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エコファーの生地を切った瞬間、細かい毛がふわっと舞って、机も床も服も毛だらけ。ハンドメイドでファーを扱ったことのある方なら、一度は経験していますよね。
結論から言うと、ファー生地の抜け毛対策は、「毛を切らずに基布だけを切る」「縫う前に毛足を内側へ入れる」の2つが要です。そのうえで、作業場所の準備と、仕上げた後の手入れを組み合わせると、抜け毛にずいぶん悩まされなくなります。
ここでは、エコファーの生地を切る・縫う時の工夫と、作った物の手入れのしかたをお話しします。
ファー生地の抜け毛対策は?先に答え
- 裁断は裏から、ハサミの先で基布だけを切り、毛を切らないようにする
- 切り口から抜けかけた毛は、その場で取りのぞいてから縫う
- 縫う前に目打ちで毛足を内側へ入れ、縫った後に表へ引き出す
- 作業場所は、毛を集めやすく片づけやすい所を選ぶ
- 作った物は洗濯表示に合わせて洗い、乾燥機を避ける
ニット生地メーカーの中野メリヤス工業の解説では、ファー生地は「生地の基布だけを切るようなイメージで、ハサミの先だけを使って」切るよう案内されています。毛を一緒に切ってしまうと、短く切れた毛がその場で飛び散るからです。
「前に作った時は、部屋中が毛だらけになったんだよね」「切り方を変えるだけで、そんなに違うの?」と思う方もいるかもしれません。実は、毛を切らないだけで、飛び散る毛の量はかなり変わるんです。
本物の毛皮のコートや小物の手入れは、ファーコートの抜け毛対策で紹介しています。この記事では、エコファー(フェイクファー)の生地そのものを扱う時の話に絞りますね。
ファー生地の毛は、なぜ抜けやすい?
ファー生地は、土台になる布(基布)に、長い毛がびっしりと植わった作りになっています。生地を切ると、切り口のところで毛を支えていた糸も切れるので、そこから毛が抜けやすくなるんです。
| 抜けるきっかけ | 起きていること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 裁断 | 毛ごと切って、短い毛が飛ぶ | 裏から基布だけを切る |
| 切り口 | 毛を支える糸が切れて抜ける | 切ったらすぐ抜けかけの毛を取る |
| 縫製 | 縫い目に毛が挟まる・浮いた毛が残る | 毛足を内側へ入れてから縫う |
| 着用・使用 | 摩擦で毛が抜ける | こすれる場所を減らす |
| 洗濯 | もみ洗いや脱水で毛が抜ける | 表示に合わせてやさしく洗う |
フェイクファーを扱う生地店の案内でも、ファーは摩擦で毛が抜けることがあり、色落ちにも注意するよう書かれています。
毛足の長さで、扱いやすさが変わる
同じエコファーでも、毛足の短い物と長い物では扱いやすさがまるで違います。初めて扱うなら、毛足の短めの生地から試すと、裁断や縫製のコツがつかみやすいですよ。
『毛足の長いふさふさの生地で作りたい』という場合も、まずは端切れで切り方と縫い方を一度試してから本番に入ると安心です。
作る物によって、気をつける所が変わる
| 作る物 | 抜け毛が気になりやすい場面 | 工夫 |
|---|---|---|
| 襟・袖口のつけ替え | 首や手首でこすれる | 縫い代の毛をよく取り、裏に布を当てる |
| バッグ・ポーチ | 持ち手や角がこすれる | 角は毛足の短い生地にする |
| キーホルダーなどの小物 | 手で触る回数が多い | 毛足の短めの生地を選ぶ |
| クッションカバー | 座る・寄りかかる摩擦 | 洗える生地を選び、ファスナーで外せる形に |
| 子ども用の小物 | 口に入れたり、引っぱったりする | 毛足が短く、抜けにくい物を選ぶ |
『せっかくだから、いちばんふさふさの生地で』と思う気持ちも分かります。ただ、毎日触る物ほど、毛足は短めの方が抜け毛に悩まされにくいんです。
裁断の前に、作業場所を整える
ファー生地を切る時は、毛が飛ぶ前提で場所を整えておくと、片づけがぐっと楽になります。
- 床は、毛を集めやすいフローリングやビニールシートの上か
- 机の上に、捨ててもいい紙や大きめの布を敷いたか
- 黒い服やセーターなど、毛のつきやすい服を着ていないか
- 粘着ローラーと掃除機を手の届く所に置いたか
- 換気扇や窓の近くなど、風で毛が舞う場所ではないか
エプロンや、毛がつきにくいツルッとした素材の服で作業すると、後で服の毛を取る手間が減ります。髪の長い方は、まとめておくと毛が絡みにくいですよ。
生地を買う時に見ておきたいこと
- 毛足の長さと、毛の密度
- 裏地(基布)の色と、印がつけやすいか
- 組成表示(ポリエステル・アクリルなど)
- 家で洗えるかどうかの表示や、お店の説明
- 端切れで試せるよう、少し多めに買えるか
お店で「この生地は家で洗えますか?」「切る時に毛は散りやすいですか?」と聞いてみるのもおすすめです。作る物を伝えると、合う生地を一緒に考えてもらえることもありますよ。
型紙は裏側に写す
型紙の線は、毛のない裏側(基布の側)に写します。同じ解説では、裏地が白い生地ならチャコマーカーやカラーペン、鉛筆、黒い生地なら白の不透明なマーカーが使いやすいと紹介されています。
| 裏地の色 | 使いやすい印つけの道具 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 白・薄い色 | チャコマーカー・カラーペン・鉛筆 | 表に色が透けないか端切れで試す |
| 黒・濃い色 | 白の不透明なマーカー | 線が細すぎると見えにくい |
| 柄がある | 見やすい色のマーカー | 毛並みの向きの矢印も書いておく |
ファーには毛並みの向きがあります。型紙を置く時に、毛が流れる方向をそろえておかないと、仕上がった時に一部だけ毛の向きが違ってしまうことも。裏側に矢印を書いておくと迷いませんよ。
切る時の工夫:毛を切らずに、基布だけを切る
いよいよ裁断です。ここが抜け毛対策のいちばん大事なところなんです。
- 生地を裏返し、毛のある面を下にして平らに置く
- ハサミの先を基布と毛の間に浅く差し込む
- 刃先を小さく開閉しながら、少しずつ切り進める
- 切った所を少し持ち上げ、毛が引っかかっていないか見る
- 切り口から抜けかけた毛を、手でつまんで取りのぞく
- 1パーツ切るごとに、粘着ローラーや掃除機で机の毛を取る
同じ解説では、ロータリーカッターは毛が短くなり、仕上がりに影響するのですすめられていません。大きく刃を動かすハサミの使い方も、毛をまとめて切ってしまいがちです。
毛の飛び散りを抑える工夫
手芸の解説では、切る前に霧吹きで生地を軽く湿らせる、大きなポリ袋の中で切る、といった方法もよく紹介されています。湿った毛は舞いにくく、袋の中なら飛んだ毛がその場にとどまります。
ただ、生地によっては濡らすと風合いが変わる物もあります。湿らせる場合は、端切れで試してからにしておきましょう。
- 表から切って、毛を一緒に切ってしまう
- 一気に大きく切り進めて、毛を巻き込む
- 切り終わってからまとめて掃除して、毛が部屋中に広がる
縫う時の工夫:毛足を内側へ入れてから縫う
ファー生地を縫う時に困るのが、縫い目に毛が挟まってしまうことですよね。挟まった毛は表から見ると不自然ですし、後から抜けてくる原因にもなります。
- 縫い合わせる2枚を、毛のある面どうしを合わせて重ねる
- 目打ちで、縫い代にかかる毛足を内側へ押しこむ
- まち針やクリップ、ミシンでの仮止めで、ずれないように留める
- 生地を軽く引っぱりながら、ゆっくりした速さで縫う
- 表に返し、縫い目に挟まった毛を目打ちで引き出す
中野メリヤス工業の解説では、ミシンで仮止めしてずれを防ぎ、生地を軽く引っぱりながらゆっくり縫うよう案内されています。急いで縫うと、生地がずれて毛を巻きこみやすくなります。
縫い終わった後の毛の始末
表に返したら、縫い目に沿って目打ちを軽く動かし、挟まった毛を引き出します。毛が表に出てくると、縫い目が毛に隠れて、自然な仕上がりになりますよ。
縫い代の中には、切れた毛や抜けかけた毛が残っていることがあります。裏返したまま軽く振るか、粘着ローラーを押し当てて取っておくと、使い始めてからの抜け毛が減ります。
手縫いで仕上げる時
小物や、ミシンが入りにくい所は手縫いで仕上げることもありますよね。手縫いの時も、針を入れる前に目打ちで毛足をよけ、基布だけをすくうように縫うのがコツです。
糸を強く引きすぎると、まわりの毛まで縫い目に引きこまれてしまいます。ひと針ごとに、毛が挟まっていないかを確かめながら進めましょう。
縫い代を布で包むという方法も
服の襟や袖口のように肌に触れる所は、縫い代の切り口がむき出しだと、そこから毛が抜けてきやすくなります。裏地や見返しをつけて縫い代を包むと、切り口の毛が外に出にくくなります。
小物の場合も、内側に裏布をつけると、使っているうちに中から毛が出てくるのを防ぎやすくなりますよ。
ミシンの手入れも忘れずに
ファー生地を縫った後のミシンは、送り歯やかまの周りに細かい毛がたまっています。そのままにすると、次に縫う時に動きが重くなることもあります。
取扱説明書に沿って、付属のブラシで毛を取りのぞいておきましょう。
育毛剤えらび
買う前に、育毛剤の選び方を確認
医薬部外品の育毛剤・医薬品の発毛剤・頭皮用化粧品の違いと、成分・使い心地・続けやすさ・買い方から自分に合う1本を選ぶ時に見ておきたいポイントをまとめました。
無料育毛剤の選び方を見る作業を途中で中断する時
一度に仕上げられない日もありますよね。切ったパーツは、大きめの袋に入れて口を閉じておくと、切り口から抜けた毛が部屋に散らばりません。
縫いかけの物も、袋に入れるか布をかけておきましょう。次に作業を始める時に、机の上が毛だらけ、ということが減りますよ。
作業が終わった後の片づけ
作業が終わると、机にも床にも、服にも毛がついています。片づけは「上から下へ」が基本です。
| 場所 | 取り方 | ひとこと |
|---|---|---|
| 机の上 | 敷いた紙や布ごと、そっと包んで捨てる | 払い落とすと床に広がる |
| 道具(ハサミ・目打ち) | ティッシュや布で拭く | 刃の根元の毛も取る |
| 着ていた服 | 粘着ローラーを押し当てる | 部屋を出る前に取る |
| 床 | ワイパーで集めてから掃除機 | いきなり吸うと毛が舞う |
| 余った生地 | 袋に入れて口を閉じる | 切り口からの毛が散らない |
『片づけまでが作業』と思っておくと、毛だらけの部屋で過ごす時間が短くなりますよ。
掃除機のヘッドに長い毛が絡んだら、その日のうちに取っておきましょう。
集めた毛と端切れの捨て方
集めた毛や細かい端切れは、そのままごみ箱に入れると、ふたを開けるたびに舞い上がります。小さな袋に入れて口を縛ってから捨てると、毛が散らばりません。
排水口や洗面台に流すのは、つまりの原因になるので避けましょう。手についた毛も、洗う前に粘着ローラーやティッシュで取っておくと安心です。
子どもやペットがいる家では
小さな子どもやペットがいる家では、作業中に部屋へ入ってこないようにしておくと安心です。細かい毛が床に落ちたままだと、口に入ってしまうこともあります。
作業が終わったら、床を念入りに掃除してから、子どもやペットを部屋に入れましょう。
エコファーで作った物の手入れと洗濯表示
完成したエコファーの小物や服も、使い方と洗い方で抜け毛の量が変わります。家事の解説では、フェイクファーはブラシで毛が抜けることがあるので、手で振る・軽くたたく方法が紹介されています。
| 洗濯表示 | 意味 | どうするか |
|---|---|---|
| 洗濯おけに数字 | 家で洗える(数字は液温の上限) | ネットに入れて弱い水流で |
| 洗濯おけに手 | 手洗いができる | もまずに押し洗い |
| 洗濯おけに× | 家庭では洗えない | クリーニング店に相談 |
| 円のある四角に× | 乾燥機は使えない | 自然乾燥にする |
消費者庁の「洗濯表示」の案内では、×は処理の禁止を表し、記号で表せない取り扱いは「洗濯ネット使用」などの付記用語で補うとされています。自分で作った物の場合は、使った生地を買った時の表示や、生地店の説明を確かめておきましょう。
洗う時と乾かす時の注意
クリーニング会社の解説では、ボアのような毛足のある化学繊維は熱や摩擦に弱く、強い脱水や乾燥機は避けるよう案内されています。洗う時はほかの物と一緒にせず、脱水は短めにしておきましょう。
乾かす時は、形を整えて日陰に干し、乾いたら手で軽く振って毛並みを整えます。毛がからまっている所は、指先でやさしくほぐしてくださいね。
直射日光や暖房器具のすぐそばで乾かすと、熱で毛が縮れることもあるので、風通しのよい日陰を選びましょう。
ブラシを使う時は
『毛並みが乱れたから、ブラシでとかそう』と思うこともありますよね。家事の解説では、フェイクファーはブラシで毛が抜けることがあると紹介されています。
ふだんは手で振ったり、軽くたたいたりして毛並みを整え、どうしてもとかしたい時は、やわらかいブラシで毛先だけを軽くなでる程度にしておきましょう。
しまう時は押しつぶさない
エコファーの小物は、重ねてしまうと毛がつぶれてしまいます。箱や引き出しに入れる時も、上に重い物を置かないようにしましょう。
抜け毛が減るやり方・増えるやり方をおさらい
ここまでの手順をおさらいすると、毛の抜けやすい場面は「切る時」「縫う時」「使う時」の3つです。どの場面でも、毛を引っぱらない・こすらない・その場で取る、を心がけておけば大丈夫です。
- 裏からハサミの先で基布だけを切る
- 縫う前に毛足を内側へ入れる
- 1パーツごとに机の毛を取る
- 表から毛ごと切る
- 毛を挟んだまま縫い進める
- 最後にまとめて掃除する
この記事に出てきた言葉
| 言葉 | ひと言でいうと |
|---|---|
| 基布 | ファーの毛が植わっている土台の布 |
| 毛足 | 生地の表面から出ている毛の長さ |
| 毛並み | 毛が流れている向き |
| 目打ち | 先のとがった手芸用の道具。毛を押しこんだり引き出したりする |
| 縫い代 | 縫い目から布の端までの部分 |
人の髪の抜け毛が気になっている方は、育毛剤とはどんな商品かで区分の違いからお話ししています。
よくある質問
ファー生地はカッターで切ってもいいですか?
ニット生地メーカーの解説では、ロータリーカッターは毛が短くなり仕上がりに影響するので、すすめられていません。裏からハサミの先で基布だけを切るのが基本です。
切った後も毛が抜け続けます。
切り口の近くは、抜けかけた毛が残りやすい所です。手でつまんで取り、粘着ローラーを押し当てて浮いた毛を取ってから縫い始めましょう。
縫い目に毛が挟まってしまいました。
表に返してから、縫い目に沿って目打ちを軽く動かすと、挟まった毛を引き出せます。縫う前に毛足を内側へ押しこんでおくと、挟まりにくくなります。
毛の飛び散りを抑える方法はありますか?
霧吹きで軽く湿らせる、大きなポリ袋の中で切るといった方法がよく紹介されています。生地によっては濡らすと風合いが変わるので、端切れで試してからにしましょう。
エコファーで作った小物は洗えますか?
生地の洗濯表示によります。家で洗える表示なら、ネットに入れて弱い水流で洗い、乾燥機は使わないでください。洗えない表示の時は、クリーニング店に相談しましょう。
作業の後、服についた細かい毛が取れません。
粘着ローラーを転がすより、押し当てるように使うと取りやすくなります。作業の時は、毛のつきにくいツルッとした素材の服やエプロンを着ておくと、後の手間が減ります。
ミシンで縫ってもいいですか?
ミシンでも縫えます。仮止めでずれを防ぎ、生地を軽く引っぱりながらゆっくり縫いましょう。縫い終わったら、ミシンにたまった毛を取りのぞいておいてください。
まとめ
- ファー生地は、切る時・縫う時・使う時に毛が抜けやすい
- 型紙は裏側に写し、毛並みの向きの矢印も書いておく
- 裁断は裏から、ハサミの先で基布だけを小刻みに切る
- 縫う前に毛足を内側へ入れ、縫った後に目打ちで引き出す
- 作った物は洗濯表示に合わせて洗い、乾燥機を避ける
最初の1作目は、端切れで切り方と縫い方を試すところから始めてみてください。コツがつかめれば、2作目からは作業も片づけもぐっと楽になります。
ファー生地は扱いにコツがいるぶん、仕上がった時のふわふわ感は格別です。毛と上手につきあいながら、ものづくりを楽しんでくださいね。





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