注意

東京都クリーニング生活衛生同業組合の獣毛の解説でも、バッグやリュックとこすらないよう呼びかけています。肩ひもが当たる所や、脇の下は毛玉や毛羽立ちができやすい場所です。

ショルダーバッグは、ときどき肩を替えるだけでも同じ所への摩擦が減ります。ふわふわのニットの日は、手で持つバッグにしておくのも一つの方法です。

静電気は、毛を「集めて」しまう

ライオンの静電気防止スプレーのよくある質問では、ナイロンやウールと、アクリルやポリエステルを重ねると静電気が起きやすいと説明されています。静電気が起きると、抜けた毛がほかの服に吸い寄せられやすくなるんです。

例えば、ウールのニットの上にポリエステルのコートを着ると、コートの内側に毛がつきやすくなります。綿のインナーをはさむ、同じような素材でそろえるなど、組み合わせを少し変えてみてください。

毛がついても目立ちにくい色合わせ

白いニットに黒いコート、黒いニットに白いインナーのように、色の差が大きいと毛が目立ちやすいですよね。ニットと近い色の服を合わせると、ついた毛が気になりにくくなります。

出先で気になった時のために、小さな粘着ローラーをバッグに入れておくと安心です。

毛玉ができた時、どう取る?

『毛玉をつまんで引っぱったら、穴があきそうになった』という経験はありませんか。毛玉は引っぱると、周りの繊維まで一緒に引き出してしまうことがあります。

毛玉を取る手順
  1. ニットを平らな所に置き、毛玉のある所を軽く広げる
  2. 毛玉を指で持ち上げず、根元にハサミの刃をそっと当てる
  3. 生地を切らないよう、少しずつ切り取る
  4. 取れたら、ブラシで毛並みを整える
  5. 毛玉が多い所は、ふだんこすれている場所なので持ち物を見直す

クリーニングの組合のカシミヤの解説では、毛玉は引っ張らずにハサミで丁寧にカットするよう案内しています。毛玉が落ちるということは、それだけ繊維が減っているということなんです。

毛玉取りの道具を使う時は

電動の毛玉取りやブラシ型の道具を使う方もいますよね。使う時は、生地を傷めないよう軽く当てて、同じ所を何度もこすらないようにしましょう。

カシミヤやアンゴラなど繊細な素材は、まずハサミで少しずつ試してみるのが安心です。迷ったら、クリーニング店で毛玉の処理を相談するのもいいですね。

着た後のブラッシングで、毛羽を寝かせる

着た後に、やわらかい洋服ブラシで毛並みに沿って軽く整えておくと、毛羽立ちが落ち着きやすくなります。ほこりも一緒に落とせるので、次に着る時に気持ちいいですよ。

ブラシは強く押しつけず、表面をなでるくらいの力で十分です。

家で洗う?クリーニングに出す?

ニットの抜け毛対策で迷いやすいのが、洗い方です。決め手になるのは、タグの洗濯表示です。

洗濯表示意味どうするか
洗濯おけに数字家で洗える(数字は水温の上限)おしゃれ着用の洗剤で弱い水流で
洗濯おけに手家で手洗いできる押し洗いや「沈める・浮かせる」で
洗濯おけに×家では洗えないクリーニング店に相談
円の記号クリーニング店での扱い方出す時にお店に見せる

おけや円などの記号の意味は、消費者庁の洗濯表示のページで確かめられます。分からない記号があったら、洗う前に一度見ておきましょう。

家で洗う時に向くこと
  • 洗濯表示で家庭洗濯ができる
  • 汚れが軽く、においが気になる程度
  • 素材がウールやアクリルなど比較的扱いやすい
クリーニングに任せたいこと
  • 洗濯おけに×がついている
  • アンゴラやモヘアなど毛が抜けやすい素材が多い
  • 大切な一着で、縮みや型くずれが心配

家で洗う時の流れ

花王のエマールの案内では、セーターは30℃以下の水で、たたんだ状態でやさしく「沈める」「浮かせる」を繰り返す手洗いを紹介しています。強くもむ・こするのは避けるよう案内されています。

家でニットを洗う流れ
  1. 洗濯表示を見て、家で洗えるか確かめる
  2. 汚れた所を確認し、色の濃い物は目立たない所で色落ちを確かめる
  3. たたんで洗濯ネットに入れる(モヘア・アンゴラは裏返す)
  4. 洗濯機の弱い水流のコースか、手洗いでやさしく洗う
  5. 脱水は短めにし、形を整えて陰干しする

ローゲージ(太い糸でざっくり編んだ物)や重いセーターは、吊るすと伸びやすいですよね。タオルで水気を吸わせてから平らに干すと、型くずれを防ぎやすくなります。

クリーニング店に出す時のひと言

クリーニング店では、気になっていることを具体的に伝えると話が早いです。例えば、こんな言い方です。

「アンゴラが入っているニットで、毛がよく抜けるんです。やさしい洗い方でお願いできますか」
「わきの毛玉も、できれば取っていただけますか」

しまう時の手入れと保管のコツ

シーズンが終わったら、しまう前のひと手間が来年の毛羽立ちや虫食いを左右します。全国クリーニング生活衛生同業組合連合会は、セーターなどのニットをたたんでしまうよう案内しています。ハンガーに掛けたまま長く置くと、重みで形が崩れるためです。

しまう前の準備
  1. 洗濯表示に合わせて洗うか、クリーニングに出す
  2. 日陰で風を通し、しっかり乾かす
  3. 毛玉があれば取り、ブラシで毛並みを整える
  4. 袖を内側に折り、ふんわりたたむ
  5. 防虫剤を1種類だけ、衣類の上に置いてしまう

しまう時によくある失敗

ついやりがちなこと起きやすい困りごと代わりにすること
一度着ただけだからと洗わずにしまう皮脂や汚れが虫食いのもとにしまう前に洗うかクリーニングへ
クリーニングのビニールをかけたまま湿気がこもりやすい帰ったら外して風を通す
ハンガーに掛けたまま長く保管肩が伸び、形が崩れるたたんで引き出しや衣装ケースへ
引き出しにぎゅうぎゅうに詰める毛がつぶれ、しわになる重ねすぎず、ゆとりを持たせる
防虫剤を何種類も入れる変色やしみの原因になることがある1種類にして表示を守る

東京都クリーニング生活衛生同業組合も、洗ってから保管が基本で、ビニールは外して日陰で風を通すよう呼びかけています。ときどき引き出しを開けて風を入れてあげると、湿気がこもりにくくなりますよ。

シーズン中の「ちょっと置き」はどうする?

着てすぐ洗うほどではないけれど、たたんでしまうのも気が引ける、という日もありますよね。そんな時は、椅子の背などに平らに広げて少し風を通してから、たたんで棚に戻すのがおすすめです。

フックに引っかけたままにすると、そこだけ伸びてしまうことがあるので気をつけてください。

人の髪の抜け毛が気になる方へ

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ニットの手入れで出てくる言葉

ニットの手入れの説明を読んでいると、聞きなれない言葉が出てきますよね。この記事で使った言葉をまとめておきます。

言葉意味
撚り(より)繊維をねじって糸にすること。甘いと柔らかいが毛羽が出やすい
ゲージ編み目の細かさ。ローゲージは太い糸でざっくり編んだ物
混紡複数の素材を混ぜて作った糸
フェルト化濡れた毛の繊維がからみ合い、生地が硬く縮むこと
平干し衣類を吊るさず、平らな所に広げて干すこと
言葉を知っておくと

「ローゲージだから平干し」「撚りが甘いから摩擦に注意」のように、タグや説明の意味がつながって分かりやすくなります。

よくある質問

ニットの抜け毛を完全になくす方法はありますか?

素材の性質によるところが大きいので、ゼロにはできません。摩擦を減らし、素材に合った洗い方と保管をすることで、抜ける量や毛羽立ちを減らしていくのが現実的です。

どの素材のニットが毛が抜けにくいですか?

一般に、アンゴラやモヘアは毛が抜けやすい素材として知られています。アルパカは表面がなめらかで毛玉になりにくいとされています。抜け毛が気になる方は、タグの素材表示を見て選んでみてください。

毛玉は手で取ってもいいですか?

引っぱると周りの繊維まで引き出してしまうことがあるので、ハサミで根元を少しずつ切るのがおすすめです。

セーターはハンガーに掛けて保管してもいいですか?

長く掛けたままにすると、重みで肩が伸びて形が崩れやすくなります。シーズンオフの保管は、たたんで引き出しや衣装ケースにしまいましょう。

静電気で毛がつくのを減らすには?

静電気が起きにくい素材の組み合わせにする、洗える物は柔軟剤で仕上げる、衣類用の静電気防止スプレーを表示どおりに使う、などの方法があります。

ニットを家で洗うと抜け毛が増えますか?

もみ洗いや強い脱水は、毛羽立ちや縮みの原因になります。洗濯表示で家で洗えるか確かめ、ネットに入れてやさしく洗い、脱水は短めにしましょう。

まとめ

この記事の要点
  • ニットの抜け毛は、素材と糸の作りによるところが大きい
  • アンゴラやモヘアは毛が抜けやすく、カシミヤは摩擦で毛羽立ちやすい
  • 着る日はバッグのこすれと静電気に気をつける
  • 毛玉は引っぱらず、ハサミで少しずつ切る
  • 洗濯表示を見て、家で洗うかクリーニングかを決める
  • シーズンオフは、洗ってからたたんで保管する
育毛剤えらび

育毛剤えらび 編集部

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