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育毛剤や白髪ケアの商品を調べていると、「メラノサイト」という言葉を見かけることがありますよね。『育毛剤でメラノサイトに働きかければ、白髪も気にならなくなるの?』と期待した方もいるかもしれません。
結論から言うと、メラノサイトは髪や肌の色のもとになるメラニン色素をつくる細胞です。ただ、医薬部外品の育毛剤で表示できる効能の範囲に、白髪は入っていません。
この記事では、髪に色が付く仕組みと、育毛剤・白髪ケア用品の区分の違い、広告の読み方をお伝えしますね。
メラノサイトとは?先に答え
- メラノサイト(色素形成細胞)は、メラニン色素をつくる細胞
- 髪の色は、メラニン色素の種類と量で決まると説明されている
- 医薬部外品の育毛剤の効能の範囲は、育毛・脱毛の予防などで、白髪は含まれない
- 白髪を目立たなくしたい時は、染毛剤(医薬部外品)や染毛料(化粧品)が別の区分としてある
『細胞の名前を知っても、自分の悩みとどう関係あるの?』と感じる方も多いはずです。実は、この言葉の意味を知っておくと、商品の広告を読む時に迷いにくくなるんです。
メラノサイトの説明は、研究で分かってきたことの紹介です。商品の効能とは分けて読む、というのがこの記事の一番のポイントです。
髪に色が付く仕組み
花王のヘアケアサイトでは、髪の色は「メラニン色素の種類と量で決まる」と説明されています。メラニン色素は、髪の内側にあるコルテックスという部分に含まれています。
そのメラニン色素をつくるのが、メラノサイトです。髪の根元にある毛球という部分で、次のような流れで髪に色が入ると紹介されています。
- 毛球にあるメラノサイトが、メラニン色素をつくる
- 毛母細胞が分裂して、新しい髪がつくられる
- その時に、メラノサイトからメラニン色素が受け渡される
- 受け渡された色素が髪に取り込まれ、髪の色になる
つまり、髪が伸びる仕組みと、髪に色が付く仕組みは、同じ毛球の中で一緒に進んでいるんです。
「色は根元でつくられる」と知っておくと
髪の色が根元の毛球で付くと分かると、白髪染めの後に根元だけ白く見えてくる理由もイメージしやすくなります。染めた色は、すでに伸びている髪に付いた物なんです。
新しく伸びてきた部分には、染めた色は付いていません。白髪染めは、髪が伸びるのに合わせて染め直していく物、と考えておくと付き合い方を決めやすいですよ。
メラニン色素には2つのタイプがある
メラニン色素には、黒褐色系と黄赤色系の2種類があると説明されています。どちらがどのくらいあるかで、髪の色の見え方が変わります。
| メラニンの種類 | 色の系統 | 髪の色との関係 |
|---|---|---|
| ユーメラニン | 黒褐色系 | 多く、総量が多いと黒髪になる |
| フェオメラニン | 黄赤色系 | 赤みや黄みのある髪色に関わる |
ユーメラニンが多くて総量が少ない場合は、ブロンドになると説明されています。髪の色の違いは、色素の種類と量の組み合わせなんですね。
色素幹細胞という言葉も出てくる
白髪の研究の話では、「色素幹細胞」という言葉もよく出てきます。日本皮膚科学会雑誌の総説では、色素幹細胞は毛包のバルジ領域にあり、毛周期ごとに毛母に色素細胞を供給することで毛に色素が付く、と説明されています。
難しく感じたら、『色をつくる細胞の、もとになる細胞』と覚えておけば十分です。毛周期そのものの話は、育毛剤とは?の髪の基礎のところでも触れています。
白髪になる仕組みはどう説明されている?
花王のヘアケアサイトでは、白髪になるのは、メラノサイトの働きが低下してメラニン色素がつくられなくなったり、毛母細胞に色素が受け渡されなくなったりするから、と説明されています。原因としては、加齢、遺伝、ストレス、高熱、薬の副作用など、いくつかの要因が考えられるとされています。
日本皮膚科学会の一般向けのQ&Aでも、年を重ねると髪が一様に細くなり、色も失われていく(白髪化)と書かれています。そうした変化の程度には個人差がある、とも説明されています。
| 説明のされ方 | 出典のタイプ | 読む時のコツ |
|---|---|---|
| メラノサイトの働きが低下する、色素が受け渡されなくなる | メーカーのヘアケアの解説 | 仕組みの説明として読む |
| 色素幹細胞の維持が不完全になると白髪になる | 学会誌の総説(研究の話) | 商品の効能の話とは分ける |
| 年を重ねると色が失われていく、程度には個人差がある | 学会の一般向けQ&A | 自分の白髪の原因を決めつけない |
『ストレスのせいで白髪が増えたのかも』と考えたくなる時もありますよね。ただ、白髪の原因は一つに決められるものではないので、自分で決めつけずにおくのが安心です。
育毛剤と白髪ケアは区分が違う
メラノサイトという言葉が出てくる商品は、区分がばらばらです。どの区分かによって、表示できる効能がまったく違います。
| 商品のタイプ | 区分 | 表示できる効能・目的 | 髪の色との関係 |
|---|---|---|---|
| 育毛剤 | 医薬部外品 | 育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛 | 効能の範囲に白髪は含まれない |
| 頭皮用の化粧品(スカルプエッセンス等) | 化粧品 | 頭皮・毛髪をすこやかに保つ、うるおいを与える等 | 白髪を減らす効能はない |
| 酸化染毛剤(ヘアカラー・白髪染め) | 医薬部外品 | 染毛、脱色、脱染 | メラニン色素を分解(脱色)しながら染める |
| ヘアマニキュア等の染毛料 | 化粧品 | 髪の表面に色を付ける | 脱色はしない。色持ちは染毛剤より短い |
| 発毛剤 | 一般用医薬品(第1類医薬品) | 壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛の進行予防 | 効能の欄に髪の色の話はない |
消費者安全調査委員会の報告書では、酸化染毛剤は染毛成分が髪の内部深くまで浸透して染め、メラニン色素を分解(脱色)しながら染めると説明されています。メラニンという言葉が、ここでは「色を抜く」側の話として出てくるんです。
区分の違いの全体は、育毛剤は医薬品・医薬部外品のどちら?で確かめられます。
育毛剤を使っていて髪や肌の色が気になったら
育毛剤の使用上の注意には、色に関わる記載がある物もあります。例えば、ある医薬部外品の育毛剤では、赤み・はれ・かゆみのほか、色抜け(白斑等)や黒ずみなどの異常が出た時は使用を中止し、皮フ科医へ相談するよう書かれています。
また、医薬品の頭皮用の外用液の中には、白髪の人は髪の色が茶褐色になるため、白髪を保ちたい人は使用しないよう案内している物もあります。使う前に、色についての注意が書かれていないかも見ておきたいところです。
こうした記載は、肌の異常や使う人の条件として書かれている物です。『育毛剤を使ってから頭皮の色が変わった気がする』と感じたら、使うのをやめて、外箱を持って皮膚科で相談しましょう。
「白髪にも」と書かれた育毛剤を見かけたら
育毛剤の中には、商品の紹介文で白髪に触れている物もあります。その時は、外箱の区分の文字と、効能・効果の欄を見比べてみてください。
効能・効果の欄に白髪のことが書かれていなければ、それは区分として認められた効能ではない、ということです。商品ごとの白髪との付き合い方は、ヘアモアは白髪にも使える?でも取り上げています。
染毛剤と染毛料、どちらで白髪を目立たなくする?
白髪を目立たなくする物にも、医薬部外品の染毛剤と、化粧品の染毛料があります。消費者安全調査委員会の報告書の説明を元に、違いを並べてみました。
| 比べる点 | 酸化染毛剤(医薬部外品) | ヘアマニキュア等(化粧品) |
|---|---|---|
| 染まり方 | 髪の内部深くまで浸透して染める | 髪の表層に吸着して染める |
| メラニンとの関係 | メラニン色素を分解(脱色)しながら染める | 脱色は行わない |
| 色持ち | 色落ちが少ない | 染毛剤より短い |
| かぶれ | アレルギー性の接触皮膚炎を特に起こしやすい | 酸化染毛剤と比べると起こすことは少ない |
『しっかり染めたいけど、かぶれが心配』という方は、どちらが合うかを美容師や皮膚科で相談してみてください。頭皮に赤みやかゆみがある時は、毛染めそのものを控えておきましょう。
「メラノサイト」をうたう広告の読み方
メラノサイトや色素幹細胞の研究は、ニュースで取り上げられることもあります。それを広告が引用すると、『この商品で白髪が黒くなる』と読めてしまうことがあるんです。
東京都は、医薬部外品の育毛剤のアフィリエイト広告で、白髪が黒髪に生え変わるかのように示した表示を、景品表示法の優良誤認にあたるとして措置命令を出した事例を公表しています。あわせて都は、広告をそのまま信じ込まず、おかしいと思ったら消費者ホットライン「188」へ、と呼びかけています。
- 研究の話と、その商品の効能の話が分けて書かれているか
- 外箱の区分(医薬部外品・化粧品)と、効能・効果の欄の言葉が一致しているか
- 「白髪が黒くなる」「色が戻る」と読める表現がないか
- 使用前後の写真で、白髪の変化を見せていないか
- 「PR」「広告」の表示があるか
研究の話は、その成分や細胞について分かってきたことの紹介です。商品を使って同じことが起きるという意味ではない、と分けて読むようにしましょう。広告表現の読み方は育毛剤の広告の表現の読み方でもまとめています。
研究のニュースを見た時の受け止め方
『白髪の仕組みが解明された』といったニュースを見ると、すぐに使える商品が出たように感じますよね。ただ、研究の発表と、店で買える商品の話は、たいてい別物なんです。
- 誰が発表した研究か(大学・研究機関・企業など)
- 人での話か、細胞や動物での実験の話か
- 研究の成果が、商品の効能として認められた話なのか
- 記事の中で、特定の商品の購入をすすめていないか
研究の話に興味を持つのは、とても良いことです。そのうえで、商品を選ぶ時は外箱の区分と効能・効果の欄に戻って判断するようにしましょう。
育毛剤えらび
買う前に、育毛剤の選び方を確認
医薬部外品の育毛剤・医薬品の発毛剤・頭皮用化粧品の違いと、成分・使い心地・続けやすさ・買い方から自分に合う1本を選ぶ時に見ておきたいポイントをまとめました。
無料育毛剤の選び方を見る白髪と抜け毛、両方が気になる時の考え方
40代・50代になると、白髪と髪のボリュームの両方が気になり始める方も多いですよね。2つは仕組みが違うので、ケアも分けて考えるとすっきりします。
- 医薬部外品の育毛剤を、頭皮に使う
- 効能は育毛・脱毛の予防などの範囲
- 続けて使う物が多い
- 染毛剤・染毛料で色を付けて目立たなくする
- 色は染めた髪に付き、新しく伸びた部分には付かない
- 染める周期を決めて付き合う
両方のケアを続ける時の段取りは、薄毛と白髪の対策は一緒にできる?で詳しく取り上げています。ここでは、順番の考え方だけ押さえておきましょう。
毛染めと育毛剤の順番は商品ごとの案内で
育毛剤には、アルコールを含む物が多くあります。そのため、毛染めの直後は色落ちのおそれがあるとして、数日空けるよう案内している商品もあります。
医薬品の発毛剤では、染毛剤を使う時は完全に染毛を終えた後に使うよう添付文書に書かれています。空ける日数は商品ごとに違うので、自分の使う物の説明書で確かめてください。
毛染めでかぶれないために
消費者安全調査委員会の報告書では、毛染めによる皮膚障害の多くは接触皮膚炎で、酸化染毛剤は特にアレルギー性の接触皮膚炎を起こしやすいと説明されています。少しのかゆみだからと染め続けているうちに、急にひどくなることもあると報告書は注意しています。
毛染めの説明書にある皮膚アレルギー試験(パッチテスト)の案内は、毎回守りましょう。かゆみや赤みが出たことがある方は、毛染めを続ける前に皮膚科で相談してください。
白髪が気になった時の相談先
白髪は、年齢とともに多くの人に見られる変化です。ただ、急に増えた、まだらに色が抜けた、肌の色にも変化がある、といった時は、自己判断せずに相談するのが安心です。
| 気になること | 相談先 | 伝えたいこと |
|---|---|---|
| 急に白髪が増えた、肌や髪の色がまだらに抜けた | 皮膚科 | いつから、どこに、ほかの症状はあるか |
| 毛染めでかゆみ・赤みが出た | 皮膚科 | 使った製品名、症状が出た時期 |
| 白髪の染め方、色の選び方 | 美容師 | 頭皮が敏感か、育毛剤を使っているか |
| 育毛剤と毛染めの順番 | 薬剤師、販売元のお客様相談窓口 | 使っている商品名 |
妊娠中・授乳中・産後の方や、持病で通院中の方は、毛染めや育毛剤を使う前に医師か薬剤師に相談してください。
美容院で伝えておきたいこと
美容院で白髪を染める方は、育毛剤を使っていることを美容師に伝えておくと安心です。染める日と育毛剤を塗る日の間をどうするか、一緒に決められます。
- 使っている育毛剤の種類(医薬部外品か、医薬品の発毛剤か)
- 毛染めでかゆみや赤みが出たことがあるか
- 頭皮に傷や湿疹がないか
- 次に染める予定の時期
例えば「育毛剤を毎晩使っているんですが、今日は塗らないほうがいいですか」と聞くだけでも十分です。美容師の答えと、育毛剤の説明書の案内の両方を合わせて考えてみてください。
メラノサイトの話で出てくる言葉
商品の紹介文や解説には、髪の色に関わる言葉がいくつも出てきます。読む時の目安として並べておきますね。
| 言葉 | 意味 | 読む時のコツ |
|---|---|---|
| メラノサイト | メラニン色素をつくる細胞(色素形成細胞) | 研究や仕組みの説明で出てくる |
| メラニン色素 | 髪や肌の色のもとになる色素 | 種類と量で髪の色が決まる |
| ユーメラニン | 黒褐色系のメラニン | 黒髪に多い |
| フェオメラニン | 黄赤色系のメラニン | 髪の赤み・黄みに関わる |
| 毛球 | 髪の根元のふくらんだ部分 | メラノサイトがある場所 |
| 毛母細胞 | 分裂して髪をつくる細胞 | 色素を受け取る側 |
| コルテックス | 髪の内側の部分 | メラニン色素が含まれる場所 |
| 色素幹細胞 | 色素細胞のもとになる細胞 | 研究の話。商品の効能とは分ける |
| 染毛剤 | 髪を染める医薬部外品 | 効能は染毛・脱色・脱染 |
| 染毛料 | 髪の表面に色を付ける化粧品 | 脱色はしない |
言葉の意味が分かると、『この商品はどの話をしているのか』が見えやすくなります。知らない言葉に出会ったら、この表で意味を確かめてみてください。
よくある質問
メラノサイトとは何ですか?
メラニン色素をつくる細胞で、色素形成細胞とも呼ばれます。髪の根元の毛球にあり、つくった色素が髪に受け渡されて髪の色になると説明されています。
育毛剤で白髪は黒くなりますか?
医薬部外品の育毛剤で表示できる効能の範囲に、白髪は含まれていません。白髪を目立たなくしたい時は、染毛剤や染毛料を使う方法があります。
メラノサイトに働きかける育毛剤はありますか?
商品の紹介文で触れている物はあっても、それは区分として認められた効能とは限りません。外箱の区分と、効能・効果の欄の言葉を確かめてください。
白髪染めは育毛剤と同じ区分ですか?
酸化染毛剤(ヘアカラー・白髪染め)は医薬部外品ですが、目的は染毛・脱色・脱染で、育毛剤とは種類が違います。ヘアマニキュアなどの染毛料は化粧品です。
白髪と抜け毛の両方をケアしてもいいですか?
仕組みが違うので、それぞれに合った物を使い、順番を決めて付き合うのがおすすめです。毛染めと育毛剤の間を空ける日数は、使う商品の説明書で確かめてください。
白髪が急に増えた時はどうすればいいですか?
急に増えた、まだらに色が抜けたなど気になる変化がある時は、皮膚科で相談してください。思い当たることがあっても、原因はお医者さんと一緒に考えましょう。
育毛剤で髪の色が変わることはありますか?
頭皮用の医薬品の中には、白髪の人は髪の色が茶褐色になるため、白髪を保ちたい人は使用しないと案内している物があります。使う前に説明書の色についての注意を読み、気になる変化があれば使うのをやめて皮膚科か薬剤師に相談してください。
まとめ
- メラノサイトは、髪や肌の色のもとになるメラニン色素をつくる細胞
- 髪の色はメラニン色素の種類と量で決まり、毛球で髪に受け渡されると説明されている
- 医薬部外品の育毛剤の効能の範囲に白髪は含まれず、白髪ケアは染毛剤・染毛料の区分
- 研究の話と商品の効能を分けて読み、白髪が黒くなると読める広告はうのみにしない
- 急な白髪の増え方や毛染めのかぶれは、皮膚科で相談する





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