ファーコートの抜け毛対策は?ブラッシングと保管・クリーニングのコツ

幅広ハンガーに掛けたファーコートと不織布のカバー

当サイトの記事は、編集部が公的機関・各メーカーの公式サイトで公開されている情報を調べて独自に執筆しています。

久しぶりにファーコートを出してみたら、肩のあたりの毛がぺたんとしていたり、着るたびに毛が落ちたり。そんな様子を見て、ファー コートの抜け毛対策を調べている方も多いですよね。

結論から言うと、ファーコートの毛抜けは、着ている時よりも「しまっている間」に進むことが少なくありません。汚れを落としてからしまう、幅の広いハンガーで押しつぶさずに吊るす、クリーニングは毛皮を扱えるお店に頼む、の3つが大きな分かれ目になります。

この記事では、コートならではの保管とクリーニングを中心に、1年を通した手入れの流れをお話しします。

目次

ファーコートの抜け毛対策は?先に結論

先に結論
  • 毛抜けの原因には、湿気・ほこり・虫食い・摩擦・押しつぶしなどがある
  • シーズン中は、着た後に袖に手を通して軽く振り、ほこりを落とす
  • しまう前に汚れを落とし、湿気を飛ばしてから保管する
  • 幅の広いハンガーに掛け、前後にすき間をとって吊るす
  • クリーニングは毛皮を扱えるお店に、扱い方を確かめてから頼む

このサイトの中心は、人の髪と頭皮のケアの話です。ただ「抜け毛対策」と調べると、ファーのような衣類の毛の悩みも一緒に出てくるんですよね。

ここで扱うのは、毛皮やフェイクファーを使ったコートの手入れです。ラビットファーの小物やマフラーの手入れはラビットファーの抜け毛対策でお話ししているので、そちらも見てみてください。

ファーコートの毛が抜けるのはなぜ?

『大事にしまっておいたのに、なんで抜けるの?』とがっかりした方もいるかもしれません。実は、しまい方そのものが毛抜けにつながることがあるんです。

一般社団法人 日本毛皮協会は、毛皮の毛抜けの要因として、乾燥が不十分なまま保管して細菌が増え、毛の根元が傷むことを挙げています。ほかにも、着ている時の摩擦、虫食い、自然な劣化なども毛が抜ける原因になるとしています。

しまっている間に起きやすいこと

コートは丈が長く重さもあるので、小物よりも保管の影響を受けやすいものです。しまっている間に何が起きるかを知っておくと、対策の意味が分かりやすくなりますよ。

しまっている間に起きることきっかけ見え方
毛の根元が傷む湿気が残ったまましまう触ると毛がまとまって抜ける
虫食い汚れやほこりがついたまま部分的に毛がなくなる
毛がつぶれる・寝るほかの服に押される肩や背中の毛がぺたんとする
色があせる光が当たる場所に置く一部だけ色が変わる
皮が硬くなる湿気やカビ、除湿剤の置き方生地がごわつき、裂けやすくなる

毛皮協会は、塩化カルシウム系の除湿剤に注意することや、紫外線や蛍光灯の光で色が変わることにも触れています。クローゼットの中の環境も、毛を守る大事な要素なんです。

着ている時の摩擦も見落とさない

コートは、ショルダーバッグや車のシートベルト、電車の座席の背もたれなど、こすれる所が多い服です。毛皮協会も、バッグや車の運転による摩擦に注意するよう呼びかけています。

肩や脇の毛が先に薄くなってきたら、バッグの持ち方を見直すサインかもしれません。

まず見分けたい、コートのファーの種類

ファーコートといっても、本物の毛皮、化学繊維のフェイクファー、えりや袖口だけにファーがついたコートでは、手入れの方法が違います。まずはタグで種類を確かめておきましょう。

種類見分け方家で洗えるか保管で気をつけること
リアルファー(本物の毛皮)素材表示に動物の名前家では洗わない湿気・虫・光・押しつぶし
フェイクファー(エコファー)化学繊維の名前洗濯表示しだい熱・押しつぶし・静電気
ファー付きコート本体とファーで表示が別本体とファーで別に判断取り外せるファーは別にしまう

タグの記号は、消費者庁の洗濯表示のページで確かめられます。円の記号はクリーニング店での扱い、洗濯おけの記号は家での洗濯のことです。

ファー付きコートは、本体とファーを分けて考える

えりやフードにファーがついたダウンやウールのコートは、本体とファーで素材が違うことが多いですよね。取り外せるファーなら、本体を洗う前やしまう前に外しておくと、それぞれに合った扱いができます。

取り外せない作りの場合は、タグの表示を見て、扱いがむずかしそうならクリーニング店に相談するのが安心です。

フェイクファーのコートの場合

花王の洗い方の案内では、エコファー(フェイクファー)は洗濯表示で洗える物ならネットに入れておしゃれ着のコースで洗えることがあるとしています。柔軟剤で仕上げると、ふわふわ感を保ち静電気も防げると紹介されています。

ただ、コートは大きく重いので、家で洗うと型くずれしやすいこともあります。『家の洗濯機に入るかな』と迷うくらいなら、クリーニング店に任せたほうが安心ですよ。

シーズン中のお手入れ

寒い季節に毎日のように着るなら、帰ってきた時のひと手間が毛抜けを減らす近道です。毛皮協会は、コートは袖に手を通した状態で軽く振ってほこりを落とすよう案内しています。

帰ってきた時のお手入れ
  1. 玄関の外など毛が落ちても困らない所で、袖に手を通して軽く振る
  2. 背中や肩を手で軽くたたき、毛の間のほこりを落とす
  3. 毛並みに沿って手のひらでなでて整える
  4. 湿っていないか、えりと袖口を触って確かめる
  5. 幅の広いハンガーに掛け、少し風を通してからクローゼットへ

汚れが気になる所は「毛先だけ」拭く

えりや袖口は、肌や髪に触れて汚れやすい所です。毛皮協会は、ぬるま湯に浸して絞ったタオルで、皮まで濡らさないよう毛先だけを毛並みに沿って拭く方法を紹介しています。

拭いた後は、日陰の風通しのよい所で自然に乾かしましょう。ベンジンやシャンプーは使わないよう呼びかけられています。

ブラッシングはやさしく、毛並みに沿って

花王の案内では、リアルファーは着た後にこまめにブラッシングしてほこりを落とし、毛並みを整えるよう紹介しています。力を入れすぎると毛が抜けやすくなるので、表面をなでるくらいの力で十分です。

『どのくらいの力でいいの?』と迷ったら、手のひらで毛並みを整える感覚に近い強さを目安にしてみてください。

座る時と脱いだ時の置き方にも気を配る

コートを着たまま長く座ると、お尻や背中の毛が押されて寝てしまいます。電車や車で長く座る時は、前を開けて背中を少し浮かせるか、脱いでひざにかけておくと、毛がつぶれにくくなります。

お店や職場で脱いだ時は、椅子の背に丸めて掛けるより、ハンガーを借りて吊るせると安心です。「すみません、コートを掛けるハンガーをお借りできますか」と聞いてみてもいいですね。

しまう前の準備

ファーコートの抜け毛対策で、いちばん差が出るのがシーズン終わりです。『まだ寒い日があるかも』とつい掛けっぱなしにしがちですが、しまう時期を決めて準備しておきましょう。

しまう前の準備
  1. 晴れて空気が乾いた日を選んで、全体を振ってたたき、ほこりを落とす
  2. 明るい所で、えり・袖口・ポケットまわりの汚れやしみを確かめる
  3. 汚れがあれば、毛皮を扱えるクリーニング店に相談する
  4. 日陰で風を通し、湿気をしっかり飛ばす
  5. ポケットの中の物を出し、取り外せるファーは外す
  6. 幅の広いハンガーに掛け、通気性のあるカバーをかける

毛皮協会は、汚れたまま保管すると害虫がつく原因になると説明しています。一度しか着ていないシーズンでも、えりや袖口は思ったより汚れていることがあるので、一度よく見てみてください。

クリーニングから戻ってきたら

クリーニングから戻ってきたコートには、ビニールのカバーがかかっていますよね。東京都クリーニング生活衛生同業組合は、ビニールは帰ったら外して風を通すよう呼びかけています。

お店の細いハンガーのままにせず、コートの重さと肩幅に合ったハンガーに掛け替えておくのも大切です。

クローゼットでの保管のコツ

しまう場所の環境も、毛を守るうえで欠かせません。毛皮協会の案内では、暗くて涼しく、風通しのよい所に、通気性のあるカバーを掛けて光とほこりを防ぐよう紹介しています。

保管場所のチェック
  • 幅の広いハンガーで、肩の形に合っているか
  • コートの前後に、毛がつぶれないくらいのすき間があるか
  • 不織布など、通気性のあるカバーをかけているか
  • 防虫剤は1種類だけにしているか
  • 塩化カルシウム系の除湿剤を近くに置いていないか
  • 窓の光や照明が当たりにくい場所か

保管でよくある失敗

しまい方の失敗起きること防ぎ方
ほかのコートとぎゅうぎゅうに掛ける毛が押しつぶされて寝てしまう前後にすき間をとって吊るす
細い針金のハンガーに掛ける肩の形がくずれ、重みで毛がつぶれる幅の広いハンガーに替える
丈の長いコートの裾が床につく裾の毛がつぶれ、ほこりもつく裾が床に当たらない高さに掛ける
防虫剤を何種類も入れる化学変化でしみになることがある1種類にして表示を守る
しまいっぱなしで一度も見ない虫食いや湿気に気づくのが遅れる季節の変わり目に一度出して確かめる

丈の長いコートは、裾が床や収納ケースに当たっていないかも見ておきましょう。裾の毛だけ傷んでいる時は、ここが原因になっていることがあります。

圧縮袋や箱に入れない

場所をとるからと、コートを圧縮袋や箱にしまいたくなることもありますよね。でも、毛皮は押しつぶされると毛が寝て、元に戻りにくくなります。

毛皮協会も、コートは幅の広いハンガーに掛けて、押しつぶれないよう吊るすよう案内しています。どうしても場所が足りない時は、保管の相談ができるお店を探してみるのも一つの方法です。

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保管中に「コートを見る日」を作る

一度しまったら次の冬まで開けない、という方も多いはずです。でも、虫食いや湿気の跡は、早く気づくほど相談できることが増えます。

梅雨明けや衣替えの時期など、年に何回か「コートを見る日」を決めておきましょう。カバーを外して全体を眺め、次のような所を見ておくと安心です。

  • えりや袖口に、点々とした跡や毛が抜けた所がないか
  • カバーの中がしめっぽくないか、においがこもっていないか
  • 前後の服に押されて、毛が寝ていないか

気になる所があったら、晴れた日に風を通し、それでも心配なら毛皮を扱えるお店に見てもらいましょう。

クリーニングの頼み方

ファーコートのクリーニングは、どこに出しても同じではありません。毛皮協会は、「毛皮専用のパウダークリーニング法で」扱ってもらえるかを確かめるよう案内しています。

パウダークリーニング
  • 洗剤をしみこませたパウダーと一緒に回転させて汚れを取る
  • 毛皮協会の説明では、通常は損傷が起こらない方法
  • 毛皮を扱うお店で頼める
一般的なドライクリーニング
  • 溶剤の脱脂力が強いとされる
  • 皮が硬くなったり、縮んだり、型くずれしたりするおそれ
  • 毛皮には向かないとされている

お店に聞いておきたいこと

出す前に、お店で次のことを聞いておくと安心です。言いにくければ、メモを見ながらでも大丈夫ですよ。

クリーニング店で確かめること
  • 毛皮のコートを扱っているか
  • 「パウダークリーニングで毛皮を扱っていただけますか」
  • 取り外せるファーや本体は、別々に扱うのか
  • 毛抜けがすでにある所を、出す前に一緒に見てもらえるか
  • 仕上がりの受け取りの時期と、受け取り後のしまい方

例えば、こんなふうに伝えてみてください。

「肩のあたりの毛が少し抜けてきているんです。パウダークリーニングで扱っていただけますか」
「出す前に、袖口のすれも一緒に見ていただけますか」

出す前と受け取る時に見る所

毛皮協会は、出す前と受け取った時に、すれや破れ、毛や皮の状態、縫い目、虫やカビがないかをお店の人と一緒に確かめるよう案内しています。

確かめる所出す前受け取る時
毛の状態抜けている所・つぶれている所増えていないか、毛並みが整っているか
皮の状態硬い所・裂けそうな所硬くなっていないか
すれ・破れ肩・脇・袖口・裾新しい傷がないか
縫い目ほつれていないか広がっていないか
虫・カビ点々とした跡がないか処理されているか

出す前に、気になる所をスマートフォンで撮っておくと、受け取る時に比べやすくなります。

受け取った後のしまい方

クリーニングから戻ったら、ビニールを外して幅の広いハンガーに掛け替え、通気性のあるカバーをかけてからしまいます。東京都クリーニング生活衛生同業組合も、クリーニング店は長く預かることを前提にしていないので、仕上がったら早めに受け取るよう呼びかけています。

人の髪の抜け毛が気になる方へ

コートの毛を見ていて、自分の髪の抜け毛まで気になってきた、という方もいるかもしれません。人の髪のケアに使う育毛剤は、育毛剤とはどんな商品かの解説で紹介しています。

1年の手入れの流れ

ファーコートは、季節ごとにやることを決めておくと、忘れずに手入れできます。目安として、1年の流れをまとめました。

時期することポイント
着始め出して振り、風を通す・毛並みを整えるにおいや虫の跡がないか見る
シーズン中着た後に振る・ほこりを落とす湿ったまましまわない
シーズン終わり汚れの確認・クリーニングの相談晴れて乾いた日に作業する
保管中季節の変わり目に一度出して確かめる湿気・虫・押しつぶしを見る
次のシーズン前状態を見て、必要なら修理を相談早めに動くと選べるお店が増える

修理やリフォームを考える時

毛が抜けて皮が見えてきた、裂け目ができた、という時は、クリーニングより先に毛皮の修理を扱うお店に相談してみてください。どこまで直せるかはお店や状態によって違うので、見てもらってから決めましょう。

『もう着られないかな』と思っても、サイズを直したり、小物に作り替えたりする相談ができることもありますよ。

よくある質問

ファーコートの抜け毛を止める方法はありますか?

毛が一本も抜けなくなる方法はありません。汚れと湿気を残さずにしまう、押しつぶさずに吊るす、毛皮を扱えるお店でクリーニングする、などで抜ける量を減らしていくのが現実的です。

ファーコートは毎年クリーニングに出したほうがいいですか?

汚れやしみが目立つ時、えりや袖口の汚れが気になる時は、しまう前に毛皮を扱えるお店に相談しましょう。頻度は着た回数や汚れ具合によって変わるので、お店で状態を見てもらうと安心です。

クリーニング店のビニールをかけたまましまってもいいですか?

ビニールは湿気がこもりやすいので、帰ったら外して風を通し、通気性のあるカバーに替えましょう。

ハンガーは何を使えばいいですか?

肩幅に合った、幅の広いハンガーがおすすめです。細いハンガーは肩の形がくずれ、重みで毛がつぶれやすくなります。

フェイクファーのコートは家で洗えますか?

洗濯表示で家庭洗濯ができる物なら、洗えることがあります。ただ、コートは大きく重いので、型くずれが心配な時はクリーニング店に相談しましょう。

雨に濡れたファーコートはどうすればいいですか?

よく振って水を切り、乾いたタオルで拭いて、日陰で自然に乾かしましょう。ドライヤーや暖房器具の熱は使わないよう、毛皮協会も案内しています。

保管中に毛が抜けていたら、自分で直せますか?

自分で直そうとせず、毛皮の修理を扱うお店に相談するのが安心です。状態によって直し方が変わるので、まずは見てもらいましょう。

まとめ

この記事の要点
  • ファーコートの毛抜けは、しまっている間に進むことが少なくない
  • リアル・フェイク・ファー付きで手入れの方法が違うので、まずタグを見る
  • シーズン中は、袖に手を通して振り、ほこりを落とす
  • しまう前に汚れと湿気を取り、幅の広いハンガーで押しつぶさずに吊るす
  • クリーニングは毛皮を扱えるお店に、パウダークリーニングで頼めるか確かめる
  • 出す前と受け取る時に、毛と皮の状態をお店の人と一緒に見る
育毛剤えらび

育毛剤えらび 編集部

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